見出し画像

【詩】思惑

僕の父さんヒモだったんですよ無邪気に語る
お前ももうすぐ俺になるよとオーナーが返す
違う世界の人にあなたが映る
その陽気で明るい笑顔を独り占めしたい
カモにされるよと友だちの助言 あなたを信じたい


綺麗な服が欲しくて足を踏み入れた酒臭い路地
地味な女をサラリーマンに受けがいいよとおだてに乗って
営業トークを本気にとるのは私くらい
遊び慣れててもその射るような目が素敵で
顔に出ているでしょう 好きです 可笑しいですか


すんなり笑えるあなたの部下にはなんとも思っていないから
私と同じ類の冴えないその男はたやすくなつく
片膝を床についてつきあってあげて下さいとあなたは
その真っすぐな据わった目に逆らえなくて
愚かでしょうか 嗤ってますか その目の奥で


恩を売って部下を買った隙をついていつかはあなたとなんて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?