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クッキーから広がる選択肢。 ─ものづくり探訪vol.2 『ovgo B.A.K.E.R』

日々FabCafe Kyotoから発信される、ものづくりにまつわるあれやこれ。ついイベントやワークショップが目立ちますが、お店の名前に「cafe」と入っている通り、居心地の良さやおいしいドリンク、つい手が伸びてしまうフードメニュー……などなど、そんな「カフェ」としての側面にももちろん気を配っています。

実験的な物事が生まれる場としてどんなメニューがあるとお客様に喜んでもらえるのか、作られ方やその背景までもが見えるようなものを提供できたら……私たちが『ovgo B.A.K.E.R』のクッキーと出会ったのは、そう考えていた矢先の出来事でした。

クッキーから広がる食の選択肢。

クッキー専門店『ovgo B.A.K.E.R』の作るクッキーは、卵やバターなど動物性原材料を使用しない、いわゆる「ヴィーガン」仕様。身体や環境に気を配りたい人、アレルギーや宗教上の事情を持つ人など、あらゆる人にとって食の選択肢を広げたいという意志があるといいます。
FabCafe Kyotoにお立ち寄りいただいた『ovgo B.A.K.E.R』松井さんとの偶然の出会いにより、お店でも新たなフードメニューとして提供を開始することとなりました。なんといってもこのクッキー、ヴィーガンクッキーのイメージを払拭するほど味が立っているのが特徴。ヴィーガン仕様の食べ物はどこか薄味になる印象ですが、スパイスなどで調子をつけたクッキーは味がしっかりし、甘いものからお酒に合うしょっぱい系までたくさんのフレーバーを選ぶことができます。
このクッキーがどんなところで生まれて、どう販売されているのか気になったFabCafe Kyoto編集部。京都・二条にある店舗に足を運びました。

京都・二条を東西に横切る二条通に面した『ovgo B.A.K.E.R』の京都店。景観と調和しながら個性を放つ建物が目印です。ほかに東京、軽井沢、福岡にも店舗があります。

扉を開けると、物販コーナーや日持ちのする個包装のクッキーたちが私たちを出迎えます。京都らしい、うなぎの寝床状に奥へと続く店内を抜けると、おいしそうなクッキーがたくさん並んだショーケースが。焼きたてのクッキーたちの香りがふわっと店内に立ち込めます。

スコーンとクッキーの間の存在、スコッキー。サクサクでおいしい
セサミジンジャースナップなど、京都店舗オリジナルフレーバーも
伺った日は、ちょうどバレンタインシーズン。店内には次から次へとお客さんが立ち寄っていた
2Fのイートインスペース。この左側にも4人掛けテーブルが2つほどあり、くつろげる空間

2階はイートインスペースもあり、焼きたてのクッキーやドリンクがその場で楽しめます。階段そばの壁にはクッキーを楽しんだお客さんのコメントカードが一面に。『ovgo B.A.K.E.R』が地域に愛されたお店であることが伝わります。

立ち上げのメンバーが、主に環境課題の側面からヴィーガンに関心を示したのが『ovgo B.A.K.E.R』誕生のきっかけ。現在、畜産にまつわる環境負荷の課題にはさまざまな立場があり、ただ一つだけの答えがあるわけではありません。ヴィーガンを強要するわけではなく、あくまで「おいしく」選択肢を増やすためのクッキーは、誰しもが社会を見つめるきっかけとなる可能性を秘めています。ものづくりの選択肢を増やすことで誰しもの創造性に光を当てたい私たちFabCafe Kyotoとも、重なる部分がありそうです。

いきなり自分の生活を変えることにハードルを感じる人も、ティータイムの選択から行動を変えてみることならできるかもしれません。そもそもヴィーガンってどんなもの?という人も、ただただおいしいクッキーを味わいたい!という人も、ぜひ、『ovgo B.A.K.E.R』のクッキーを味わいにいらしてくださいね。


ある日のお店のラインナップ。
左から、ベイクドコーンオートミール/シュガーブラックペッパー/インポッシブルチョコレートチップ


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