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姓が変わって気づいたこと

経験してみないとわからないことはたくさんある。
一方で、経験せずともなんとなくわかることもある。

私は若い頃から結婚願望がほとんどなく、生涯独身でいるだろう、
それがとても自然で私らしいと思っていた。
結婚を否定してるわけではない。
経験がなくてもわかる。
単に向いてないの。

だけどパートナーはほしい、
丁度いい距離感で付き合っていける人が理想だと思っていた。

のだけど、
ある時ちょっとしたきっかけで結婚することになった。

何かに突き動かされるように、状況がどんどん結婚に向かい、
まぁそんな流れなのかなと思って決めた。
あれは私の意志ではない、何か説明のつかない、そういう星回り?タイミングだったのだろうと思うくらい、
見えないエネルギーのうねりに巻き込まれながらの結婚だった。

結婚したくない!と思ってたわけでもなかったので、
残りの人生毎日同じ人と多くの時間を過ごすのか〜私にできるかな?と不安を抱きつつも、
勢いとともに、選択の余地なく決めた。

そしてバタバタと入籍やその他手続きを済ませて思ったのは、
うれしい!幸せ〜ではなく、

名字変わるのってめんどくさっ!!

だった。笑

ありとあらゆるものの名義が変わるの、その手続きをしないとならないの、当たり前なんだけど。
ほんとにありとあらゆるものよ、何から何まで私であることに確認手続きと証明書類が必要だった。
その面倒くささの連続の中で、あることに気づいた。

私、旧姓がだいぶ気に入ってたんだなー。

改姓するまで全く気づいてなかったけど、
めちゃくちゃ愛着あって、
私を表す大事な目印みたいな存在だったんだ。

もうあの姓を名乗れない。

突然の喪失感。

失ってはじめて気づいた。

新しい姓が嫌だとか気に入らないとかでは全然ない。
画数が減って書くの楽でいいじゃん、と思う。
だけど、新しい姓で呼ばれると、お気に入りの旧姓から切り離されて別物になった感覚で、
まるでアイデンティティを失ってしまったみたい。
とってもとっても寂しかった。

それから何年も経ってこなれてはきたけど、
たまに、とっさの時に旧姓を言ってしまうこともあったりして、
内心、いまだに未練タラタラ。笑

世間で話題の選択型夫婦別姓についても、
結婚するまではさして興味もなかった。
姓にそこまでこだわる?
何でもよくない?とまぁ、恥ずかしいくらいに無関心だった。
経験してみないとわからないものだね。

まぁそんなわけで、こだわり屋の私です。

姓はなんでもいいや〜という器の大きい人間ではないし、
好きな人と結婚して、その人の姓を名乗れることに幸せを感じるような、
かわいい従順な女でも決してなかった。

割と複雑で、主張の強いタイプなんだな。

できることなら旧姓に戻りたい。
でも今の日本では残念ながら事実婚しか選択肢はない。
事実婚って、いちいちパートナーであることの客観的証拠が必要なんだって。
結婚よりもっと面倒くさそう。

この窮屈さ、もう時代遅れだよね?
どうにかならんかね。

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