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プレーオフ制度について改めて考えた

こんにちは、ファジリオです。

 久しぶりのnote更新で今回はJリーグのプレーオフについて考えました。理由は、最近プレーオフについて色んな方の意見に触れる機会があったからです。自分の考えと同じものや違うものもありました。特にJ1参入プレーオフとなってからは大会が行われる度にSNS等で意見が飛び交っている印象です。

 ここではJ1参入プレーオフの概要や僕個人の考えを書きます。「それは違うだろ」「私はこう思う」など皆さんの感想、考えがあれば聞いてみたいです。

J1参入プレーオフの大会方式

 恐らくこれを読んで下さっている方の多くはJ1参入プレーオフがどういったものかを既にご存知かと思いますが、大会方式を説明します。

 まずJ2リーグ年間順位3〜6位のクラブで1回戦、2回戦を行い、その勝者とJ1リーグ年間順位16位のクラブが決定戦を行います。1回戦、2回戦では年間順位が上のクラブにホーム開催・引き分けで勝利のアドバンテージが与えられます。決定戦でも同じようにJ1クラブにホーム開催・引き分けで勝利(残留)のアドバンテージが与えられます。

 つまり、J2のクラブが昇格するには決定戦まで勝ち進んだ後、J1のクラブに勝利する必要があるということです。


J1クラブにアドバンテージが与えられる理由は?

 プレーオフについての議論が盛り上がる最大の理由はJ1クラブにアドバンテージが与えられていることだと思います。
 では何故J1クラブにアドバンテージが与えられるのでしょうか。恐らくは、旧プレーオフで昇格した大分・徳島・山形・福岡がわずか1年で降格したことが影響しているからだと考えられます。これは、プレーオフにJ1が参入することになった理由にもなると思います。

 旧プレーオフで昇格したのは全6クラブですが、それぞれが翌年のJ1でどのような成績でフィニッシュしたのかを簡単にまとめてみます。

昇格年   順位  勝ち点  勝利数
2012  大分 18          14            2
2013  徳島 18          14            3
2014  山形 18          24            4
2015  福岡 18          19            4
2016  C大阪  3           63           19
2017 名古屋 15          41           12

 こう見ると1年で降格してしまった4クラブがなかなか厳しい戦いを強いられたことが分かる気がします。その他2クラブのうち名古屋は少し怪しめですが、C大阪は昇格の勢いそのままにといった感じでしょうか。ただC大阪に関しては勢いだけでなく、クラブのネームバリューや資金力が大きく影響しているのでしょう。

 これは福岡サポの方から聞いた話です。
 福岡は2015年に3位からプレーオフを勝ち抜き昇格を掴み取った「史上最強の3位」と謳われた。しかしオフシーズンにレンタル組は回収され、補強も上手くいかなかった。昇格1年目はオファーを出しても来てくれる選手はいない。名門以外は今有る戦力で、監督の手腕で何とかするしかない。2020年にも昇格を果たしたが、補強の際、まず1年J1に残留したら考えると言った選手もいる。
 あくまで聞いた話なので情報の確実性はあまりないかもしれませんが、こういったケースは無くはないと思います。昇格1年目の補強が上手くいかないことと成績が低迷することは関係がありそうです。

 それで、1年で降格してしまうクラブが多いからJ1にアドバンテージが与えられると書きましたが、すぐ降格することの何が引っ掛かってそういうルールになるのでしょう?これは僕がJリーグ公式YouTubeチャンネルの動画を見てどうにか納得したというか、モヤモヤする部分を残しつつ飲み込んだという感じでした。


 この動画内で、すぐに降格してしまうことのどこがダメなのかはあまり触れられていません。その代わりに当時のJリーグ副理事長である原博実さんが強調したのは、J1を落ちにくくする前提がある・J1に優位性を持たせるということです。J1にはリーグとしてACLを目指す権利があり、そこを目指すとリーグ戦が疎かになり降格圏まで落ちてしまう。だからJ1に優位性を。というのがリーグとしての主張だと解釈しました。
 明確にスパッとアドバンテージについての理由が述べられている訳ではないので、見出しに対する回答はこれだ!というものが見つけられませんでした。これじゃない?というものがあれば是非教えてください。結論がなく申し訳ないです。

