受験参考書の買い方
受験生向けの記事です。主に大学受験についてですが、他のタイミングの受験にも共通する話ですので、気になる方はぜひご一読を。
今回のテーマは、夏休み明け、不安になりやすい時期ですが、新しい参考書を買う必要はあるのか?
というものです。
結論から言えば、必要ありません。
勿論例外はありますが、基本的には必要ないでしょう。
順を追って説明していきます。
新しい参考書が必要な理由
あなたはなぜ新しい参考書が欲しいのでしょう。
・今まで使っていたものより分かりやすいものがあるはず
・ひとつの参考書をずっと使っていたけど成績が伸びない
・先輩から勧められた参考書がわかりやすそう
・これまで使っていた参考書では足りない部分があると言われた
・新しい問題を解く必要があると思う
などなど、様々な理由があると思います。
ですが、新しい参考書を買う必要があるのは、今まで使っていた参考書を完璧にやりこみすぎてさすがにすることが無くなった場合のみです。
これが先程記した例外です。
この完璧の状態って、どのレベルかというと
単語帳だろうと問題集だろうと、そのページを見た瞬間に単語の意味がふっと浮かんできたり、問題の解法が頭に浮かぶくらいの状態です。
そして実際にこのレベルまで刷り込んでる人が存在します。同時に、このレベルまですり込めれば、どんな参考書を用いていても、その科目は安泰です。
ここまでできている人がもしこの記事を読んでいるなら、もう大丈夫です。自分が良いと思う新しい参考書を探して、また徹底的にやりこんでください。僕から言うことは何もありません。
といきたいところですが、ここまでできている人はそうそういません。かくいう僕もここまでやり込めたことはないです。
まず、自分の持っている参考書の内容を本当に正しく理解できているのか、を確認することから始めましょう。
新しく買う前になにができるか
そう、今ある参考書を完璧にやりこんでください。隅から隅まで、あますことなく。
解説の文章を写経するなんてことは時間の無駄なのでしなくて良いです。口頭で繰り返し繰り返し確認し、見なくても内容がわかるか、何も知らない人が聞いても理解できるように説明できるか、ということを基準に確認してみてください。
それでも参考書によって良し悪しがあるのではと思うのは当然です。自分が時間をかけて勉強したものが全く受験で役に立たなかったらと思うと不安になります。しかし、
結局受験ってパターンなんです。そのパターンを会社ごとに解釈、網羅して生み出されているのが参考書です。
当然書き方やわかりやすさに違いは出ますが、見てる先は同じという意味では大差ありません。
わかりやすさの差って致命的では、と思うかもしれませんが、別のちょっとだけわかりやすい参考書の、自分が慣れていないやりかたに今から合わせて修正するよりはずっと楽です。
予備校などに通って勉強をすると先生たちはあの会社の参考書は良くない、とかこの参考書がオススメ、といった話をしばしばしますが、あれは本質的な理解をしている先生から見た話です。
受験において、本質的な理解をした上で受験に臨めている学生は一割未満です。
これを読んでどう思いますか?ですがこれが真実です。
こういった状況の中でも一定の合格者数が出ている、ということは
必ずしも本質的な理解ができていなくても、受験で志望校に合格することは可能である、ということです。
そして、受験に出てくるほとんどの問題は過去に類題が出題されているものであり、その類題を正しく網羅できていれば、合格に必要なだけの点数を取ることは難しくないのです。
なにが言いたいのかというと、参考書によって解説が本質的に正しかったりそうでなかったりという違いがあるのは事実であるが、そこに掲載されている問題は同じようなものであり、受験において重要なのはその問題が解けることであるから、そちらに注力すべきである、ということです。
参考書のわかりやすさや使いやすさに気を取られて、自分の手で問題が解けるようにする、という作業を見落としてはいけません。
正しい答案、もしくはそれに近い答案をより多く書いた人が合格するのが受験です。数学で以前解けなかった問題の答案を今再現できるようになっているか、以前模試で意味の浮かばなかった英単語を今では覚えているか、そういったことのほうが、参考書の質よりもずっと重要であり、気にすべきことなのです。
過去問を見よう!
ここから先は特に大学受験に焦点を当てた内容になります。
「とりあえず早めに過去問見といてね」これ、よく言われませんか?志望校のレベルを知っておくことは大事だなんだと言われ、とりあえず見ておけ、といったような感じで。
僕は受験生(特に現役時)の時はこう思ってました。
まだ勉強不足だし、もっと力がついて太刀打ちできるようになってからの方が絶対効率がいい。読んでも多分わからないからまだ良いや。
と。こういう人が意外と多いんです。また、そうでなくとりあえず言われるがままに志望校の過去問(赤本、青本など)を購入して目を通したは良いが、やっぱり全然わからなかったのでとりあえず放置してある。
こういう人もかなりいるはずです。そう、わからないことがわかっても学力的にも気持ち的にも進歩がありませんよね。
僕が見て欲しいのは志望校の過去問ではありません。
なに言ってんだ、と思うかもしれませんがもう少し読んでください笑
MARCHと言われる明治、青学、立教、中央、法政の五つの大学は、多少の差があれど、ある程度の学歴の一定基準としてしばしば例にあげられる大学です。そしてそこそこ難しいという言われ方をします。
これらMARCHのどれかの過去問の、自分の使う科目全部目を通して欲しいのです。
もちろん志望校のレベルによって抱く感想は違いますが、この記事を読みにくる人は、それこそMARCHよりは上の大学に進学したいと考えている人が多いのではないでしょうか。
そういう人はMARCHを最終の滑り止めと考えている場合も多いです。そして、その滑り止めの過去問に目を通すのは年明けくらいで良いかな、と思っていたりする場合が多いです。
そんな人にはぜひ、今すぐ、目を通していただきたいです。
あることに気づくでしょう。間違いなく。
そして、MARCHの問題が解けるようになることを第一段階と捉え、そこから自分の志望校の為の勉強にシフトするのがオススメです。
今あげた過去問はわざわざ買う必要はありません。近くの比較的大きな書店や、予備校の棚などを探せばほぼ確実においてあります。年度も気にしなくて良いです。
手にとって、問題に目を通してみてください。僕と同じ感想を抱く人が多いと思います。
過去問を見て何を思うのか
ここから先はご自分で過去問を見る前にはできれば読まないで欲しいです。自分で過去問を見て、感想を持った状態で読んでいただけたらと思います。
結論から言いましょう。
え、問題めっちゃ簡単だしどれもこれも見たことあるようなのばっかじゃん
これが僕が抱いた感想です。
一応書いておきますが僕は一般入試で青学には合格しています。
そしてこの感想は僕が入試当日に抱いた感想です笑。過去問見とけよっていうね。
ある程度のレベルの環境で勉強してきた人たちにとってMARCHの問題は簡単です。学校にもよりますがなんなら定期試験レベルです。
そうでない人、自分の学校はそのレベルにはない、と思う人でも、模試などで一度は目にしたことのあるような問題のオンパレードです。
このレベルが解ければ、最低限MARCHには受かる。確実に。
そうわかったらそのレベルまでは完璧にしたくなりませんか?
