【経理目線👀】決算早期化 小口現金 #001
決算業務にかかわるすべてのみなさん、こんにちは。i.s(公認会計士)です。前回記事への反応ありがとうございました!まだ少し緊張していますが、今回は小口現金の管理が決算早期化にどうつながるか、経理目線でご紹介します。
1. 小口管理の印象
小口現金の勘定、みなさんはどんな印象ですか?お立場によってそれぞれかと思います。中には思うより厄介だと感じる方、いらっしゃいませんか。実は私もです。今回はそんな方々に向けて書いていきます。どうぞよろしくお願いします。
余談ですが私は、期中にどうしても小口の残高が1円合わず、オフィスを這いずり回って探した経験があります…。
2. 小口現金が必要なとき
では実際、会社で小口現金が必要になるのは、どんな場面でしょう?
私が思い浮かべるのは、
・代引き
・郵便局関係(レターパック等)
・急な出張仮払い
・輸入消費税
です。
特に代引きは、突然やってくるイメージが強いです(もちろんこちらの問題です)。小口現金が足りず、配達の方に「す、すいません!夕方までには用意しておきます…」とお詫びしたこともございます。その節はご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ございません!
さらに言ってしまうと、経理の不在中に庶務の方にマイ財布で立替えて頂いたことも…。さすがにその状況で庶務の方に上場前の内部統制を語るほど、心臓強くなかったです。ただただ、お詫びするしかございません…。
3. 3者会談
このような状況も踏まえ、あらためて過去の小口管理表を眺めました。すると、規模から考えても明らかに大きな金額がチラホラ…なぜ、代引き(小口現金)で支払うことになったのか、申請者・購買調達・経理の3者で話し合いをセットしました。
経理以外のメンバーからすると、金庫からお金を払うだけの単純プロセスです。わざわざここまで話し合う必要があるのか、と感じたと思います。平たく言うと、「多めに現金もっておけばいいじゃない?」ですね。当然の反応です。
と、ここまで書いて唐突に思ったのですが、業種によっては代引きの頻度は少ないですかね?経理の最前線にいらっしゃる方、@fa_startupまでぜひご意見ください。
4. 多めに現金もっておけば?のジレンマ
先ほど、サラッと流しましたがコレです。「多めに現金もっておけばいいじゃない?」在庫過多、ならぬ小口過多ですね。
結論言ってしまうと、これはキリがなかったです。一度枠を外すと、雪だるま式に増えていく不安。私は心を鬼にして、小口現金の抑制を貫きましたが、地味にきつい。難しい会計論点でもなく、小口残高を引き上げれば、いったんは解決しちゃいますしね。
小口の現金で難しいこと言わないでよ、という他部署の視線が少し、いやかなり気になる。ただ、当時の上司がうまくサポートしてくれました、とても感謝しています。
5. では、どうします?
ここまで読んでくださった方、「では、どうします?」ですよね。
ここで一歩引いて考えたいのですが、経理業務は突き詰めるといかに先回りして上流工程に食い込めるか、がポイントではないでしょうか?
このケースでは、・afterのどこかで引っかかれば解決です。
・before
代引き業者から購入
・after
支払方法を後払いに変更
代替品を選定、確保
他サプライヤから同品を購入
とはいえ、いずれもダメなケースもあります。それでも経理がやることは変わらず、どうやって先回りして上流工程に食い込むか。
私が行ったのは代引き業者からの購入は許容しつつ、その代わり、システムの運用に以下の手を加えました。
・代引き業者のサプライヤマスタにはゼッタイ「代引き」フラグを入力。
なんじゃ、そりゃと思われた方、ごめんなさい!でも、このお願いはマスタの新規登録時に発生します。意外と難易度が高かったのです。わかってくださる方がいると嬉しいのですが…。
いずれにせよ、この地道な作業の徹底が経理の効率化や決算早期化の土台。いま振り返ってもそう感じます。
6. ここまでくれば、後は経理の腕のみせどころ
ここまでくれば、あとは経理ステージ。
例えば、
・購入申請データを定期的に抽出し、「代引き」業者の有無をチェック
・代引き業者のマスタが追加されたら、連絡が来るようなフローを構築
いずれ経理にあがってくる代引きデータを先回りして見る。これが徹底できれば、なんとかなる気がしませんか?
7. まとめると
つらつらと書きましたが、経理のやるべきことは結局、
・小口の管理表をじっくり眺める
・不自然に大きい金額を見つける
・取引内容を区分(代引、郵便局等)
・申請者、購買調達・経理で3者会談
・支払交渉、代替調達は購買に依頼
・それでもダメなら、マスタ運用を徹底
・マスタと購買申請で、小口を先回り
いかがでしょう?経理の地道ながらも重要な役割はもちろん、これなら、なんとなくできそうと思っていただけると嬉しいです!
8. 自分の成果
今回は代引きの問題に焦点を当てましたが、この一件を解消するだけでも、マスタレベルの話になりえます。小口管理という基本業務でも、突き詰めれば多くの関係者を巻き込む。この点は腹落ち頂けたのではないでしょうか。
まさにこういう取り組みが、主体的に他部署を巻き込んだ業務改善だと思います。
9. 立派な決算早期化
少し広い視野で見れば、小口現金の管理工数を削減すること、それこそ立派な決算早期化の1つだと私は考えます。
・小口の補充回数を減し、浮いた工数を他の経理工程に回す
・小口の取引数を削減し、残高照合の不一致リスクを抑制
決算早期化の近道はそう多くありません。細かい努力が積み重なり、プロセスがスムーズにつながってきたなと、ふと感じることがあります。みなさんも、なんとなくつながってきたなと感じた瞬間を経験されていませんか?
最後までお読み頂きありがとうございました!小口現金から決算早期化までつないだものの、最後は抽象的になってしまいました(笑)。noteで、はじめての長文。まだまだ勉強中です。上から目線にはならないよう、あくまで経理目線で気を付けたつもりです。気に障る表現があれば、ご指摘いただけるとありがたいです。
10. おまけ(Excel File)
お詫びと言ってはなんですが、小口管理の金種表ファイルをこそっと置いておきます(笑)何気ない業務の中にも、改善の機会は隠れているのかもしれません。少しでも参考にして頂ければ幸いです!
次回は普通預金でお会いしましょう!
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