J1が参入することについて

 僕としては、今の状況でJ1がプレーオフに参入することは当然だと思っています。以前Twitterで「J1を参入させるな」という発言をしましたが、考えが変わりました。
 これは上の動画内でも触れられていることですが、J1が18クラブしかない中で3クラブが自動降格というのは数が多い。最低でも自動降格枠は2つでもう1つは入れ替え戦等を行う。これが妥当だなと思いました。というのも、欧州5大リーグの昇降格制度を見て、Jリーグは欧州に倣いつつクラブ数に見合った形式を取ったんだなと。

 ここで欧州5大リーグそれぞれの昇降格制度はどのようなものか、紹介します。

スペインリーグ
1部(20クラブ)から下位3クラブが自動降格
2部(22クラブ)から上位2クラブが自動昇格、年間順位3〜6位でプレーオフ

イングランドリーグ
1部(20クラブ)から下位3クラブが自動降格
2部(24クラブ)から上位2クラブが自動昇格、年間順位3〜6位でプレーオフ

ドイツリーグ
1部(18クラブ)から下位2クラブが自動降格
2部(18クラブ)から上位2クラブが自動昇格
1部の16位と2部の3位で入れ替え戦

イタリアリーグ
1部(20クラブ)から下位3クラブが自動降格
2部(20クラブ)から上位2クラブが自動昇格、年間順位3〜8位でプレーオフ(3位と4位の勝ち点差が10以上ある場合は開催されず、3位が自動昇格)

フランスリーグ
1部(20クラブ)から下位3クラブが自動降格
2部(20クラブ)から上位3クラブが自動昇格
※リーグ1は来季から18クラブ制導入


 こう見てみると、1部で3つの自動降格枠があるのは20クラブ以上のリーグだけです。他のリーグと比べてみて初めて「J1の3クラブが自動降格って多かったんだな」と思う方もいるんじゃないでしょうか。
 J1、J2それぞれのクラブ数を考慮して、J2にプレーオフ制度を残しそこにJ1を参入させるのはおかしな話ではない。というのが僕の考えです。


 皆さんはどう思いましたか?僕はイタリア2部の8位までがプレーオフに含まれていて、そこが気になって仕方ありません。あとリーグ1が18クラブ制導入ということで、どういった昇降格制度になるのか注目です。

色々

「色々」とかいう明らかに手抜きな見出しですが、見出しで限定すると書きづらいなと思ってこうしました。上2つの中に含めることができそうな内容も書きますが、こうしてnoteを書くのが半年以上ぶりなので書く技量的に無理でした。ごめんなさい。

 それで、J1にアドバンテージがあるのは何でやということを書いた後でJリーグからお知らせが来ました。

 お金の話で言えばJ1に手厚くお金を渡しますよ、J2がもらえるお金の比率が少なくなりますよ。ということです。
 この発表と、原さんのJ1を落ちにくくする・優位性を持たせるという言葉が僕の中で繋がりました。

 J1に多くお金を配分するということは、J1を育てて強くしようということです。JリーグとしてはJ1を輝かせたい、日本のトップリーグから世界に匹敵するようなクラブを出したい、そして各所から放映権料やら何やらを多く集めて儲けたい。そういう思惑の元発表された戦略・改革だと思います。儲けたいというのは語弊がありそうですが、間違いではないと思いますし、僕はそう解釈しました。
 日本の中で、世界で通用するクラブを育てられそうな1番有力なリーグがJ1です。なのでJ1に所属するクラブは、Jリーグからこれまでよりも大きな期待をかけられることになるでしょう。

 そしたらJ2は日本のトップリーグになるのは無理だし、世界で通用しなさそうだから放っておきます、そちらでお好きにどうぞ。という訳にはいかないので、J1昇格のチャンスが与えられます。ただし、上位2クラブには「ようこそJ1へ!一緒に強くなりましょう!」で、参入プレーオフ決定戦に挑むクラブには「俺ら日本のトップリーグに居ながらさらに上目指してるから。勝たないとこっち来れないの当たり前だから」です。今はそういう風に目に映ります。

