J2 第40節 金沢VS岡山
1.スタメン
・基本フォーメーションは4-4-2
・前節からCBに廣井に代わって石尾、FWに松浦に代わって山根が入った
・こちらもいつも通り4-4-2
・CBには442日ぶりの出場となった後藤
・CHには喜山に代わって武田、左SHには仲間に代わって三村が入った
2.試合詳細
ツエーゲン金沢 1-1ファジアーノ岡山
得点
金沢 前半10分 垣田(アシスト:金子)
岡山 後半36分 赤嶺(アシスト:山本)
選手交代
金沢 後半24分 山根→杉浦
後半32分 金子→大石
後半40分 垣田→クルーニー
岡山 後半16分 三村→山本
後半23分 後藤→椋原
後半39分 関戸→喜山
3.前半
序盤イがサイドに流れて裏に走ったり、三村の裏を狙ったりとシンプルに攻撃する岡山。
それに対し金沢はしっかりと4-4-2のブロックを敷いて奪ったらカウンター、それができなければ後ろから繋いで誰かが裏に飛び出したりなど
試合を優位に運べていた岡山だったが前半10分という早い段階で失点してしまう。
CBとCHの間の広く空いたスペースに位置とりをしていた山根が運び右サイドの金子にパス、受けた金子がクロスをあげると廣木にあたってコースが変わり最終的には垣田がニアで合わせた。
垣田についていたCB後藤にしてみると少し難しい対応だったが、あまりそこは失点の原因ではなかった(後述)
得点後は奪ってもすぐにカウンターはせず、後ろで回すことが多くなっていく。一方、攻めるしかなくなった岡山だが、サイドから攻めてもクロスの質が悪く、仲間という流れを1人で変えられる選手がいないためチャンスらしいチャンスをあまり作れず逆にカウンターをくらうシーンが目立った。
4.後半
岡山は前半の課題となったCBとCHの間延びがあまり改善されておらずなかなか攻めに転じることができない。金沢も多くチャンスをつくるものの決めきれない展開が続く。
61分に岡山は三村に代えて山本を投入。
この交代で攻撃時は4-3-3になる攻撃的な陣形になり勝負に出る。相手の疲労もあり徐々に攻勢を強める。
すると80分ようやく同点ゴールが決まる。
チェからの山本の裏を狙うボールを金沢の選手が後ろに逸らすと山本が素晴らしいファーストタッチでサイドをえぐり中に折り返すと合わせたのは赤嶺。
山本のうまさと赤嶺の相手DFの視界から消えてからニアに飛び込むストライカーらしい動きで奪った同点ゴール。
その後もお互いにチャンスはつくるものの今1つ精度を欠き結局1-1のドローとなった。
5.際立つ喜山の必要性
今節、いつもと違った点がいくつかあったが最もダメージが大きかったのが喜山の不在であった。
いつもの喜山のポジションには武田が入った。
武田は司令塔タイプの選手であり喜山の特徴である守備能力は大きく欠けている。
この試合のCBとCHの間延びはDFラインが下がっていたのも原因だが武田がもう少し下がり気味の位置をとれていたらというのも事実である
前半10分の金沢の得点シーンをみてみる。
一森のゴールキックを金沢の選手が頭でクリア武田はここでボールを取りに行ってしまった。そのためCBとCHの間に広大なスペースが生まれ、そこにいた金沢の山根にドリブルで運ばれてしまった。(下図)
またいつもなら喜山がいるためそこまで上田は守備負担がないがこの日は守備に追われることも多かった。例えば前半35分の山根との1対1の場面などがあり、このシーンではかわされて危ないシーンとなってしまった。
後半も上田と武田の関係性はあまり良くなく、両選手が片方のサイドに寄ってしまったり、高い位置を取りすぎて間延びしたりと悪いシーンが多かった。ただ三村→山本の交代後は真ん中が3枚になり関係性が良くなったような気がする。
後半39分に喜山が入ると早速カバーリングやカウンター阻止など短い時間ながらしっかりと役目を果たした。
また喜山が入ったことで上田が高い位置でボールを触ることができるようになった。
この試合、前後半を通して喜山の存在が目立つことになってしまった。
6.仲間不在の影響
今節もう1つの大きな違いは仲間の不在である。
この試合仲間に代わって三村がLSHに入った。仲間は狭いスペースで、三村は広いスペースで生きる選手であり、また仲間は中に切り込んで、三村は縦に切り裂くという違いがある。
おそらく廣木は三村と実戦で組むのはほぼ初めてであったため被ってしまったりなどがあった。
またデータでも示されている。
この試合、前半のプレー位置をみると廣木よりも増谷が高い位置であった。
また攻撃エリアでは右サイドが65%だったのに対し左サイドは20%といつもとは真逆のデータとなっていた。
たらればにはなってしまうが苦しい時間帯に
仲間がいればボールを収めたり、ファールを貰ってくれたりがあったかもしれない。
7.新しい試み
1つ目は後半16分に三村に代わって山本が入って山本-イ-赤嶺という3トップの4-3-3になったこと。
今シーズン勝っている試合では4-5-1となる試合はあったが4-3-3になるのはおそらく初めてであった。4-3-3になったことで中盤は数的優位になりセカンドボールを拾やすくなり得点も生まれた。
2つ目は椋原のCB
練習ではしていたと聞いていたがまさか実戦でやってくるとは思っておらず驚いた人も多いだろう。おそらく試合前から後藤の交代は決めていたような気がした。
椋原は垣田や交代で入ったクルーニーと競り合う事になったが意外にも勝つことができていた。危ないバックパスをすることもあったが。
そこまで大崩れすることもなく守れていた。
8.まとめ
1桁順位でのフィニッシュを目指す金沢とプレーオフ進出を目指す岡山の試合だったが両チームにとって痛み分けとなった。
金沢としては決定機を多く作っていただけに決定力に課題が残る試合となってしまった。(一森が凄すぎるのもある)
岡山としては多くの主力の欠場が響き、今までほぼメンバーを固定してきたのが裏目に出てしまい、メンバーを変えると同じような試合ができないことが露呈してしまった。
しかし勝ち点0を1にできたのは評価できるし、3トップ化や椋原のCBなど残り2試合に生きそうなことも生まれた。
また田中、濱田、仲間が復帰しているということなので次節、出場があるかもしれない。
今年も横浜、水戸を残すのみ。奇跡的に上位チームとは勝ち点2しか離れておらず、上位2チームとの試合が残っているため諦めるにはまだ早い。
有馬ファジ1年目でここまできているのだから呆気なく終わって欲しくはない。サポーターは残り2試合全力で応援して後押しするだけである
今回も読んで頂きありがとうございます
今シーズンも残り2試合、最後まで全力で応援しましょう!
感想などよろしくお願いします🙏
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