志望校や、それに準じた模試ののわけわからない問題を解いて、わかってるのかわかってないのかわからないままジリジリ進んでいくことが今後多くなります。
その中で、このレベルまで大丈夫にしておけばひとまずは安心できる、親を安心させられる、そうわかっていたらどれだけ気が楽でしょうか。
年明けに過去問を初めて見て、あれ、簡単じゃん、と思うと、時間のない今これをわざわざ解くくらいなら第一志望のやつやってた方が良くないか、と思い始め、結局どっちつかずで全落ち・・・なんてのも珍しい話じゃないです。
不安要素を減らすって受験ではものすごく大事で、周りもそのことを知っているのに、どうしたら不安が減るかを知っている人はほとんどいません。なぜか。
進路が確保できる、とわかること以外には不安はなくならないからです。
だから、合格発表のその瞬間までみんな等しく不安です。
ですが、浪人したくない、これ以上浪人したくない、という気持ちがある人にとってこの方法はめちゃくちゃ効きます。自信にもつながります。
結果第一志望にも受かる場合が多いです。
僕の友人は、この方法を無意識にやっており、途中から「MARCHは勉強してりゃ誰でも受かる」などと言いだし、冬に突入してみんながピリピリする中、無理をすることは一度もなく、体調もメンタルも崩すことなく淡々と勉強を続け、東大に合格しました。
あとで話を聞いたら、当然東大に受かるかどうかに関しての不安はあったけど、今年で受験が終わらせられるって確信があったからそういう類の不安は全くなかったよね、と言っていました。
おい、先に教えとけよと。
こんな素晴らしいメリットがあります。
どうです?まだ過去問を見ていないのにここまで読み進めてしまったあなたも今からで良いので過去問を見ておきましょう。決して無駄にはなりませんから。
で、長くなりましたが、このMARCHレベルの問題を確実に解けるようにするのに、参考書の良し悪しなんてまず影響しないんです。
問題を解く為の方法はほぼ定義と定理と公式(数学では)で抑えられ、特殊な解き方を要求されることもまずありません。どの単語帳にも載っているような単語がわかれば読めるような英文です。
このレベルの問題が解けなくては第一志望どころの話じゃないんです。
今ある参考書を確実にこなし、MARCHくらいなら絶対に落ちない、という確信を携えた上で、新たな参考書なり、志望校の過去問に挑むなりするのが、最短ルートです。急がばってやつです、本当に。
まとめ
・基本的に新しい参考書はいらない場合が多い
・今ある参考書をやり込んだ方が早い
・受験で重要なのは問題が解ける、答案が書けること
・あまり高くないレベルに目を向けて自信を得よう
・自分の中の最低ラインを持ち上げた上で志望校と戦おう
こんなところです。
僕が受験生の時に知りたかったことをかなりはっきり書きました。
2000円の参考書の10倍以上の価値があると思っています。
ぜひ、友達にも教えてあげてください。
終わりに
受験は自分との戦いです。手を止めた人から脱落していきます。その手を止めるのは不安やモチベーションの低下といった内部要因が多いですが、内部は外部からの刺激によってしか変わりません。
継続的な勉強を心がけながらも、勉強以外の時間も重要であると認め、勉強していない瞬間の自分を責めないように、それでいて毎日勉強を1分でもすること、これだけを心に決め、毎日一歩ずつ、半歩ずつでも進めるよう努力してください。
あなたは頑張っています。誰がなんと言おうとこれは事実です。
昨日勉強していたあなたも、ここしばらく勉強に向かえていないあなたも、将来のことを考え、今の自分を見つめ、苦しみ戦っている点では、間違いなく頑張っているんです。
自分の頑張りを認めた上で、少しだけ肩の力を抜いて、今日からまた少しずつ進んでいきましょう。
望んだ通りの未来が手に入らなくとも、どの場所にも道はあります。受験で人生は決まりません。
今あなたが手に入れようとしているのはより整備された道を通れる切符と、それを選ぶ権利です。
それが手に入らなかったからといってすぐに死ぬわけでもありません。親の期待に答えられなかった人は幸せに生きてはいけないという決まりもありません。
ただ、少しでも良い結果が得られるように、今この瞬間だけ努力することには大いに意味があります。
来年の春を楽しみに。
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