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その癖マズいです。はじめは子どもの時の校庭から。70代で大きな代償を払うかも。足関節捻挫のお話。

ども、義肢装具士の佑吉です。

日に日に暖かくなり、行楽に丁度いい季節になってきました。
ちょっとお出かけして、桜に見とれてたら、足元の段差で足首をひねってしまった、なんてことがよくあります。
そんなヒヤリを感じたことのある人は、私だけではないと思います。
なので、本日は「足関節捻挫・足関節靭帯損傷」についてお話していこうと思います。

「足関節捻挫・足関節靭帯損傷」と聞くと、すごく大層な感じがしますが、簡単に言うと「足首をひねった」というケガです。
スポーツをしている人に限らず、体育の授業でもあると思いますし、通勤通学でちょっとした段差でも、簡単にしてしまうケガになります。また、普段はなない靴ででかけて、グキッとやってしまう事もあり、せっかくの楽しい時間も、残念な気持ちになってしまう事もあります。

そんな足関節捻挫・足関節靭帯損傷、足関節(足首)を捻ってしまう事によって、靭帯を傷めてしまい、炎症、痛みが発症するケガです。靭帯の素雲霄度合いによって、状態のグレードがあり、あまりにひどい場合だと、手術になることもあります。また、痛めてしまった靭帯によって、もっと詳しく分類もされていますが、一般的には外側の靭帯を傷めることが多く、8割以上が外側の損傷のイメージです。この足関節の外側靭帯損傷、ケガをしたときには、足関節の前側、足の甲の足関節側が痛くなることが多く、その後詳しく調べると、外側の靭帯の損傷だったということもあります。また、この外側の靭帯は、外果(外くるぶし)の先端に付着しており、この付着部に負荷が掛かり、骨折を伴うこともよくあります。更にひどい場合だと、第五中足骨(小指と関節する、踵との間に有る骨)の近位端(足関節側の端っこ)の骨折を伴うこともあり、しっかりした固定が必要にある場合があります。このような診断には、レントゲン写真の撮影が必ず必要ですので、自己判断せず、整形外科の受診をするようにしてください。
特に、初めての捻挫の時は、キチンと受診することをオススメします。
それは、捻挫癖を防ぐためです。この捻挫癖、多くの人が感じているのではないでしょうか?そして、侮っているのではないでしょうか?
それが危険なのです。
実は、この捻挫癖、ほっとくと何度も捻挫を繰り返す、ということは分かると思います。しかし、それだけで終わらず、その先の変形性足関節症に繋がってくるのです。

なぜ変形性足関節症に繋がってくるのか?
まず関節の構造についてみていく必要があります。
関節は、骨と骨が隣り合うことによって出来てきます。この時、骨と骨を離れない様にしているのが、軟部組織と言われるもので、筋肉や靭帯、腱などです。そして、これらの軟部組織が弱くなると、関節が不安定になり、関節を作っている関節面を、傷めてしまうのです。この事によって、炎症や痛み、可動域制限(動かせる範囲の減少)、耐荷重の減少などが起き、これらのことによって、歩くことが難しくなり、介護が必要になったり、刺激が少なくなることによって、骨が弱くなったり、認知機能の衰えがでたりするのです。
そして、この軟部組織の一部の靭帯が、捻挫を繰り返すことによって弱くなり、関節への負荷を上げてしまうことに繋がるのです。
もし仮に、重度の変形性足関節症になってしまった場合、足関節の固定手術をすることがあり、歩くことはできますが、色々な制限を受けることになります。靴が履きにくくなったり、装具と一生付き合っていかなければいけなくなったりします。また、関節を傷めたままの時よりはいい状態になりますが、健康だったころのように歩くことは難しくなるため、こういった状態にならない様にすることが重要です。

そのため初めての捻挫の時から、整形外科を受診することが重要なのです。
もし捻挫をしたとき、左右で大きく太さが変わったり、捻ったところに熱を持っていたり、足をついて歩けない、などの症状があった場合は、必ず受診して下さい。

そして、捻ってすぐにこのような症状が出た場合、その場である程度、応急処置できれば、より良いです。
その方法、まずは冷やすこと、傷めた場合、炎症が起き周りの組織も、更に傷めてしまうため、それを防ぐためにまずは冷やします。
そして、傷めたところが動くと、更に傷めてしまうため、固定を行います。
傷めたところには、それを直そうと血液が集まってきて、炎症がひどくなったり、まわりの組織に負荷が掛かってしまう事があるため、包帯などで圧迫し、更に、心臓より高い位置に上げ、血液が溜まりにくい様にします。
これはあくまで、簡単な応急処置になりますので、ケガをした人が落ち着いて、動けるようになったら、病院に行ってください。

整形外科で治療をしていくと、ある程度したら痛みも腫れもかなり良くなってきて、ちょっと無理したら、少し痛いぐらいで問題なく動けるようになってきます。
が、この時が一番重要で、ここをしっかり我慢をして靭帯を直しておくかどうかで、のちの捻挫癖や再発のリスクを少なくできるのです。
無理をしたら少し痛む程度で動ける、というのは、靭帯が治りきっていないので、痛みが出ている、ととらえることができ、治っていない状態で動けば、また痛めてしまう可能性があります。そして、何度も同じように痛めていると、靭帯が伸びたままになるなどして、靭帯として弱くなってしまいます。この弱くなった靭帯が、捻挫癖の元になり、それが繰り返され関節に負荷が掛かることにより、変形性足関節症に繋がるのです。

ケガをしてしまったモノは仕方がありません。
しかし、そのあとどうするかによって、更に先の未来に影響してきます。
人の身体は、自己治癒能力があります。
しかし、キチンとした段階を踏まなければ、治るものを治らなくなり、大きな代償を払うことになるのです。

もし、今、捻挫癖がある人は、長距離長時間、高負荷などの活動を行うときは、サポーターをつけることをオススメします。
このサポーターはドラッグストアに売っているものでも構いませんし、スポーツ用品店などでもいいと思います。もし近くに義肢装具の製作所があれば、相談するといいかもしれません。
この時、ポイントとして、外に倒れる様な捻挫癖がある場合、外側を引っ張り上げるようなバンドが付いたサポーターを購入されるといいと思います。
これは、伸びてしまった外側の靭帯を、これ以上伸びにくくするような力をバンドが果たしてくれます。
また、サポーターはごわごわして嫌だ、という場合は、テーピングをしてみるのもいいかもしれません。
ただし、皮膚が弱かったり、張り方が分からない方は、サポーターの方が無難ですので、そちらをオススメします。
あとは、インソールを入れることによって、足部のアライメントを整え、重心位置の調整をしてやることによって、足関節への負荷を減らすこともできますので、もし気になれば、試してみてもいいと思います。

ここまで読んでいただき、ご縁を繋いでいただきありがとうございました。
これからも様々な、整形、リハビリ、靴、健康などの
記事を書いていきますので、またお越しください。
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それでは本日はここまで
ではでは。

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