知らない人

私は誰のことも知りません
知ったつもりで
そこにある若葉の名前を叫んでいました
誰のことも知らないうちに
湿度と
触れそうな
よわい光を頼りに
その名を呼んでいました
盲目なのでしょう
やさしいものを頼りに
姿を探していました
ある記号と
顔を見ればあなただ
けれどもあなたを探します
一瞬香ったなにかのようなあなたの背筋を
皮膚の下で何度も探します

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