素直

わたし達が素直に欲しがるものを、いつか愛せたらいいのに、いつかわたし達が、それに愛されたらいいのに、みんな同じことを願い、床の上で踊り続けては朝がきていた、そういう朝を、何度も繰り返しているのに、わたし達は素直になれなかった、そして別れ、軽蔑し、すがりついた、影を手で掴もうとした、答えを知るのは怖いから、握った手をひろげられなかった、固まったままの手でも良ければ、あなたを撫でたい、無造作に動かした方が綺麗なように、素直じゃないことも一つの自然で、気づかずに立ち去ってしまうほど自然で、たんぽぽの黄色が、わたしに微笑む、立派に開いた花弁が揺れ、なにかを問うように、微笑む

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?