見出し画像

「腰痛と完全におさらばする」

36歳で初ギックリ腰

朝起きたら身体が動かない

息子が生まれたばかり頃、職場から帰宅後の金曜の夜にミルク用の水を2ケース(1ケース:2ℓペット6本)をエレベータのない5階建ての社宅の5階の部屋に2回持って上がった翌日の土曜の朝、目が覚めて起き上がろうにも体が動かない。無理に動かそうとすると、腰に激痛が走ってどうにもこうにもならない。それが初めてのギックリ腰でした。

どうにも動けないので、安静にしていましたが、月曜の朝になってもまともに歩ける状態ではありません。それでも、なんとか会社まで辿りついたら、私の有様を見た上司から、すぐに紹介された鶴見にある田中治療室に向かいました。

原因と処置

診断の結果、原因は子供のころに治療を放置した左の奥歯にあり、そのために右顎で咀嚼する回数が増えてしまうことで、右顎関節が強く入り込んでしまい、左右のアンバランスが起こってしまったからということでした。

施術は、左を下にして横になり、施術者の方が、右顎の上に両掌を重ねて、顎が外れるかと思うほど一気に圧がかけられて終了。

「終わりました。さあ、立ってみてください。」と言われて立ってみたら、あら不思議、それまでは腰を伸ばして立つことができなかったのに、一瞬で真っ直ぐ立って歩けるようになるなんて、ほんと驚きでした。
即歯医者に予約を入れたのは言うまでもありません。

一人前の腰痛持ちへ

その後、炎症もおさまり、好きだったゴルフもできるようになりましたが、以来、時折、鈍い腰の痛みが出るようになり、それまでは全く気配すらなく腰痛なるものとは無縁だと思い込んでいたにも関わらず、腰痛持ちになってしまいました。

繰り返すギックリ腰と腰痛との付き合い

一人前の腰痛持ちとなってしまった私は、冬場ゴルフに行くときには腰にカイロを貼り、年中、風呂で腰を温め、痛みが強い時には湿布を貼るなどする腰ケアが日常化していました。

厄介だったのは、初回ほどひどくないにしても、5年ほど経過した後の2回めのギックリ腰以来、毎年のように、なんの前触れもなく何かの拍子でギックリ腰を発症する身体になってしまったことでした。

15年経過したころには、数か月に一回起こるようになり、ギックリ腰への対処も慣れたもので、BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシンのアミノ酸ミックス)のサプリメントとビタミン剤と水をしっかり摂取してから、電気風呂に入って患部を激しく振動させることで、最速(72時間)で回復させるようにしていました。

17年間の腰痛生活との決別

このままギックリ腰地獄から抜け出せないなんて嫌だ

そして、もう何回目かもわからない最後のギックリ腰は初回から17年後でした。それまでとはレベルの違う酷いギックリ腰で、とりあえず筋弛緩剤と消炎剤を処方してもらわないとどうにもならないと判断し、すぐに近所の整形外科に行って、検査と診察を経て処方してもらい、応急処置的ではありながらも、なんとか歩けるようになりました。しかし、特に筋弛緩剤は劇薬ゆえに飲めば飲むほど腰が益々脆くなる諸刃の剣。早々にやめたのですが、そうは言っても、このままだとギックリ腰の蟻地獄だと、明らかに慢性化して治る気配のない状況への危機意識は強くなりました。

4スタンス理論認定ティーチングプロからの指摘

そんな、やっとなんとか歩けるようになった(走るのは無理)時ではありましたが、ゴルフで付き合いのあった4スタンス理論認定ティーチングプロとの飲み会で、「ギックリ腰だったって?、ちょっと立ってみて、真っ直ぐ」「これが真っ直ぐ?骨盤が前傾しているから、骨盤を立てるようにして!」と言われ、手で骨盤を起こすようにして立ててみると、腰の鬱血がすべて解消されるように、ズキズキ感がなくなったのです。
帰り道、一人になってから、骨盤を意識して立てるように歩くと益々スッキリすることが確認でき、これが腰痛対策の真の鍵だと確信しました。

4スタンス理論はスポーツトレーナーの廣戸聡一氏が提唱する理論で、プロ野球やプロゴルフ、五輪選手の強化育成のためにも採用されている理論
4スタンス理論のご紹介

日本人は元々骨盤が正面を向いている

帰宅後、検察して様々な関連webページを読んで、分かったことは、西洋人は元々骨盤が前傾しているが、日本人は元々骨盤が正面を向いていて、加齢や出産によって腹筋が緩むことで、内臓が下に降り、重さに耐えられずに骨盤が前傾(反り腰)または後傾し、腰痛の原因を引き起こすということでした。

