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世界規模で有能な人材の奪い合い・・・

世界規模で有能な人材の奪い合いが激しさを増しています。ロイターによれば、今月14日、オーストラリアは、優秀な外国人材を呼び込むため新たなイノベーションビザ(査証)を導入すると発表したそうです。

翻って、現在、日本には、そうした人材を迎え入れるために「高度専門職」という在留資格があります。

この在留資格は、2012年に始まったのもので、活動内容を「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」3つに分類し、それぞれの特性に応じて学歴・職歴・年齢・年収・日本語能力などの項目ごとにポイントを設け、その合計が一定点数(70点)に達した場合に、出入国在留管理上の優遇措置を与えることによって高度外国人材の受入れ促進を図ることを目的としたものです。

優秀な人材の奪い合いが世界レベルで激しさを増している

それでは、どんな人材が「高度専門職」に該当するのでしょうか?

本国の大学を卒業して日本に留学。日本の大学院では情報工学を学び修士号を取得。その後、「技術・人文知識・国際業務」の資格で、一部上場企業に技術職として入社し6年間継続勤務。現在の年齢は30代前半で年収は600万円台。日本語能力はJLPTでN1に合格。

これは「高度専門・技術活動」という活動内容の方に付与される在留資格である「高度専門職1号ロ」ペルソナです。

具体的な職種としてはシステムエンジニアやプログラマーなどが該当しますが、いわゆる「技術・人文知識・国際業務」の資格で働く方の中でピラミッドの上位層に該当するといったイメージです。

ちなみに、この方の場合、高度人材ポイントの計算をしてみると80点を超えますので、もし前年も同様の80点以上を保有していたとしたら、現段階で在留資格を「高度専門職1号ロ」へ変更せずとも、永住許可申請をすることができます。

通常、永住許可申請をするには、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが必要であることを考えれば、外国人材には魅力的な優遇措置のようです。

近年、在留資格の更新手続きの面倒さや、住宅ローンの借り入れなどを考えて、該当するんだったら永住許可を取ってしまおうという方が増えているようで、当局は大変混み合い、現在、許可が出るまでの期間は凡そ10か月程度要しているようです。

さて、昨年、この資格に加え、高度人材獲得のための強化策として新たな制度が加わりました。

それが、特別高度人材制度(J-Skip)未来創造人材制度(J-Find)です

J-SkipとJ-Findで日本に優秀な人材に来てもらおう!

特別高度人材制度(J-Skip)とは?
「高度専門職」の3つの活動分類のうち「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」においては「修士号以上取得かつ年収2,000万円以上の方」か「従事しようとする業務等に係る実務経験10年以上かつ年収2,000万円以上の方」であるか、また、「高度経営・管理活動」においては「事業の経営又は管理に係る実務経験5年以上かつ、年収4,000万円以上の方」であれば、ポイントによらず「特別高度人材」と認定される制度。これまでの高度人材に付与されていた優遇措置に加え、就労制限の緩和などいくつかの措置が追加されている。

未来創造人材制度(J-Find)とは?
「優秀な海外大学等を卒業等した方で卒業後所定の年数以内であって、滞在当初の生計維持費(20万円)がある方」であれば、日本で「就職活動」又は「起業準備活動」を行う場合に、在留資格「特定活動」(未来創造人材)を付与され、最長2年間の在留が可能となる制度

優秀なみなさんには、手間なく在留資格を付与することで「ぜひ日本にお越しください」というわけです。

日本には、既にこうした制度があるものの、新聞報道によれば、内閣府は、先月10日、今後、東南アジアやインドのIT(情報技術)人材が日本で就職し易くするための在留資格制度の見直しを検討すると発表したようです。

日本の魅力が以前ほどなくなってきている今、高度外国人材を引き寄せるには、さらなる魅力的な施策の投入が必要だということなのでしょうか。

多様な人々が集い、語り合い、切磋琢磨するような「場」

どのような制度となるのか興味深いところではありますが、いずれにせよ、日本が選ばれる国となり、そうあり続けるためには、観光産業にばかり寄りかかり昔の遺産で食い繋いでいるだけではだめで、新たなイノベーションを起こして世界に発信するような国でなければならないということでしょう。

在留資格のことはさておき、日本発の何かを生み出すためには、日本を、多様な人々が集い、語り合い、切磋琢磨するような「場」とする必要がありそうです。

以上

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