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【全文無料】第二回 転職は恋愛のマッチングと一緒。求人の「ストライクゾーン」を考えよ!

こんにちは。非エリートのための転職支援オンライン講座、2日目を始めます。今日は転職市場におけるスタンスを語っていきましょう。

このオンライン講座のマガジンは1,500円の価格設定をしています。いわば転職支援の受講料です。
ですが、メインコンテンツはすべて無料エリアでバラ撒きます。職務経歴書(サンプル)とか面接トークスクリプト(俺のケース)についてはプライバシーが絡むため有料エリア指定にしますが、攻略ノウハウについてはフリーです。タイムフリー、マネーフリーでございます。
あとはお布施として、タメになったと感じた人、面白いと思ってくれた人、この活動を応援してくれる人だけが払ってくれればOKです。

転職をはじめようとする俺に、とある人がこう言いました。

「転職はストライクゾーンだから。君がどんなに優秀な人材でも、企業がほしい人材にマッチしていなかったら落ちる。速い球を投げる必要はない、ストライクゾーンに投げることが大事だから

おそらく彼は肩の力を抜こうとしてくれたのでしょう。そもそもストライクゾーンにマッチしない企業は能力と関係なく縁がないよ、リラックスしていろんな企業に自分をアピールすれば良いだけだよ、と。

天邪鬼な俺は思うわけです。ありがたいお言葉であることは受け止めつつ、「いやいや、ふたりが同時にストライクゾーンに投げ込んだら、採用するのは球が速い方でしょ」と。やはり人は松坂大輔に、大谷翔平の豪速球に憧れるのです。速いことは正義です。ボルトは100メートルが速いだけであれだけ人を興奮させます。速いとは快感なのです。

恋愛でも「刺さる」という表現を一部の人たちはよくします。相手からのリアクションが良いことの隠語ですが、「刺さってない」状態でいくら押しても、良い結果は返ってこないのです。最初から刺さっていることが理想ですし、刺さるまでは相手に合わせながら好感度を上げていく必要があります。人それぞれの心のツボがあるってわけです。

さて、転職を決意すると同時に、俺は「職務経歴書」と「面接で語るエピソード」を"作り込む"ことを決意しました。ひょろひょろのハエが止まるような球を投げちゃいけない、ストライクゾーンに豪速球を投げ込むべきだからです。

そして、企業のストライクゾーンが何処にあるか、「求人概要」から探ることを始めました。当たり前のようで、振り返るとこれは非常に大事なことでした。もっと直接的に言うと、「どんな背景でそのポジションを募集しているか?」についてエージェントにしつこく確認し、ホームページで中途採用のページをざっと眺め、その企業と特定キーワードでGoogleニュースを検索して直近1年分くらいの情報を集めるようになりました。

転職活動はフワッとしてはいけません。なんとなく今よりも良い環境を、もっとやりたいことが出来そうな環境を。きっかけはそれでOKだと思います。ですが、求人の背景を探ることで本当に自分にとってよき環境を得られそうか積極的に知っていく必要があります。自分にとって納得のいくストライクゾーンに球を投げ込むことが必要なのです。あとからお互い不幸になっちゃいます。

そしてそれは志望理由に強度を与えます。よく面接で聞かれるじゃないですか。

「志望の動機は?」「なぜ他社ではなく当社か?」

だいたいは人事系の人に聞かれる質問ですが、バカ正直に「年収が上がるから」「家に近いから」とか答えちゃダメです。俺は毎回、喉まで出かけてました。本音を言うと「そんなこと言うほど、他社と差別化できている企業ですか、オタクは?」と感じることもあるわけですが、そんな野暮は言っちゃいけません。

カイジで利根川大先生が言っていました。確約されるまでは調子に乗ってはいけません。反故にされない状況まで持って行ってから対等な交渉の余地が与えられます。他社ではなく御社がやっていること・やろうとしていることへの共感を打ち出す必要があります。「コイツが欲しい」と思わせるまでは、頭を垂れなくてはいけない。企業の股を開かせるまでは優等生であるべきです。

