最強のフィジカルでJ2に挑む福島のリュウ|いわきFCの解説

「あしたのファジアーノ岡山の試合をもっと楽しむために、対戦相手チームについて知ろう!」という思いで開設したnoteです。次の岡山の対戦相手についてサッカー素人が1試合だけ分析したチーム情報を公開します。今回の分析では第32節のロアッソ熊本戦を参考にしました。あくまでサッカー未経験者の観察に基づく内容なので、プロの解説者クラスの分析ではありません。有料設定にしていますが、無料で最後まで読むことができるので、岡山の対戦相手についてかんたんにおさえておきましょう。

いわきFCの歴史と現状

2012年にできたクラブチームは、2015年にスポーツブランド「アンダーアーマー」の日本支社「ドーム」が親会社になってから力をつけて、J2リーグまで一気に駆け上がってきた。

2015年から2019年の間、地域リーグで一度も負けることなく優勝。2021年にはJFLで優勝、そして2022年にはJ3優勝を果たした。2023年からファジアーノと同じJ2のカテゴリで戦っている。

チームのマスコットは、古代の恐竜「フタバスズキリュウ」をモチーフとした「ハーマー(頭)」と「ドリー(本体)」のコンビだ。

J2に入った2023年は、9勝13敗10分で11位とJ2での戦いには苦労している。夏の移籍期間は、新加入選手はポルトガルリーグより移籍したネルソン・エンリケだけだが、ほかのクラブチームに移籍することもなく、戦力差はほとんど変わりがない。

ただし、6月にはJ3優勝に貢献した村主博正監督を解任して、田村雄三GMが新監督に就いた。田村監督に交代したあとは5勝1敗5分と負けの少ない好成績を残している。岡山が前回対戦した時は4バックだったフォーメーションも3バックへと変化をみせた。

いわきFCの特徴

1対1に負けないフィジカルスタンダード

いわきのもっとも特徴的な戦略は、計算し尽くされたフィジカルづくりにある。「日本のフィジカルスタンダード」を変えるを合言葉に、食事やスプリント走法にいたるまで体作りを徹底している。通常では当たり負けの多いサイドのポジションであっても個の力で突破するのはかなり難しいだろう。

90分間走り続ける圧倒的なスタミナ

いわきFCの選手は立ち止まることなく、攻守において走り続けることを信条としている。そのため、CBの選手がハーフウェイラインを超えてプレスをかけるシーンも数多く見せており、飛び出したCBのリカバリーのために両サイドの選手が最終ラインまで降りる動作を繰り返すこともできるほどの走力を全員が持っている。

コンパクトな陣形で縦に早いカウンター

守備陣形はコンパクトにまとめられており、相手のビルドアップを狙って積極的にプレスをかけてくる。逆サイドの選手が中央より内側に入るほどにコンパクトな陣形で複数人がプレスをかけてくる。一方で、サイドからの侵入を許しやすい傾向にあり、個人技でサイドを突破されてピンチを迎えるシーンも何度か見かけた。

相手のスペースを狙ったセットプレー

セットプレーでの得点力は高かった。熊本がセットプレーに強いチームでないこともあるが、フリーでシュートを放つシーンが多く、セットプレーからの失点が多い岡山にとっても怖いプレーだ。

前回対戦時からの変更点

いわきFCは23/4/2に対戦しているが、夏の移籍は少なかったこともあり、戦力的な違いについてはほとんど確認できなかった。ただし、ボランチに19歳の33下田栄祐が台頭してきており、中央の守備強度は高まっているようにも感じる。

また、6月に監督交代があり、前節の4-4-2から3-1-4-2のフォーメーションに変更している。プレス強度は4バックの頃より高まったように感じた。

一方で、岡山は17末吉の加入や99ルカオがチームにフィット、7チアゴの復帰など、22佐野の移籍や怪我で離脱する選手もいるが、前回対戦からは戦力アップしていると言える。

いわきFCの戦術

両サイドから縦にはやいサッカー

サイドチェンジを用いることは少なく、あまり複雑な戦術を用いるようには見えなかった。右サイドと左サイドに三角形を作り上げ、中央は経由せずにサイドから縦にはやいサッカーを仕掛ける印象。オフェンス時は両サイドのCBも攻撃に参加することで、攻撃に厚みを持たせていた。コーナーキックまで繋げるシーンが多くあった。

3-3-3-1でのハイプレス

守備時はハイプレスで相手のビルドアップのボールを奪おうとしてくる。CBまでハイプレスに加わるほど力をかけていた。ただし、ハイプレスをくぐった後のスペースは空いており、強気なプレスの裏をかけることができれば岡山のチャンスも増えるはずだ。

いわきFCのフォーメーション

オフェンス:3-1-4-2

オフェンス時は岡山とおなじ3-1-4-2で攻めこむ。両サイドにできる三角形を活かして33下田と両サイドのCBがフォローすることで、相手を崩そうとする。熊本戦ではサイドチェンジが少なかった。

ディフェンス:3-1-4-2

守備時は11有田をワントップになり、3-3-3-1の陣形をとる点は岡山の5-4-1との違いがある。相手のビルドアップを封じるハイプレスは、CBまでハーフウェイラインを超えて圧力をかけてくる。

ファジアーノ岡山といわきFCの相性

どちらもセットプレーに強さを持っているチームだ。セットプレーの強さで比較すると得点数はいわきが多く、失点数では岡山が少ないため、攻めのいわきと守りの岡山の違いがありそうだ。

いわきの得意なセットプレーから失点しないように、岡山はマークの見落としがないように気をつけなければならない。

また、縦に早いサッカーを岡山は苦手としている印象があるが、CBに俊足の本山が入りサイドの末吉も守備での貢献が高くなっている。いわきの早い攻撃にも堅い守備を見せてくれるだろう。

岡山のビルドアップについては、いわきのハイプレスさえもはがしてくれる期待を抱いている。相手守備の裏のスペースを狙ったパスはいわきにも脅威を与えるはずだ。

いわきのセットプレーと岡山のビルドアップに注目したいと思う。

ファジアーノ岡山の注目選手

17 末吉 塁

いわきの屈強なフィジカルさえも突破してくれそうなサイドのドリブルに注目したい。

5柳 育崇

岡山の連勝の影の立役者は5柳だと思っている。いわきのフィジカルさえも5柳ならなんとかしてくれると期待してしまう。

いわきFCの注目選手

19 岩渕 弘人

11試合で5ゴールのストライカーには注意したい。

20 永井 颯太

いわきの左サイドを攻めるドリブラー。しかし、対人する17末吉もかんたんには突破させないだろう。

4 家泉 怜依

熊本戦で2得点のディフェンダー。今勢いにのっている選手はセットプレーで危険な存在となる。

21 高木和 徹

瞬発力の高いGK。ミドルからの難しいシュートも弾き出してしまう。

28 宮崎幾笑

ファジアーノ岡山所属の選手。契約により岡山戦は出場できない。現在は怪我で離脱しているが、練習には合流したらしい。

前回のいわきFCの分析記事はこちら


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