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「DX成功の鍵:ギブ・アンド・ギブンの組織文化」

テイカーとDXの相性は最悪

人は、善良なるギバー(Givers)と狡猾な収奪者たるテイカー(Takers)に大別できます。バランスを取ろうとするマッチャー(Machers)もいますが、損得をベースにしている以上、私のなかでははテイカーに分類しています。

そして、残念なことに、多くの場合、狡猾な収奪者たるテイカーがギバー達を踏み台にしてピラミッド上部を独占しているようです。日本でも業績が伸び悩んでいる伝統的企業が沢山ありますが、主要ポストがテイカーで占められている可能性が高く、DXがなかなか進まない理由の一つなのではないかと考えています。

しかし、DXによってデジタル化した企業(組織)におけるマネジメントは、統率者としてではなく、支援者として組織の成果を最大化する役割に変わるため、一時的にはともかく、すぐにボロが出てしまうテイカーでは務まりません。他社との連携においても同様です。最終顧客に価値を受け取ってもらうエコシステムとしての価値発揮能力を如何にして最大化するのかを志向していく必要がありますが、短期収奪最大化志向のテイカーでは長続きはしません。

つまり、DXとテイカーによるテイク・アンド・テイクンとは相性が最悪なのです。ギバーによる相互のギブ・アンド・ギブンで構成された組織によって、価値発揮能力を最大化するというのは、DXの目的でもあり、別の視点で言い換えただけの不可分な関係にあるとも言えるでしょう。

グロースマインドセットとギバー

グロースマインドセットは、持続的な学習と成長を重視し、チームワークと協力を促進する考え方です。これは、ギバーの特性、つまり他者の成功を支援し、全体の利益を優先する姿勢と一致しています。

グロースマインドセットとギバーの関連性

  • 協力的な文化: グロースマインドセットは、個人の能力が固定されていないという考えに基づいており、人々が互いに学び、成長するために協力する文化を促進します。これはギバーの特性である協力性やチームワークの促進と一致します。

  • 個人主義の排除: グロースマインドセットに基づく人事制度は、自己中心的または身勝手な行動を取る個人よりも、チームの成功と全体の成長を重視します。これはテイカーの特性である自己中心的な行動を排除することに寄与します。

  • 生産性の向上: 協力的で成長志向の文化は、全体としての生産性と効率を高めることが示されています。これは、ギバーが卓越したチームワークによって生産性を高めるという理念と合致しています。

マイクロソフトの事例

マイクロソフトはグロースマインドセットの考え方に基づいて個人業績の評価よりも、他者への貢献と他者からの貢献、まさにギブ・アンド・ギブンの評価を重視することで、個人として能力は高くとも身勝手な社員が評価されない仕組みを構築しグローバルで展開することで、組織文化の変革と高い価値発揮能力を手にいれました。

  • チームとしての成長: 個人のスキルや成果だけでなく、チーム全体の成長を重視する文化は、企業全体の生産性と効率を高めることができます。

  • 育成とサポート: 成長を促進するためには、育成、サポート、継続的な学習の機会の提供が重要です。

  • ポジティブな組織文化: 協力的で開かれた組織文化は、従業員の満足度を高め、組織全体の成功に貢献します。

まさにマイクロソフトの事例は、ギバーとテイカーの概念を実際のビジネス環境に応用する方法を示しており、ギバー主導の文化がいかに企業の成功に寄与するかを示す有力なものと言えます。

他の類似事例(ChatGPT4より)

  1. Google
    Googleは、従業員の自主性、創造性、協力性を重視する文化で知られています。Googleの「20%のルール」は従業員が自分のプロジェクトに20%の労働時間を費やせるというもので、これにより新しいアイデアが生まれ、イノベーションが促進されています。また、Googleは従業員間の協力とチームワークを奨励し、オープンで協力的な職場環境を提供しています。

  2. Netflix
    Netflixは、透明性、誠実性、自己責任を重視する文化を持っています。Netflixは、従業員に高い自律性を与え、個々の責任と成果に重点を置いています。この文化は、従業員が自分のアイデアや意見を自由に表現し、組織全体の成長に貢献する環境を作り出しています。

  3. Adobe
    Adobeでは従業員の創造性とイノベーションを促進するために「Kickbox」プログラムを導入しています。このプログラムは、従業員が自分のアイデアを試すためのリソースと支援を提供し、自由な発想と実験を奨励しています。

#ギバー
#テイカー
#DX
#デジタルトランスフォーメーション

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