水車小屋のネネを読んで

正直自分の好きなジャンル?ではなかった。でもだからこそ読んでよかったとも思っている。

本の題材として、また不幸な背景を持つ人物の物語かと思った。黄色い家とかもそうだが、貧乏な環境、親に恵まれない子供。不景気だからこのような作品が評価されるのかななんて思っていた。このようなときに度々訪れる不幸な展開がすごく嫌いだ。感情移入しすぎてしまうのでこっちまで病んでしまう。しかし、水車小屋のネネではそのような展開はあまりなかった。ほぼなかった。だから逆に新鮮だったし、これはこれで感情の起伏が少ないから読んでいて思うことが少ないのも気づけた。

お金がなくても幸せに生きていけることはすごいことだとは思うが、やはりもっと外の世界に飛び込んでいきたいと思う。ネネという存在がみんなを引き寄せてつなぎとめてくれているとも思うが、みんなを縛っているようにも感じた。

すごく印象に残った言葉がある。誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものです。と。私はやりたいことがたくさんあり、人生足りんと絶望しているのだが、じゃあどれか切り捨てて人生設計を計画しようというとき、やりたいことの優先順位がないことに気づく。今しかできないからとか、若いうちとか、結婚してからでは遅いとかそんな後ろ向きな理由でやりたいことを決めている自分がいる。そうなると、極論やりたいかといえば言い切れなくなって、じゃあやらんでよくないってなって。じゃあなんの人生なんってなるときがある。そんな真逆に絶望する日がたまにあるのだが、そんな日は1つ親切な行いをしてみようと思った。どんなささいな親切でも絶望から抜けだせる気がする。

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