徐々に自信をつけていく女性の上京ストーリーで、作家itoが描いていること
くまのキャラクターでおなじみの洗たく用洗剤・柔軟剤ブランド『ファーファ』シリーズの『ココロ』が2022年3月にリニューアル!「あらう、あらわれる。」をコンセプトに、成分もデザインも新しく生まれ変わっています。
このリニューアルを記念して、新コンセプトから着想を得たマンガ作品を3回にわたってお送りしてきました。今回はその特別編をお送りします!
マンガ制作を担当されたのは、冊子やアプリ内を彩るイラストレーションのほか、連載マンガ『だけどやっぱり彼が好き!』や『イツカの王子さま』を手がけるなど、幅広く活躍されているイラストレーター・マンガ家のitoさん。
作品を書き終えた彼女に、新コンセプトへの印象や制作時に込めた想い、ご自身の経験などについてうかがいました。ぜひ、マンガと合わせてご覧ください!
(まだマンガを読んでいない方はコチラをチェック!>https://note.com/fafacocoro/n/na97f5965e288)
共感したコンセプトと一緒に、
自分の個性があらわれた作品づくり。
―『ファーファ ココロ(以下 ココロ)』のコンセプトが見事にあらわれたステキな作品、ありがとうござました!まずは、このマンガ制作依頼を受けたときの率直な感想をお聞かせください。
「itoさんの自由に描いてください」と言ってもらえて、とてもワクワクしました!私の作品らしさは、細かな表現のニュアンスやセリフ回しに「もろさ」があること。今回、商品を全面に出したPR漫画ではないことで私らしい作品づくりに挑戦しやすくなり、とてもありがたかったです。
―『ココロ』の新コンセプト「あらう、あらわれる。」を聞いたとき、どのような印象を持ちましたか?
このたった一行に、「服を洗うこと」から「価値観や本来の自分の姿があらわれること」まで、たくさんの意味が込められていることにまずビックリ。解釈に深みがあって、「もうこの言葉だけでマンガが描ける!」と直感しました。
作品を描くにあたってブランドのイメージを見せてもらったんですが、そこに書かれていた「クローゼットの中には、こうありたい姿が並んでいる」「服を選ぶことで自分の個性を自分で選ぶこと」という内容に、強く共感した覚えがあります。
上京時のエピソードをストーリーに。
この経験も、きっと共感してもらえるから。
―ご自身の経験の中で、「クローゼットの中には、こうありたい姿が並んでいる」「服を選ぶことで自分の個性を自分で選ぶ」と感じるようなエピソードがあったのでしょうか?
そうなんです。高知の実家を出て、東京で一人暮らしをはじめた頃の話なんですが……当時、私は周りのみんなから「ボーイッシュなキャラ」だと思われていると認識していました。東京の街を颯爽と歩くOLさんのような可憐で可愛らしい服を着たら、きっと家族や友達にイジられるだろうし、自分らしくないんだと思い込んでいたんです。でも東京で買いものをしているときに惹かれたのは、やはり可愛らしさのある洋服でした。
そのときに、これまで「自らがボーイッシュな服を選んで着ている」と思っていたけれど、実は周りの目を気にして勝手に決めつけていたのかもしれないと気づいたんです。一人での自由な生活を目の前にしたとき、本当になりたい姿は違う自分なんだと確信しました。
―まさにマンガ内のエピソードそのもの!今回のマンガはitoさんの経験が反映されたものなんですね。
依頼を受けたタイミングが、私の幼なじみが初めての一人暮らしをはじめる時期とちょうど重なりまして。彼女と話をする中で、「ああ、私も同じようにワクワク感と不安が入り交じったような気持ちになったことがあったな」と思ったんです。
私が実生活の中で感じたことは、一見個人的なことに思えても実はいろんな方に共感してもらえるものなのかもしれない。そう考えて、私自身のエピソードを作品に落とし込んでいきました。
セリフは声にのせて確認。
感情の動きとリンクするように。
―マンガを制作するときは、自分の経験にあてはめて考えはじめることが多いのでしょうか?
自分の感じたことや、半径5mくらいの範囲で起きたことから発想する場合が多いですね。でも自分と全く同じことを描くのではなく、私が感じた気持ちをきっかけとして、「このキャラクターだったら、どう動くだろう?」と思考を深めていっています。
―ストーリーを組み立てるときは、どう具体化していくのですか?
