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『グリム童話ATM』 「このカードは使用できません」 ATMは機械的な声でそう言い、キャッシュカ…
2月14日だというのに、家の前にはまだ節分の鬼がウロウロしている。 不審者なら警察に通報すれ…
イチョウが舞い散り 初雪が街を彩り始めた今日 私たちはこの学び舎を卒業します（卒業します）…
奇妙な死に方が流行っている。 隣の爺さんはやせ細り、白くなり、脚が１本に統一され、頭から…
玄関のドアを開けると、火星人が立っていた。 「スープ、作りすぎたんでどうぞ」 彼か彼女か…
めんどくせえ、また呼び出しやがった。 そう思いながら人骨でできた鍵で戸締りをした。 同じ…
仕事に疲れ、満員電車で帰っていた。 車内には俺と同じく、家路につく人たち。 すし詰めとはいかないまでも、混雑している。 そのとき財布を抜かれる感触がしたので、お尻を触って確認した。 あった。 よかった。 そう、胸をなで下ろしたときだった。 「キャー！ この人、痴漢です！」 隣の若い女が、俺の腕を掴んだ。 集まる視線。 最悪だ。 俺は何にもしていない。 冤罪だ。 冤罪だ！！ 「何もしてねえよ」 「触ったじゃないですか！」 「触ってない、冤罪だ！」 電車は駅に到着し
我が社が発明したダンボール、通称〝暖ボール〟は大々的に売り出された。 文字通り、段ボール…
会社の屋上に見知らぬ女がいた。 「太陽が隠れちゃったからね、また出るのを待ってるの」 独り…
（好き） （嫌い） （好き） （嫌い） 私はおまじないを信じてる。 （好き） （嫌い） （好…
バンコクのココナッツファームに見学に来ている。 農園にはココヤシが並び、ココナッツが大き…
久々に東京に来て、文京区本郷を歩いていると紙の束を拾った。 これは……、入試問題だ。 し…
ゴミ置場でカップラーメンの容器をいくつか拾って、逆さにして机に並べた。 ひとつひとつを丁…
僕は宇宙飛行士。 人類の願いを託され、単身、宇宙船に乗り込んだ。 何としてもウチュウジンに会って、地球へ連れて帰るぞ！ しばらく乗っていると、右手奥に惑星が見えてきた。 着陸してみよう。 フッシューーーーーッ 宇宙船から降り立つ。 太陽から離れているせいか、肌寒い。 しばらく岩場を歩いていると、奥に人影が見えた。 ウチュウジンかもしれない！ 話しかけてみよう。 「こんにちは。君はウチュウジンかな？」 『いえいえ。私は地底人だよ』 「は？」 『ふだんは地面の下で暮らし
