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J2第2節 ファジアーノ岡山vs徳島ヴォルティス 試合レビュー

こんにちは、ファジ・リオです。
今回はJ2第2節 ファジアーノ岡山vs徳島ヴォルティスの試合のレビューを書いたのでぜひ最後まで読んでみてください!

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【写真提供】
岡山キジ太郎(@kijitaro2004)

フォーメーション/スタメン

   ホームのファジアーノは今シーズンから採用している[4-3-3]、前節スタメン起用されたFW川本に代わって豪代表のミッチェル デュークが先発に起用した。注目が集まるのは、開幕戦で2ゴール1アシストの大車輪の活躍を見せたチアゴ アウベス、今岡山で熱い期待のブラジル人FWがどのような活躍をするのか、スタジアム中が彼に注目した。

   一方の徳島もファジアーノと同じく[4-3-3]のシステム。注目選手はなんと言っても昨シーズンまでファジアーノに在籍した7番白井永地だ。「ピッチに白井が何人もいる」と言わしめるほどの運動量を持ち、ファジアーノでも活躍してくれた選手だ。しかし、その白井よりも注目、というより危険な選手がいる。24番WGの西谷和希だ。第1節の金沢戦では、開始早々鋭いドリブルを見せFKを獲得するなど、彼のキレのあるドリブルには要注意である。

試合評

   前節、ホームで甲府相手に 4-1で快勝したファジアーノは2戦連続のホームゲーム。前節からの勢いをそのままに連勝をしたい。
   前節、金沢相手に決定機を逃し、スコアレスドローに終わった徳島は何としても初勝利を飾りたい。Jリーグ杯でも広島に 0-3の無得点での負け、サポーターもゴールを待ち望んでいた。

   開始早々の3分、相手のミスを誘発したファジアーノが先制点を奪う。左に開いた西谷にボールが渡ると、河野諒祐が猛プレス。堪らず最終ラインに下げたところに、ミッチェル デュークがさらにプレス。慌てた徳島のDFのパスミスを見事にさらったチアゴ アウベスがそのままドリブルで持ち込み、冷静にゴール右隅に突き刺した。

   2戦連発、波に乗っているチアゴ アウベスがまたもやゴールを奪った。

   直後の5分、先制点を奪ったチアゴ アウベスのスルーパスに絶妙なタイミングで抜け出したミッチェル デュークがGKと1対1の場面を作るも、相手GK長谷川の好セーブに阻まれた。

   徳島は左WGの西谷が得意のドリブルでチャンスを演出しかけるも、最後のクロスの精度を欠き、決定機を作り出せない。

   すると24分、FKから裏に抜け出したデュークがクロスを上げ、それに合わせたチアゴ アウベスがシュートを打つと、ボールが相手DFの手に当たりファジアーノがPKを獲得する。
   キッカーは今シーズン初ゴールが欲しいミッチェル デューク。GKか動くと予測して真ん中に優しく蹴ったボールは何とGK長谷川の正面、長谷川の好セーブにより追加点を奪うことが出来なかった。

PKストップの大仕事をやってのけた
GK長谷川

   互いに良いところまで行くもなかなか攻めきれない時間が続いた。
   しかし41分、前線からプレスをかけたファジアーノの隙をついた徳島が、上手く右サイドに展開。浜下がクロスを上げると中で待っていたのは15番 藤尾翔太だった。ボールに上手くミートさせ、体感で「これは入るな」と思わせる見事なヘディングシュートを決めて見せた。

同点ゴールを決めた藤尾翔太

   試合はこのまま 1-1で折り返す。

   後半、主導権を握ったのは徳島だった。ボールを回し、焦れてプレスに来るファジアーノの選手をいなすことでスペースを突くという攻撃を展開していった。
   が、ファジアーノは柳を中心にボールを確実に跳ね返し、ブロックを敷いて出来るだけ隙を作らないサッカーをした。時に田中雄大が相手の最終ラインまで追いかけ回す動きを見せるなど、単調にならないようにという姿勢は感じられた。

