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「マイホームは買いどき?」2022年の不動産市場を予想する

マイホームの買いどき判断は、以下2つの視座があります。

・自分または家族にとっての買いどき
・市場動向を考慮した上での買いどき

前者は主観的、後者は客観的といえるでしょう。

主観的な視点では、結婚、出産、子どもの成長、借家契約の期限などが主な理由や契機になります。

一方、客観的な視点となると、価格相場、住宅ローン金利、税制、選択肢の数(物件数の増減)などが主な要素となります。

ここでは、多くの方に共通すると思われる、客観的な項目に絞って解説します。

1.コロナ禍で首都圏の不動産価格が上昇


アベノミクス以降、不動産価格は(特に都心部などでは)上昇トレンドを継続してきました。それが、コロナ禍で一気に加速しました。

下記データは、2020年11月と2021年11月の成約単価または価格の一覧です。
首都圏では、すべての地域や種別において価格が上昇しています。
データ出典:東日本不動産流通機構

●中古マンション(万円/m2)
      2020/11  2021/11  上昇率
首都圏   56.87   60.92   107.12%
東京都   75.86   80.72   106.41%
埼玉県   34.38   38.29   111.37%
千葉県   30.89   34.24   110.84%
神奈川県  44.80   48.63   108.55%

●中古戸建(万円)
首都圏   3,239   3,579   110.50%
東京都   4,752   5,060   106.48%
埼玉県   2,002   2,442   121.98%
千葉県   2,050   2,305   112.44%
神奈川県  3,277   3,714   113.34%

●土地(万円/m2)
首都圏   18.73    20.71   110.57%
東京都   32.57    35.39   108.66%
埼玉県   14.34    14.93   104.11%
千葉県     9.61    11.05   114.98%
神奈川県  17.24    19.16   111.14%

値上がり要因が、世の中全体の好景気による、
・インフレ(物価上昇)
・賃金アップ
などが原因であるなら
「これからも上がるかも!?」といった期待ができますが、実際はそうではありません。

コロナ禍で、物件の在庫が減少したことがその主な原因と捉えています。毎月の中古マンション市場動向を動画で解説していますので、ご興味のある方はご覧ください。

動画リンク https://www.youtube.com/watch?v=8L7E2gy1ss8


2.2022年は相場の転換期になると予想


オミクロン株など変異種の感染拡大が世界的に騒がれています。が、重症化に至る確率は低いと見立てられていること、それによってワクチン接種率が高まることなどを踏まえると2022年は「ポストコロナ」を迎えるとみてよいのではないかと考えます。

つまり、コロナの収まりと同時に、不動産市場における売り出し物件数は「元に戻る」と見ています。実際、2021年の秋口以降、都心部からその予兆が出て、広がっています。

動画リンク https://www.youtube.com/watch?v=GG07kaLm3b0

ただし、「戻らない」ものもあります。

テレワーク経験を経て、職住近接のニーズは以前ほどではなくなると考えます。

端的なのが、23区人口動態です。

毎年11月までの増減を比べてみると

2018年 +88,205
2019年 +82,827
2020年 + 4,773
2021年 ‐40,340

4万人超の減少も驚きですが、2018年や2019年と比較して「12万人以上の差」があることに注目せざるを得ません。東京一極集中は、転機を迎えたといえそうです。
データ出典:「東京都の人口推計」

オフィス市場も空室率の上昇、賃料の下落が続いています。
要するに、コロナ禍を経て、首都圏の様々な不動産で「需給バランスの大きな変動」が起きているのです。

したがって、これまでの発想からリセットして考える必要があります。

そもそも不動産マーケットは一様ではないですが、物件選びの骨子となる「通勤」の概念が大きく変わったことで、市況の変動が「立地(地域・沿線)」によって異なり、その「時期」もズレが生じると思われます。

現に、中古マンション市場では、2021年11月の時点で「23区は在庫増」に転じていますが、「郊外は概ね減少傾向」が止まっていません。

よって、中古マンション市場は2022年「都心部から在庫増加に伴う成約単価の下落がはじまる」と予想します。

「高掴みをしたくない」という方にとっては、買いどきというより「様子見」を選ぶのが賢明かもしれません。



3.超低金利「借りどき」は継続


一方で、「異次元の金融緩和」による「超低金利」状態は続いています。

将来売るつもりもなく、
・気に入った物件がある
・無理をしない資金計画
で買える人は、引き続き「良好な購入環境」といえるでしょう。

自分の指向に応じて買いどきか否かを判断し、後悔のないマイホーム選びを実現してください。

YouTubeチャンネル「Fact Stock」ではマイホーム購入の基礎知識等、初心者に役立つ情報を配信しています。


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