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#9 音声メディアの未来が明るい!?

音声メディアというとどんなものを思い浮かべるでしょうか。
インターネットの普及にともないネットを介して音声コンテンツを配信するデジタルの音声メディアが普及してきている現状があります。

旧来のマスメディアではラジオが音声メディアの代表格でした。

デジタルの音声メディアの具体例では、インターネットラジオやポッドキャスト、オーディオブック、音声アプリなどと言った具合に、音声メディアと一口に言っても多くのサービスが該当します。

このインターネットを介したデジタルの音声広告市場はスマートスピーカーの台頭や音声サービスの多様化により、近年さらに盛り上がりを見せています。
「月間の利用者数は2020年の1、2月が約750万だったのに対して、3月は約900万人に増加した」
衝撃的な数字を語ったのはradikoの掛原氏。新型コロナ禍で一般消費者やビジネスマンの生活が変わり、求められるものも大きく変わっています。

新型コロナ禍を境に需要が大きく変化

コロナ禍にあって大きく需要を伸ばしたのは、Zoomなどのコミュニケーションツール。直近4か月で、1日あたりのユーザー数が約1000万から3億超へと増えて巨大なプラットフォームに成長しました。同様に、在宅勤務によって急激に増えると予想されているのが、音声メディアです。多くのユーザーが作業をしながらBGMとしての”ながら聴き”を求めるようになるという予想に基づくもの。

ポッドキャストが注目集める

音声メディアは世界的には成長基調にあり、オーディオブック市場は25%成長、ポッドキャスティング市場は30%増加、ポッドキャストの広告市場は引き続き拡大すると言われています。
ポッドキャストは米国を中心に人気が急拡大しているが、Spotifyがポッドキャスティング関連の企業を買収したり、ポッドキャスト・プレイリストを拡充している背景からポッドキャスト市場に本気を入れていることが分かります。

ながら聴きができる音声メディアの動向は面白い。リモートワークでビジネスチャンスが広がる予感!

radikoが新しいラジオ市場を開拓

音声メディアとして昔から存在してきたのはラジオだ。ラジオをデジタル業界に取り込んだのが「radiko」(ラジコ)です。radikoはパソコンやスマートフォンなど、デジタル機器でラジオ放送を聴くことができるサービス。今や民放連加盟ラジオ局101局のうち、100局が参加している(放送大学、NHKラジオ、NHK-FM含む)。

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自粛の3月にユーザー数が激増

radikoも在宅ワークの影響で、ユーザー数が劇的に増えている。月間の利用者数(MAU:Monthly Active Users)は2020年の1、2月が約750万だったのに対して、3月は約900万に増加した。
radikoの掛原氏はラジオ機器の聴取者と比べて、ラジコの聴取者の割合は若年層が多いことを特徴にあげています。聴取者がradikoを利用しているデバイスはスマホ、またきスマホとPCを併用を合わせると90%に達し、PCのみは10%という。

ラジオは古くから親しまれてきたメディアであるものの、テレビやインターネットなどの新しいメディアに押され、限られたコアなファン層で構成される聴取者に支えられてきたと言えます。そのようなメディアの場合、時代とともに忘れ去られる可能性がある一方で、若者に利用者が増えているのは今後も引き続き、新しい支持層の増加が期待できると言えるのではないでしょうか。radikoはその市場を切り開く急先鋒となっています。

利用者の多くは「朝夕の通勤通学中」「クルマを運転しながら」「家でまったりしているとき」「夜ベッドの中」などに利用するケースだとさらています。

「枠」から「人」へ(音声広告の変化)

広告については直近10年程度で大きな変化があるという。ラジオはテレビと同様、マスメディアとして広告枠をクライアントに販売してきました。これは、聴取者に同一の広告内容を届けることになる(地域的な違いはできるものの)。しかし、radikoはそこにターゲティング広告を持ち込みました。

個人ごとにパーソナライズした広告を届ける手法でこれは大きな変化と考える。例えば、同じ番組内の広告でも、東京に住む中年の男性と、九州に住む若い男性では趣味や興味のあるものは異なる可能性は大きい。性別、年齢、職業等に合わせ、クライアントが届けたい人に届けたい広告を配信することができます。もちろんターゲティング広告はウェブ広告では以前から行われている手法だが、ラジオの音声コンテンツであってもradikoとして配信することによって、そのようなしくみを取り入れることができるようになりました。

最後に

新型コロナウイルスで様々な市場で需要やニーズの変化が起こっています。今まで使ってことがなかったサービスやツールをはじめて使ったという声も多い。そんな中、radikoのようにユーザー数が急増し、音声メディアが見直される機会になったことも変化のひとつです。
音声メディアの普及には魅力的なコンテンツとデバイスが重要です。日本ではスマートスピーカーの普及は今ひとつといったところだが、イヤホンやヒアラブル機器のユーザーは大きく拡大しています。
日本でもSpotifyやApple Music、Amazon Musicなどの需要が伸びているし、米国の状況を見れば、今後ポッドキャストが急速に注目される可能性は高いと想定できる。YouTube動画よりも簡単に、音声メディアを個人でも配信できる「Radiotalk」(ラジオトーク)などのサービスも登場しました。今後の市場動向が楽しみです。

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