   両チームともやはり決定力で弱さを見せる展開が続いた。ファジアーノは川本、木村、佐野を投入し、流れを変えようとするも攻め手を欠いた。木村がドリブルで強さを見せる場面もあったが、決定機は作れなかった。

   試合終了

   1-1のドロー、互いにやりたいサッカーが出来た部分が出せた試合展開だった。

2月27日(日)   14:03 KO
atシティライトスタジアム

ファジアーノ岡山 1-1 徳島ヴォルティス
【得点者】
3' チアゴ アウベス
41' 藤尾 翔太

得点シーン

   チアゴ アウベスの先制のシーンを見ていきます。
   試合評は常体で書いてましたが、ここからは敬体も混ぜながらで行こうかなと思います、ご勘弁。

   ではまず上の画像を見てもらいましょう。上記でファジアーノが徳島のパスミスを誘発したという風に書いたんですが、この画像はその第1段階になる場面です。

   安部が左の西谷にパスを出す、すると宮崎幾笑と河野がすぐにプレスをかけます。西谷は要注意人物ですからかなり素早いプレスで対応していました。
   西谷はボールを奪われまいと1度新井に下げます。そして次の場面です。

   新井がボールを持つわけですが、宮崎幾笑がこれもまたすぐに切り替えてプレスに行きます。デュークも27番 櫻井へのパスコースを切りながらプレスをかけていたので、堪らず最終ラインにまで下がった安部にボールを渡そうとします。

   すると安部は動き直しながらパスをもらう形となって、少しだけパスにズレが生じました。それに加えてデュークが猛プレスをかけていたので、焦った安部が6番 内田に出したパスは大きくズレてしまった。
   この宮崎幾笑とデュークのプレスがミスを誘発する第2段階です。

   そして、まるでパスのズレを予測していたかのように前に圧力をかけていたチアゴ アウベスがボールをさらい、内田との競り合いを制しゴールを決め切りました。

   このゴールは、連動してプレスをかけた河野・宮崎幾笑・デュークの3人のナイスアシストによって生まれたゴールだと言えます。

   それにしてもチアゴのファーストタッチは絶品でしたねホントに。今までのファジ戦士はもたついたりすることが多かったので、
1発で抜け出す、決め切る。これができる選手が居るというのは心強い。

いくつもチャンスを作り出した
チアゴ アウベス

失点シーン

   失点シーンですが、これはもうJ1クラスの流れるような速攻で、あのパスの精度・スピードで攻められたら失点しても仕方ないと思います。
   失点シーンは3つのシーンに分けて見ていきます。

   ファジアーノは河井が1枚上がって[4-4-2]の形でブロックを敷いていました。これによって徳島に思い通りの攻撃をさせていませんでした。
   ただ、ずっとブロックを敷いて引くわけにもいかないので、徳島の最終ラインからのビルドアップに対してプレスをかけにいきます。 

   では1つ目。

※シーンに関係の無い選手は省略

   上の画像のように、河井が安部にプレスをかけます、しかし安部はポーンと中盤に下りてきていた西谷にパスを出します。   
   これで、プレスに行っていた河井・デューク・宮崎幾笑は無効化されます。

次に2つ目。

※シーンに関係の無い選手は省略

   西谷が渡井にボールを渡すと、田中雄大は白井を見ながら渡井にプレスをかける。

   上の画像を見てください。水色のゾーンがガラ空きであることが分かると思います。ファジの選手は徳元のみだったので必然と1対2で数的不利の状況になってしまいました。

   田中雄大が食いつかなければ、と思われる方もいるかと思いますが、あの場面は食いつかなければ渡井と白井を自由にさせてしまうので、仕方のない食いつきでした。

   最後に3つ目です。

   広大なスペースでボールを受けた浜下はそのまま上がります。それに伴いファジの選手は下がっていきます。
   上の画像を見てもらうと、浜下と田中雄大との間にスペースがあることが分かります。スペースが空いていることで、浜下はノーストレスでクロスを上げることが可能となったわけです。

