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「蛸壺本能」

「理不尽の蛸壺」「正しさの蛸壺」、結局、なぜ常に蛸壺掘りをしちゃうのでしょう?

蛸壺堀りの心理

人間の思考には現状維持バイアスがかかりやすく、変化のメリットを過小評価し、現状維持のメリットを過大評価する傾向があります。決して現状が好ましい状態でなくとも同じです。これには二つの心理が関係していると思われます。

一つは、不確実性の恐怖。コスト(労力はお金)をかけても上手くいかないことに対する恐怖です。

もう一つは、認知的不協和。いままで正しいと思いこんできた自分の考え方ややり方を変えることで、いままでの自分との整合性がとれなくなること、つまり自己否定への拒絶です。

なので、「今を変えたくない。特に問題ないし、変える必要はない。自分は間違っていない。どうせうまくいかない。」という認識から抜け出せない。つまり、なかなか蛸壺堀りをやめられないということでしょう。

相互助長蛸壺スパイラル

そして厄介なことに、蛸壺堀りは、関係する人間同士で縛りあうように助長していく傾向があります。それは関係の濃淡に関わりなく、現状の人間関係への依存です。

これらは、決して現状が好ましい状態でなくとも、これ以上悪くなったらどうしようと言う不確実性の恐怖が立ちはだかり、いままで我慢してきた自分に対する認知的不協和を避けたいというのも、縛りあうような複数の人間による蛸壺を形成し、お互いに助長しあうスパイラルに陥るのです。

また、好ましい状態だとしても、お互いに痛いところに触れないというような紳士協定のような不文律ができやすいので、好ましい状態自体が「まやかし」である可能性も否定できないわけです。

まあ、卑しい人とは「まやかし」がベストですけど。

蛸壺本能発動の抑止

大きく二つの方法があります。
一つはメンターに定期的にチェックしてもらう方法。
もう一つは自己点検です。

メンターに定期的にチェックしてもらう方法はとても有効ですが、そもそもメンターになってくれる人との縁に恵まれる必要があります。かなりハードルが高いでしょう。もし、心当たりがあるなら、ダメ元でお願いしてみるといいでしょう。

自己点検は、手軽ですが、不確実性の恐怖に支配されているかどうか?認知的不協和によって自己正当化のための都合良い解釈をしているようなことはないか?を常時センシングする訓練が必要です。
決して自虐を求めるものではないのですが、自分自身を冷徹かつ否定的に評価する厳しさ、つまり真のメタ認知と自己批判力が必要なので、その点でのハードルが高いと言えますが、誰でも可能でもあるので、トライしてみるといいと思います。

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