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ちびっこ達に交ざってすみっコぐらしの映画を見てきた話

すみっコぐらしが好きだ。あの愛らしいフォルムはもちろんのこと、それぞれのキャラごとにしっかり物語があるところもたまらない。何だかんだ10年以上好きな気がする。

というわけで、現在公開中の「映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ」を見てきた。
本当は封切り直後に見に行きたかったのだけど、あいにく金欠だったので…。

見た感想なのだが、端的に言うと電気が着いた瞬間に「脚本がうめぇ…」と呟いてしまって連れに「?」とされてしまったと言えば伝わるだろうか。とりあえず下に記してみよう。

※以下ネタバレを含むので未視聴の方は注意⚠️

安定の愛らしさ、そしてピンチ

今回のお話は、ぺんぎん(本物)がしろくまの元にしろくまの兄弟からのお手紙と昔遊んでたクマのぬいぐるみを持ってきてくれるところから始まる。しかしぬいぐるみに着いてたはずのボタンがなく、皆でぺんぎん(本物)が通ってきた森の中に探しに行って、タイトルにもある工場を発見するのだ。

ほのぼのストーリーもさることながら、動いているすみっコたちの可愛いこと…!歩いてるだけで癒されてしまう。声出しOK上演なら幾度となく「かわいい…」とこぼしていたに違いない。そして工場で出会ったくま工場長も嬉しそうに頬を染める顔が堪らない。大人的に若干心配になる部分(労働的なあれこれ)もありながら微笑ましいシーンが多々あり、始終ニコニコだった。

…しかし、徐々に大人的に心配していた部分が当たってしまい、いつものキャラであるすみっコたちはピンチに追い込まれる。すみっコたち、あんなに俊敏に動けるのね!?とか思いつつ、まぁピンチはピンチなのだが、その後最大の衝撃ポイントが訪れる。そう、工場の秘密が明かされるのだ。

不思議な工場の正体

いつの間にか綺麗に片付いたり、設備が立派になったりと不思議な点がいくつかあったオモチャ工場。その秘密とは「工場自体が意志を持った存在だった」ということ。つまり、オモチャ工場自身がすみっコたちに一緒におもちゃを作ってほしいと望み、彼ら彼女ら(?)を招いたのである(工場長の正体は、工場で出来た動くぬいぐるみだった)

過去に街の人たちを喜ばせる多数のオモチャを作る場であったオモチャ工場。しかし時が流れ、打ち捨てられてしまった工場は、またオモチャを一緒に作ってくれる仲間を待ち望んでいた。
たまたましろくまが工場のスイッチを入れてくれたことにより復活した工場は「オモチャが作れなくなったら、また捨てられてしまう」との思いから一生懸命にオモチャを作ろうとしたのだ。だからこそ、すみっコたちに無理を強いたのである。

すみっコたちだから言ってあげれたこと

逃げ出したすみっコたちを追いかけるため無理に機械を稼働させた工場は、壊れてしまう。もうオモチャを作ることは難しい。
「オモチャを作れなくなったオモチャ工場なんて捨てられるだけだ」と悲しみの中でツタに覆われていく工場に、しろくまが声をかける。

「捨てないよ。大事にする」
「だって、仲間だもの」

しろくまにとっては、一緒にオモチャづくりをした工場は既に大切な仲間の一員だったのだ。
そして、しろくまが工場に見せたのは子供の頃から大切にしていたぬいぐるみ。それは実は工場長―オモチャ工場が昔作っていたオモチャのひとつ―と同じ型のぬいぐるみ。遊ぶ中で何度も破れたり綿が出たりして壊れたけれど、お母さんがツギハギして直してくれて、だからパッと見は違うぬいぐるみの様だったけれど、そうまでして、しろくまは大切にそのぬいぐるみを使っていたのだ。

※じゃあ何で故郷にそのぬいぐるみを置いてきたの?と言われそうなので補足だが、これは自分が故郷を離れて兄弟が悲しまないようにと自分の代わりとしてぬいぐるみを置いて出てきたとの話が最初の方にあったので、そういうことだろう。

そして「オモチャが作れなくたっていいじゃない」とすみっコたちは工場を肯定する。
これはすみっコたちだからこそ言ってあげられる台詞なんじゃないだろうか。だって、すみっコたちは「〇〇なのに‪✕‬‪✕‬」っていうようなキャラクターばかりなのだから。しろくまは「しろくまなのに寒がり」、ねこは「ねこなのにずんぐりむっくりで体型を気にしてる」etc…。
その言葉のおかげで、工場はそのまま朽ちるのではなく、新たな道…オモチャ工場以外としての生き方を探すことを選べたのだ。なんと美しい。お涙頂戴だと言う人もいるかもしれないけれど、しかしコレは…個人的には刺さったよ。

エンディング映像、そして美しい終幕

エンディング曲のすみっコディスコが流れる中、映像では工場が新たな道を模索する姿が映る。作戦会議をし、エプロンをして喫茶店で働こうとしておばけの店員さんに困られてる姿は何とも愛らしいのだが、コーヒー豆のマスターが映写機を持ってきてくれたところでふと気が付く。…あれ、この絵、どこかで見たぞ?

入場特典ポストカード

そうだ、入場特典でもらったポストカード。そこで映画館の様子的なの見たよ。じゃあ、もしや、これって…!?

その後流れてきたのは、おそらく元工場の中だろうところで映画の上演準備をするすみっコたち。そして映写機が動き映画を楽しむ姿が流れ…

エンディング後、青空の映像バックに「工場はその後、街を離れました。もしかしたらあなたのすぐそばにいるかもしれません」とナレが入り、その後、画面いっぱいに嬉しそうに微笑む工場の顔が…。

そう、これ工場が映画館に生まれ変わって、私たちにこの映画を見せてくれたっていうようなメタ構造になっているのだ。
こういう演出が私は割と好きなので、脚本が上手い!と思わずにはいられなかった。いやぁ、これは映画館で見て大正解。これは映画館でしか味わえない感動だもの…。

感動が大きかったので、備忘録的についツラツラと書いてしまった。改めて、すみっコぐらしはいいね(*´ω`*)



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