   クロスは柳の頭を越え藤尾にドンピシャ。

   藤尾が上手く柳を剥がしたことによって藤尾もノーストレスでヘディングをすることが出来た。柳は藤尾との間を空けてはならなかった。

   ノーストレス×ノーストレスの見事なゴールでした。

完璧なゴールだった

実は再放送だった失点

   見出しの通り、今節の失点は綺麗に再放送されたゴールなんですよね。じゃあ初回放送はいつなのかと言うと、前半09:20のシーンです。

   失点シーンと同じように、西谷が後ろにボールを下げているのが分かると思います。すると、次はもうお分かりかと思いますが、田中雄大がボールホルダーの櫻井にプレスをかけに行きます。

   もちろん水色のあのスペースがガラ空きです。しかも、この場面は白井がフリーでボールを持つ形となってしまいます。

   フリーで上げた白井のクロスに藤尾が合わせましたが、守護神梅田が指先で掻き出すナイスセーブ。ここでは梅田のおかげで失点を免れた。

   失点の時とほぼ同じ形で自分たちの左サイドを空けてしまい、ピンチを作ってしまったことが分かると思います。失点の時は1回目よりも素早く、精度も抜群でしたね。

良かった点

   今節、筆者的に良かったなと思う点を挙げていきます。

   まず、気付いた方も多いんじゃないかと思いますが、今節ファジアーノは[4-4-2]でブロックを敷いている場面が多くありました。これは前節ではあまり無かったことです。しかも、前半は[4-4-2]がハマっていた。
   [4-3-3]から[4-4-2]にシステム変更する時に、IHの河井が2トップに入り、WGの2人はSHのポジションを取っていました。
   すると両WGは縦に動くだけでよく横にスライドする必要がないので、無駄なスペースを生まなくて済む。効率的にシステム変更が出来ていたと思います。
   これはとても良い点でしたね。

   次に、ボールを確実にはね返すことが出来ていたという点です。「いや当たり前だろ」と思われるかもしれませんが、1試合を通してミスなくはね返すことができるというのは非常に大事なことなんですよね。
   これをやってのけてくれているのが柳育崇選手。頭ではね返すのはもちろんのこと、グラウンダーのちょっとだけ浮いたボールなんかも難なくクリア出来ていました。次節以降注目して見てみるのも良いかもしれませんね!

幾度となくボールをはね返した
柳育崇

   最後に、これは選手個人になってしまいますが、本山遥選手が半端なかった。
   特に凄かったのは47分のシーン。これはDAZNで見れる方はぜひ見て欲しい。
   攻め込んでいたところでボールを奪われ、徳島の西谷にカウンターを仕掛けられます。この時、西谷と本山は結構離れていて、これは追いつけないだろという距離でした。にも関わらず本山の超ロングスプリントで西谷に追いつき、スライディングでボールをカットしピンチを防いでみせた。
   文字通りのナイスプレー、その距離走れるのかよ、しかも追いつけるのかよ(笑)。もう笑うしかなかったです。

気になった場面

   上記にもあるように、今節は[4-4-2]でブロックを敷いていました。そこで、「これはちょっと…」というところがありました。

   それは、2トップと中央の4枚の間が空きすぎてないか?というところです。
   これもDAZNを見れる方は見て頂いて、見れない方はここでの説明をぜひ読んでみてください。
68:40のシーンです。

   [4-4-2]でブロックを敷いて、川本と河井が前からプレスに行きます。そしたら上の画像を見て欲しいんですが、水色のエリア、めっちゃスペース空いてますよね。
   徳島のWG浜下が何故ここにいるんだというのはありますが、ちょっとだけ本山と田中雄大が下がりすぎているなと感じました。あの位置であれだけのスペースを与えてしまうとかなりマズい。