まずは、伝えたい言葉をたくさん書き出すところからはじめて、「この言葉は次のシーンの延長で使えそうだな」とストーリーを組み立てていくことが多いですね。
そしていつも制作時におこなっているのは、「セリフを自分の声に出してみる」ということ。特に告白のシーンなんかには気恥ずかしくなるようなセリフもありますが……読者の気持ちが自然と盛り上がった状態で重要なシーンを迎えられるように、声にのせて確認しながらその前後のセリフ回しを工夫しています。
徐々に自信をつけていく様子を
リアルに描くことを大切に。
―今回はitoさんの作品イメージとしても強い、恋愛ものにまとめてくださいました。最初から恋愛を軸にしようと決めていたのでしょうか?
いえ、当初は一人の女の子の上京ストーリーとしてエッセイ風にまとめようと考えていました。ただ、主人公の変化をずっと変わらずに見ていてくれる人がいる方が、一人だけの視点よりも変化が見えやすいのではないかと思ったんですよね。そこで、恋愛要素を入れる決断をしました。
今回の作品で大事なポイントは、主人公が上京をきっかけに成長し、自分に自信を持ちはじめるところ。その過程をきちんと見せるために、恋愛要素が出過ぎないように仕上げました。
―主人公の成長ストーリーを見せる上で、意識していたポイントを教えてください。
一人で身の回りのことを一つひとつこなしていくうちに、「自分に自信がない状態」から、「自信がついてきて自分のことを好きになっていく状態」へ変化する過程を、しっかり描くようにしたところです。
―東京に引っ越してきてから「思ったより大変さはなく、しっかり生活できているかも」と思うシーンですね。
物語の中では割と地味な印象かもしれませんが、かなりカギとなるシーンです。「自分に自信がない」という感情って、ある日突然出てくるものではないですよね。日常の中での小さなできごとが積み重なって、「自信がない性格」のようなものがいつの間にかできあがってしまうものなのかなと思っています。
だからこそ、徐々に自信をつけていく様子を描くときも、いろんな「やってみたら意外とできた」という小さなできごとの積み重ねを表現することで、エピソードにリアルな説得力を持たせられるよう意識しました。
—「自信がないから」と何かに挑戦することをためらっている人の背中を押してくれるようなエピソードですね!
自信がないと何に対しても「私なんか絶対できないし」と尻込みしてしまいます。今回の物語にあるように、ちょっと行動してみたら意外とできたという経験が、本人にとってはとっても大きなできごとになると思うので、このシーンは絶対入れたいと考えていました。
洗剤選びは自分を大切にするための
重要なアクション。
―マンガ制作を通して、じっくり『ココロ』と向き合ってくださったitoさん。『ココロ』はどんな方にピッタリだと思いますか?
「おしゃれ着用洗剤・柔軟剤」と聞くと、すでにファッションにこだわりがあるおしゃれさんが使うものというイメージがありますが、これからこだわっていきたい人や、今の生活をちょっと変えてみたいなという人にもぜひおすすめしたいです。
服にこだわりを持とうとすることは、自分を大切にすること。「自分なんかがおしゃれな服を着たって、どうせ何も変わらない」と投げやりになるのではなく、自分を好きになるきっかけとして服や洗剤のことを考えてみるのはすごくいいことだと思います。
また、「キレイな服だけど洗い方がわからないから買わない」とチャンスを逃してしまってはもったいないですよね。思い切って好きな服を買うためにも、「洗剤をきちんと選んでみる」というのは重要なアクションだと思います。
―新しい生活がスタートしたという方も多いこの季節。最後に読者の皆さんへメッセージをお願いします。
新しい挑戦や変化を目の前にして、自信満々でいられる人ってあまり多くはないと思います。だからこそ、このマンガや『ココロ』を通して、そんなに気負わずに、まずはとりあえず動いてみようかなと思ってもらえたら嬉しいです。
ファーファ COCORO Presents「あらう、あらわれる。」コンセプトマンガ第一弾itoさんの「私をみつけた話」・インタビューとお届けしてきました。
次回は、ますだみくさんの「あらう、あらわれる。」コンセプトマンガ第二弾が公開されます。ぜひご期待ください!
*次回は5月下旬~6月上旬頃に更新予定です*
●ブランドサイト
●ファーファココロの開発STORY【インタビュー】
●通販サイト
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