悲惨だった防災訓練の話

秋は暖房器具を使う冬の一つ前の季節で、着込めば外でも活動しやすいし防災訓練をされる会社も多いのでは無いかと思います。うちの職場も例に漏れず(消防署からの指導もあって)やることになりました。
珍しく今回は上の人達が本気で、「ほかの部署との連携をBCP対策(事業継続対策)をシナリオでシミュレーションして行う!」との話でした。この防災意識は全国に誇れると思います。

防災訓練が始まった直後、シナリオ通りシミュレーション情報が錯綜を始めます。すると「あれを頼む」「これはどうなんだ」という情報が口々に行き交うのかと思ったのですが、うちの班は「間違いがあっては困る」という理由でなんと一切の例外なくそれら全ての情報を状況報告書という文書で回してました。カリカリという音しかしない弊災害対策班の雰囲気は怖かったのですが、どちらかというと誰もおかしいと言わない方が怖かったです。

(まあ間違いがあって二次災害が起きたりしたら大変だし、そういうのもありなんだな)と思いながら状況報告書を書き終わり報告書が回り始めると、書き方に不満があったらしく班の中の偉い人が書いている人の後ろでダメ出しのような指示を出しまくるようになり、みんな戦々恐々としてペンを持ったまま固まっていました。顔に(そんなに言うなら自分も書けよ)という感情が見え隠れしてたように思いました。

さらに、ホワイトボードに記入されるまでに、防災本部の人→連絡する人→受ける人→受けたのをメモに取る人→メモに取ったものを確認する人→ホワイトボードに書く人という、伝言ゲームでもさすがにここまでやらないだろという連絡順序、ミスる伝言、そしてそれを構築した本人の「何故こいつらはこんなに無能なんだ」というキレ方、見ていて
「ああ、これが本番じゃ無くて本当によかったな」と思いました。

そして、偉い人達による「今回は難しいシナリオにもかかわらず、順調に対応できよかった」という、本当にこの惨状をご覧になっていたのですかと思わざるをえない講評で幕を閉じました。

2つ個人的に思ったのは、「進捗だけ確認して細かいことには指示を出さず、偉い人は濃い指示を少なく出した方がよいかもしれない」ということと、「防災訓練ではその人の本当の能力(特に人を動かす力)が見えてしまうのではないか」という事でした。細かい事はほかのビジネス記事サイトをお読み頂くと詳しく正確に書いてあるかと思います。

この記事が何かの参考になれば幸いです。



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