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星海天測団
2022年3月10日 00:37
「寒い……」背中に大きなリュックを背負った少女が呟いた。「重い……」青色のもこもこの服を着た少女が後に続けた。「額縁、やっぱりいらなかったな」二人はとぼとぼと東京の夜を歩いていた。何のアテもなく、風の向くまま、気の向くまま。目的地の無い旅、そう言えば格好は付くけれど、帰る場所の無い旅、そう言えば寂しさが漂う。しかし、その旅は孤独では無かった。隣からリズミカルに響く足