2024前半|最強のフィジカルでJ2に挑む福島のリュウ|いわきFCの解説

あしたのファジアーの岡山の試合を「もっと楽しむ」ために、対戦相手についても知っておこう、という思いで開設したnoteです。

対戦相手の押さえておきたいポイントについて、サッカー素人がふんわりとした内容で解説いたします。有料設定ですが、最後まで無料でごらんいただけるので、いわきFCについてなんとなく知った気になってみましょう。

第一節 水戸 vs いわき の試合からいわきFCの特徴を今回まとめました。

いわきFCの歴史と現状

2012年にできたクラブチームは、2015年にスポーツブランド「アンダーアーマー」の日本支社「ドーム」が親会社になってから力をつけはじめ、一気に地域リーグからJ2リーグまで駆け上がってきた。

2015年から2019年の間、地域リーグで一度も負けることなく優勝。2021年にはJFLで優勝、そして2022年にはJ3優勝を果たした。2023年からファジアーノ岡山とおなじJ2のカテゴリで戦っている。

チームのマスコットは、古代の恐竜「フタバスズキリュウ」をモチーフとした「ハーマー(頭)」と「ドリー(本体)」のコンビだ。

J2初年度の2023年は、12勝19敗11分で18位と苦労している印象だ。昨年6月に村主博正監督(現 岡山コーチ)を解任し、新任の田村雄三監督が2024年も指揮をとっている。

冬の移籍期間には、宮本、高木和、家泉、岩渕、有田、永井、河村などの主要メンバーが退団し、メンバーは2023年のチームからほとんど入れ替わっていると言ってもいいだろう。

主な退団選手(同カテゴリ以上)

GK 高木和 徹|J2  ジェフユナイテッド市原・千葉)
DF 家泉怜依 |J1 北海道コンサドーレ札幌)
DF 河村匠 |J1 東京ヴェルディ0
MF 宮本 英治|J1 アルビレックス新潟
MF 岩渕 弘人|J2 ファジアーノ岡山
MF 永井颯太|J1 東京ヴェルディ
FW 有田 稜|J2 モンテディオ山形

主な入団選手(ベンチ入りメンバーのみ)

DF 大西 悠介|国士舘大.
DF 照山 颯人|J3 FC今治
DF 生駒 仁|J2 レノファ山口
MF 坂岸 寛大|新潟医療福祉大学|U-22日本代表(候補)
MF 西川 潤|J1 セレッソ大阪(レンタル)|U-22日本代表
FW ブワニカ 啓太|J2 ジェフユナイテッド市原・千葉
FW 白輪地 敬大|桐蔭横浜大学

いわきFCの特徴

1対1に負けないフィジカルスタンダード

日本の「フィジカルスタンダードを変える」を目標に打ち出しているいわきFCの特徴は、食事やスプリント走法にいたるまで徹底した体づくりにある。ただし、2024年に入団した選手も多く、フィジカル面ではこれから伸びていくようにも現状では映っている。

90分間走り続ける圧倒的なスタミナ

いわきFCの選手は立ち止まることなく、攻守において常に走り続けている。ハイプレスが得意なチームではあるものの、シーズン開始直後の水戸戦ではあまり効果的なプレスがかけられた印象はなかった。また、判断に迷うシーンでは全選手の足がビタっと止まることが多く、相手に裏の抜け出しを許す場面も見られた。

サイド圧縮から逆サイドへの解放

中央からビルドアップを試みるシーンもあったが、基本的にはサイドからの突破が印象的だった。サイドにコンパクトに人を密集させ、相手守備をサイドに誘い込み、一気にゴール前の逆サイドへとクロスを蹴り込むシーンを何度か見かけた。また、右サイド15加瀬のドリブル突破も効果的な武器だ。

ロングボールで一気に前線勝負

水戸戦ではCFまでロングボールを蹴り込む戦術が主体だった。CFの10有馬、途中出場の11ブワニカのどちらも、高さがありながら足の速いタイプのFWだ。岡山の守備陣なら1対1でも負けないと思うが、ひとりでCBを出し抜ける武器を持ったFWには注意したい。

ファジアーノ岡山戦での注目ポイント

岡山17末吉といわき15加瀬のスピード対決

いわき右サイドの15加瀬はスピードのあるドリブラーだ。水戸戦でも相手守備を出し抜くスピードを披露していた。対する岡山の選手は、快速ドリブラーの17末吉だ。スピードに強みを持つ両選手の対決に期待したい。

岡山18田上といわき10有馬の3D対決

いわき10有馬は、空中戦も脚の速さも兼ねそなえた選手だ。対する岡山18田上(5柳ヤス)は空中戦に強いが、脚の速さはそこまででもない。

ただし、CBとCFのスピード対決は脚の速さだけで勝負が決まるわけではない。身体のぶつけ方や相手の動きを察する判断力でカバーできることもある。歴戦の経験値で10有馬の速さをCB陣がどう守り切るか注目したい。

3-4-3のミラーゲームによる局地戦

岡山もいわきも3-4-3(3-4-2-1)を主体とする同じフォーメーションで戦うミラーゲーム。つまり、DF3人、MF4人、FW3人がまったく同じ人数で戦うことになる(そんな単純じゃないけど、あえて単純化させるのがこのnoteなのです)。
同じ人数で戦う局地戦になると、シンプルに選手一人ひとりのスキルが高いチームの方が有利になる。それぞれのポジションの選手の勝敗に注目だ。

ファジアーノ岡山の注目選手

17 末吉 塁

おそらくいわき15加瀬との対決になるはず。攻守においてどちらの選手に軍配が上がるのか注目だ。

19 岩渕 弘人

前回のnoteではいわきの注目選手にあげた19岩渕。今季は岡山のユニフォームを着て戦うことになる。ハワイアンスタジアムで恩返し弾なるか?注目したい。

いわきFCの注目選手

15 加瀬 直輝 MF / FW

ドリブル突破、チャンスシーンを演出するクロス、ゴール前に顔を出す嗅覚、水戸戦でも輝いていた右サイドの要注意選手。

24 山下 優人 MF

チームの中央に布陣する、いわきの心臓的な選手。対する岡山24藤田の攻守における対決も注目ポイントだ。

22 生駒 仁 DF

正直にいうと水戸戦ではそこまで目立った活躍はしていない。しかし、いわきが攻勢を強めた際に、最終ラインからゴール前にオーバーラップした22生駒のプレーは輝いていた。岡山の懐をえぐる攻撃参加に要注意だ。

岡山の選手には全員注目したい

岡山の選手についてはあまり多く語っていないけれども、前節の栃木戦は出場した16人全員がスペシャル選手だった。堅守栃木相手に3得点した攻撃スタイルは言うまでもなく注目ポイントだ。

2023年後半のいわきFCの考察はこちら。

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