コツとしては志望した企業、特定のポジションが、現職では達成できないことの裏返しになっていれば説得力がより増します。こういうことが俺はやりたいし、やれる。しかしながら、いまの業界ではそれが出来ない構造になっている。あるいは社内にそういうポジションがない。そんな風にトークスクリプトを作ってください。サンプルは別の講義で配ります。

次に具体的な情報収集についてです。

まずはエージェントに募集の背景を聞く。企業が募集をかけるときは「足りない何か」があるわけです。人材をかき集めないと達成できないミッションがある。だからお金を出すわけです。そこで、なぜこのポジションが必要とされているのか内部事情を聞くのです。法人サイドとコネクションがあるエージェントはそういった情報をざっくりと持っています。最低限、それは聞き出しましょう。

そして企業研究ですね。例えばIT業界ではDX(デジタル・トランスフォーメーション)が流行り言葉になっています。数年サイクルでこういうブームが起きるのですが、いまは猫も杓子もDXです。もはや拡大解釈されて電子承認とかただのデジタル化までDXに包含されちゃってます。で、IT戦略・ソリューションをサービスとして提供する企業はもれなくDXに力を入れていることをアピールしています。なんていったってDXといえば事業会社に予算を取ってもらいやすいのですから。

こういうケースでは、求人概要では「デジタル・トランスフォーメーション強化に伴う人員拡大」とか書かれるわけですね。そこでグーグル検索で「志望企業 DX」と検索して、ニュースタブをクリックします。(iPhoneの場合はSafariからではなく、Googleアプリをインストールするのがオススメ)

そうすると「この企業はDX強化のために役員を外部から招聘した」とか「専門の部隊を子会社として設立した」という業界トップ企業の流れが分かってきます。あるいは「あるコンサル企業はデジタル部門を廃止した」ということを知ります。DXが流行っているいまデジタルを解体する背景は? この企業はデジタルはもはや当たり前のこととして捉えて、次のアクションを取ろうとしている! みたいなことが分かるわけです。

大事なことは、人は「知るから知りたくなるし、知るから疑問が生まれる」ということです。リサーチ自体にたくさんの時間をかける必要はありません。行動が大事です。しかし、行動にレバレッジをかけるためには、最低限の知識、そしてそれにもとづく良質な問いを自分のなかに持つことが必要です。

企業ごとの動き方の差異を知ることで、それぞれのスタンスを知る。そこにストライクゾーンは隠されています。

ちなみにコンサル系に多くて厄介だったのは、純粋な「人員拡大」しか企業の求人動機がない場合ですね。これは労働集約型ビジネスの企業に多いのかもしれません。売り上げを増やすためには人材を獲得するしかない。しかしカス人材は欲しくない、みたいな。これはストライクゾーンもクソもなく、求めていることは「優秀な人材」と言ってるわけですから。純粋な球速勝負になります。

ただし、球速を見せることができれば年収交渉だけでなく、サイン・オン・ボーナスがもらえたりします。入社の同意書にサインしたら特別ボーナスを支払うよってヤツですね。俺も例のBIG4のオファー条件で付与されていました。初年度だけ契約金が100万ほどアップされてました。

まとめます。求人している背景をリサーチしてください。そして自分をチューニングしてください。恋愛においても一緒です。相手から見て"刺さるツボ"を抑えない自己アピールはウザいだけです。相手の心のツボを愛撫せねばなりません。何を好ましいと思い、何を遠ざけたいのか。それをまず知る必要があります。そして、なぜそういう価値観を持っているんだろう? と問いを立てることに想像力を駆使する必要があります。

そして面白いことに、恋愛ではそういう努力が見事に実る場合もあれば、関係なくあっさりと恋が成就することもよくあります。そして転職市場でも然りです。決まるときはあっけないほどサクッと決まる。努力の賜物としてブレイクスルーした内定も、ご縁のようにいただく内定も、等しく価値があるものなんです。

ただし野村克也は言いました。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

これには本当に名言です。よくわからないまま勝つことはあれど、敗戦にはそれ相応の理由があるものなんです。なんか野球の喩えを出しまくりましたが、特に好きなわけでも、詳しいわけでもありません。すいません。

今日はこれで閉講です。また明日お会いしましょう!

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筆不精なので、書くモチベーションが出ます😎妻となにか美味しいワイン買わせていただきます🍷