左奥歯の虫歯の放置は確かに左右のバランスを崩し、ギックリ腰発症のきっかけにはなったのでしょうが、真の原因は骨盤の前傾にあったのです。

自ら身体を壊していた大バカ者

思い起こせば30代前半、ゴルフのシングルプレイヤーを目指して寝ても覚めてもゴルフのことを考えていたころ、ギックリ腰になる前、食い入るように見ていたアメリカの有名なティーチングプロであるデビッドレッドベターのスイング理論を解説したNHKの衛星放送の番組で、スイング動作の基本である、バンプという前傾した骨盤をシーソーのように動かして股関節を上下させる動きの解説があり、すぐに取り入れたところ、とても具合がいいわけです。

当然、それを極めるべく、普段の動作でも、骨盤を前傾させて股関節を上下させる歩き方に変え、自然にその動作ができるよう習慣づけて行ったのです。

なんと馬鹿なことでしょう。ゴルフスイングの時だけならまだしも、普段の生活においても自ら身体を壊していたのです。しかも、ギックリ腰になっても、それが慢性化しても、ずっと続けていたのです。20年間も。

骨盤を立てて・立つ・歩く・走る・振る

前傾を指摘されて以降、今までの前傾歩きをやめて、骨盤を立てて立つ歩く走るに全てを変えたところ、最初の数日間は内転筋(内腿)と大臀筋(お尻)が酷い筋肉痛になりました。そして、それが治まる頃にはほぼ腰痛の気配はなくなり、2週間で完全に消滅しました。

当然、ゴルフスイングも骨盤を立てた状態でのスイングに変え、自分の意識としては随分感じの違うものになりましたが、ラウンド前後の腰のケアをする必要もなくなり、失った20年を至極残念に振り返りましたが、過去は戻ってきませんので、新しい自分で歩んでいくだけです。

当時、ひとつの無知からたくさんの痛みや間違いを引き起こす恐ろしさを知ると共に、知る事でまるでバタフライエフェクトやドミノ倒しのように問題が解消していく事を知り、問題の根っこを突き止める大切さを心に刻み、それを実感できたことに強い喜びを感じたのをよく覚えています。

しかし、どんなに腹筋を鍛えても、ちょっと油断すると前傾気味になってしまうために、常に意識している必要がある事に、若干の違和感を感じながらも、それほど深刻ではないと言うことで、ペンディングになっていました。

もうひとつの問題

腰痛問題と並行して、時々出ていたのが、右中指薬指指先の痺れでした。レントゲンを撮ったところ、頚椎の一部に軽い狭窄があり、神経を圧迫している事が原因として、空を見上げない、枕を高くする事で症状はほとんどでなくなり、気にしなくなっていました。

これは2回目のギックリ腰の頃の話しですが、じわじわと身体を蝕ばみ、16年後に首に痛みが生じ、左腕が動かなくなる事になります。

ずっと、腰とは別問題だと思っていましたが、実際には連動した問題だったのです。

鉛直に立つ・歩く・走る・振る

腰痛を完全解消してから4年後、007 NO TIME TO DIEの公開に合わせて、過去の作品を一作づつ復習していた時、ダニエルクレイグが走る時も歩く時も常に上体が鉛直になっている事にハッとして、すぐに姿見で自分を映すと、骨盤は立っていても母指球重心で全体的に前傾しているではありませんか。

鉛直にしてみると母指球重心ではなく踝重心になり、顎は自然に引け、腰は意識せずとも正面を向いた状態になり、以下の記事のようにして行こうという発見につながるわけです。

鉛直に立ち、歩き、走ることで、腰は自然に立って正面を向き、首の痛みは無くなり、なかなか取れなかった腹巻きのような脂肪も無くなったと言う良い事づくめの話しになったのです。

そして、当然ゴルフも鉛直基準の踝重心でスイングするようにして、安定感が増しました。

このバンプという日本人の骨格には適さない動作を日常生活に取り入れ、自らの身体を壊し始めてから、問題発生を経て、完全解決まで23年、時間はかかりましたが、この自作自演とも言える問題が解決できて本当に良かった。

しかし、周りを見渡すと、自分が意識しているために、真っ直ぐ立ててない人、骨盤が傾いて膝を外側に出しながら歩いている人、顎が上がってしまっている人がなんと多い事に気づきます。

今からでも遅くないので、対処療法に頼るのではなく、姿勢を正して痛くならない身体を獲得して欲しいと思いながら眺めているだけではいけないと思い、少しでも多くの人に触れてもらうためにこの記事や関連記事を書きました。

#より良い自分
#誇りを持って生きる
#PPNK


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?