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母とわたし

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年老いた母と過ごす時間や本を通して考えたことを綴る記事を載せています。「介護」というほどでもないのですが。。
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#介護

【読書日記】 「利用者の思いにこたえる 介護のことばづかい」を読む

帯に「アンケートとインタビューで明らかになった」とありました。実際の声を集めて、ことばづかいについて言及している本は珍しいと思い、読みました。 第一刷:2019年3月1日 発行元:株式会社 大修館書店 著者:遠藤 織枝・三枝 令子・神村 初美 内容:利用者と家族は何を望んでいる?アンケートとインタビューで明らかになった“介護される側”の声を多数紹介しながら、介護現場の心地よいコミュニケーションのありかたを考察。(Amazonより) 「介護者はこんなことばかけをするとよいで

89歳の母とテレビのよい関係

89歳の母は、テレビを見たり本を読んだりして大半の時間を過ごしています。 母とテレビのことで少し考えることがありました。 「年老いてテレビばっかり見てると認知症になりやすい」と複数のメディアでよく伝えられています。 最近読んだ本にも次のように書かれていました。 「ふん、ふん、その通りだなあ」と思って読んでいました。 テレビダラダラ→心も体もダラダラ→頭も体も動かない→考える力が育たない、もしくは力が萎える こういう図式は、年老いた人だけではなく、成長期の子どもや大人

【読書日記】 「老いた親を愛せますか?それでも介護はやってくる」を読む

著者の岸見一郎さんの「介護のためのアドラー心理学入門」を先日読み、非常に共感しました。自分を見つめ直したく、さらに一冊手にとりました。 第1刷:2015年12月10日 発行元:株式会社 幻冬社 著者:岸見 一郎 内容:私たちにとって幸福とは何か? 70万部のベストセラー『嫌われる勇気』の著者にしてアドラー心理学の第一人者が、ありのままの家族の関係を提言。 「愛せますか」「それでも」・・・タイトルが衝撃的「老いた親」というとマイナス面ばかり思い浮かんでしまいがちです。 「動

年老いた母が「自己選択」をする

年老いた母は、自分で選んだり、決めたりする機会がほとんどありませんでした。最近、車椅子に乗るようになり、母なりの自己選択の機会が増えました。私にとっても嬉しい経験でした。 膝が痛いから引きこもる それなら痛くない方法で外に出よう 母は、まさに「閉じこもり」。家の外には全く出ません。介護サービスも使いません。人と接することもほとんどありません。体のあちこちが痛く、動くのもやっと。家でじっとしている、の悪循環でした。 車椅子がやってきた 母に「お出かけしよう」と言っても「い