   [4-4-2]と[4-3-3]だとアンカーの位置にいる選手が浮くというのもあるので、よりスペースが空いているように見えているのかもしれませんが、あのエリアを空けてしまうのは気になりました。

   つまりゾーンの幅が広すぎないか?ということです。2トップが前に行くなら後ろもついて行く、それで縦にコンパクトな陣形をとる。そうすると相手にチャンスを与えるようなスペースを生まなくて済む。

ここを修正して欲しい

   どうしても修正して欲しいところ、あくまで素人目線ですが、ここ頼むぜというところがあったので。

   それはCBの重心が低すぎるところです。

   これは失点シーンの時もそうですし、上記の再放送のところでも取り上げたシーンも、次に取り上げるシーンも。低いなぁ重心がということが多かった。

   80:10の場面。

①安部は西谷にボールを預ける

   徳島の安部がボールをカットしてカウンターという場面です。
   次の場面を見た時、これは終わったと思いました。

   カウンターを食らっているわけですから、自陣に人が足りないのは仕方ありません。しかし上の画像を見てください。またあの水色のエリアがガラ空きになっています、しかも1対2の数的不利の状況で。

   それでCB重心が低いというのはバイスのポジショニングを見てもらえば分かると思いますが、ボールの位置に対して明らかに下がりすぎです。
   ①の時に既に低い、バケンガと一緒にズルズル下がってしまっています。

   もっと気になるのは最終ラインがガタガタになっていることです。
   最終ラインが1列に揃っていないと何が問題かと言うと、下の画像のように柳の裏を取られやすくなってしまうということです。

      あとは、オフサイドを取りづらくなってしまうこともあるかと思います。

   失点シーンは片方の裏を取られる動きはなかったですが、柳が下がりすぎていたので、藤尾はオフサイドの心配をする必要がなかった。

   彼らCBの重心が低いことには、あくまで予想ですが次のような理由があると思います。
それは、裏を取られるのが怖いということです。
   柳とバイスははね返す能力に長けている一方で、機動力の面では不安があります。恐らくそれは彼らも分かっていることで、裏を取られたら良いディフェンスをすることが出来ないことが多いのは栃木・京都での経験から言えることでもあります。

   もしかすると裏を取られたら経験から、出来るだけ裏を取られないように取られないようにと意識してしまうことで、重心が低くなっているのかなと思います。

   このCBの重心が低いところは修正して欲しいと思っています。あと最終ラインを揃えることですね。

雑感

   ライブで試合を見終わってすぐの感想は「引き分けかぁ、しんどいな」だった。「後半は特にボール持たれて何も出来なかったなぁ」と思っていた。
   しかし、レビューを書くために試合を見直してみると「あれ?意外とやれてるかもな」と感じた。しんどいなと感じたのは、攻撃が上手くいってなかったからだと思う。デュークに当ててセカンドを拾う、これが上手くいかなかった。
   後ろから繋ぎたくても徳島がパスコースを切るプレスをかけてきたことで蹴り出すしかない、しかもセカンドを拾われる。2節目にしてこの展開は嫌だなと感じたのも確かで、試合後のSNSでのサポの落胆ぶりも確か。
   それだけ期待が大きいということだ。当然選手に求めるレベルも高くなる。だから今節の単調な攻撃、ワンパターンでは物足りないと感じる。

   ただ、チーム作りの途中なので、サポーターが望むプレーを完璧にはまだ出来ないと思う。今はチームが出来上がっていく様子を楽しむ、そういうスタンスで見守っていくのもアリだろう。

   とりあえず、今節、追加点を許さず守りきったこと、主導権を握られた時の課題が見つかったこと。これらをポジティブに捉えていければと思う。

対戦ありがとう安部崇士
対戦ありがとう白井永地


最後に

   最後まで読んで頂きありがとうございました!感想、ご指摘などあればよろしくお願いします!

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