 言い方はすごく悪いかもしれませんが、Jリーグからしたら1年ですぐ降格してしまうクラブはJ1にあまり必要ありません。なぜならJ1全体でリーグの力を底上げしたいから。だから今J1にいるクラブを育てたいし大切にしたい、だから決定戦でJ1クラブにアドバンテージを与える。そういうことなんじゃないかなと思います。

 あと、このアドバンテージはある意味でJ2クラブを守ってるんじゃないかと考えました。1年で降格して1番困るのは誰だろうと考えた時に、それは降格したクラブだと思います。降格してしまって選手も出て行き、経営的にも負担が増えることが予想されます。そのようなことを未然に防ぐために、しっかり1年間J1の強度の中でやっていけるかを試していると。そういう風にも捉えることができるなと思いました。
 ただ金銭面で言えば降格したクラブにはパラシュートペイメントがあったようですし(今季も採用されていたかは不明ですが)、めちゃくちゃ困窮してます助けて下さいってことにはならないのかなとも思います。


 冒頭でJ1参入プレーオフに関して色々な人の意見に触れたと言いましたが、結構攻撃的なというか「J2の分際で」みたいな意見が多かったんですよ。その中でも「元々昇格できない順位に枠を増やしてやったんだからありがたいと思え」というのが何個かあって、これに関してはハッキリと、それは違うだろと言ってやりたかった。(面倒事になりそうで言えなかった)
 プレーオフが開始されたのは2012年からで、その目的として掲げられたのが「J2の活性化」「J2クラブの経営、環境改善の促進」等です。「J2の活性化」がどういうことかと言うと、簡単に言えば各クラブにやる気を出させるということです。
 活性化させたいならもっと早くプレーオフをすれば良かったじゃないかという声もありそうですが、2012年から開始したのには理由があります。それは、前シーズンよりもクラブ数が増加したからです。2011年は全20クラブだったのに対して2012年は全22クラブ。2つも増えた中で今まで通り上位3クラブが自動昇格というのは少し厳しい。そしたら6位までJ1への挑戦権を与えるのが妥当だろうし、欧州の各リーグを見ても同じようにプレーオフを採用している。そういった考えがあったのだと思います。

 そりゃ元々4〜6位は昇格できないレギュレーションでしたよ。でもクラブ数が増えたんだ、従来のままだと上位3枠に絡めそうにないクラブのモチベーションはどうなる?しかも2部リーグだ。と考えるとプレーオフは採用されるべくして採用された制度ではないでしょうか。

もし岡山がJ1の16位で、J1参入プレーオフに参戦することになったらどういう気持ちなのかなと考えた時に、分からないんですよ。嫌だなぁっていうのはあります、ただそれ以外に思いつかない。引き分けで勝ちにしろと思うのか、延長PK決着で良いと思うのか、ホーム&アウェーでやりたいと思うのか。
 その立場にならないと分からないことが大き過ぎるなと思います。想像力が乏しいとも取れるでしょう。J1参入プレーオフに文句を言ってきた身ではありますが、残留しなければならない立場になったらコロっと掌を返すことがあるかもしれません。

最後

 話を締めるのがすごく下手なので見出しで無理やり終わらせたいと思います。J1がたくさん注目を集めたらJ2にも恩恵がありますよ。とかもう少し書きたいことがあったような気もしますが、変にゴチャゴチャしてしまうのは嫌なので止めておきます。
 J1参入プレーオフが終わった直後は感情的にレギュレーションに文句を付けていましたが、リーグの考えやそういうルールになった背景を調べてみて、現行ルールの妥当性を考えることができたのは良かったと思っています。
 最終的な僕のプレーオフへの意見は「J1を参入させる」までしか固まっていません。アドバンテージに関してはどっち付かずの状態です。本当に難しい。Jリーグが新たな成長戦略を発表してさらに難しくなったと感じています。

 J2があの壁を越えるまではこの議論はずっと続くのでしょう。皆さんの意見をぜひお聞かせ下さい!


 最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。久しぶりに文章を書いて、話がまとまっていなかったり読みづらいなと思う部分には指摘をして下さい、とても助かります!

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