【詩】今宵も蛾は蝶になる夢を見る
外灯もない山の中から出てきて
ネオンに群がった蛾は蝶に憧れ
ミナミは今夜も賑やか
着飾ればちょっとしたもの
ホストのキャッチさえ嬉しくて
蝶に化ける金 タクシー代ネット喫茶に替えて
千円札をじっと眺める それでも綺麗になりたくて
諦められれば蛾のままで
大阪の片隅でひっそりと
灯が射すだけ有難いと思えば
キタも懐寒く
八月二月は客が入らないことも覚えて
小娘にもリーマンショックは容赦なく襲う
若さが失望を許さなかった
皺と弛みがようやく田舎娘を降ろす夢舞台
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