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第4、5回 アップルパイと「幻の菓子」

先日「理花のおかしな実験室」5巻が発売となりましたので、補足記事を置いてみます。初の上下巻構成だったので大変だったのですが、大ボリュームで書けてすごく楽しかったです!

4巻5巻で作ったのは「アップルパイ」でした。

今回も理科という感じの記事ではないので、実験というタグは外しておきますね。アップルパイの失敗の原因については作中でじっくりやったので、ぜひそちらを読んでみてください!

今回は作中に出てきた「幻の菓子」についてちょっと補足をしてみようと思います!

※ネタバレがありますので、ぜひ5巻を読んでから読んでみてくださいね!



幻の菓子はトゥルティエールというお菓子です。
これは南フランスで作られる郷土菓子なのですが、作られる地域によって呼び名が違います。

そらのおばあちゃんのふるさとのモデルにしたのは南仏ドルドーニュ県にある、サルラ=ラ=カネダという小さな街です。この土地ではあのお菓子をトゥルティエールと呼ぶそうです。

以下、そらがフランスに降り立ったときのお話です。すごく取材旅行に行きたかったんですが(笑)、このご時世で海外に行けないのでこちらなどをたくさん読みました!

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「そら、ぼうっとしてたら迷子になるぞ!」
 じいちゃんの声にハッとしたおれは後ろを振り向いた。
 あっぶねえ、こんなとこで迷子になったらたいへんだ!
 そう思いつつも、おれの目はものめずらしさのせいで、すぐにキョロキョロと動いてしまう。
 だって、ここはフランスのパリにあるシャルル・ド・ゴール空港だ。窓からは、日本とはちがう景色が広がっている。
 まず目に飛び込んでくる飛行機が見たことのない機体ばかり。
 赤と青と白のラインが入った、いかにもフランスっぽい機体がずらりと並んでいる。
 滑走路の向こうに広がる空の色はなんとなく日本とはちがうような気がする。
 空の色なんて世界のどこでも一緒だろうから、ここがフランスだって思ってるから、そんな気がするだけなんだろうな。
「ここからさらに電車で移動だぞ」
 おれたちが向かうのは、ばあちゃんの故郷である、南仏の村。リンゴ畑が広がる田舎の小さな村だそうだ。小さいときに行ったことがあるらしいけど、ゼンゼン覚えてないんだよな。
 空港から六時間かかるって話。結構な距離だったけれど、ワクワクとした気持ちが抑えきれない。
「電車って、TGVだよな!」
 ちょっとだけ乗るのが楽しみだったやつだ。
 最高速度、時速320キロメートルっていうのは、世界で二番目で新幹線よりも速い。
 TGVが走り出すと景色もすごいスピードで過ぎ去っていく。さすが二位の鉄道だけど、景色がじっくり見えないと眠くなる……。
 少しだけウトウトとしたつもりだったけれど、ふと気がつくと外に広がる景色が完全に入れ替わっていた。
「あれ、畑?」
「あれはぶどうだな。この辺はワインの産地だから」
「ぶどう!? 森! 野原! ――って普通に牛がいる!」
 日本でも都会から離れるに従って家がまばらになるけれど、ここまでギャップはひどくない気がする。
 って、おれ、日本の隅々まで旅したこととかないけど、なんとなく北海道とかだったらこんな感じなんじゃないかなって思った。
 一度乗り換えをして、やがて目的地の駅についた。
 小さな駅舎から出て、またもやおれはびっくりだ。
 道は全部石畳が敷かれていて、両脇の建物は黄色っぽいレンガがびっしりと積み上げられてできている。三角の屋根は赤く、そして木でできた窓枠は赤や水色や緑とカラフルで、それこそ童話の中の世界だった。

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という感じのボツ原稿が出てきたのでペロッと貼っておきます。ちょっとフランスっぽい雰囲気が出るでしょうか(笑)

そして肝心の幻の菓子。こちらは実在するお菓子なので、実際に作ってみました。参考にしたのはフランス伝統菓子図鑑という本です。おいしそうなお菓子が沢山なので機会がありましたらぜひ読んでみてください!!

材料:プルーン80g、ラム酒大さじ2、バター70g、春巻の皮、グラニュー糖40g。

そして、りんご(ロイヤルガラ)1個。どうしてりんごの種類まで書くのかは本編をどうぞ!(笑)

1,プルーンを細かく刻み、ブランデーを振りかける
2,バターを電子レンジで溶かす
3,りんごの皮をむき、イチョウ型に切る
4,春巻の皮の片面にバターを塗って、バターを塗った面を上にパイ皿にひろげる
5,もう一枚春巻の皮の片面にバターを塗って、またバターを塗った面を上に、一枚目の春巻の皮の角が重ならないようにのせる
6,5の上に3のりんごを三分の一のせて、グラニュー糖を10gふりかけ、1の四分の一の量をのせる
7,5〜6を材料がなくなるまで繰り返す
8,最後に春巻きの皮で全体を包み込むようにして形を整える
9,180度に温めたオーブンで一時間ほど焼く

言葉で説明するとムズカシイですね…。

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できたものを食べましたが、食べたらお酒の味がしっかりして、お腹がカッとなりました(笑) こどもも食べましたが、酔っ払うことはなくとも、ちょっと苦手だったようです…(誰かみたいに 笑)

次回6巻補足の記事では理科のお話ができたらいいなと思ってます!(一応なんとか原稿は一通り書き終えたのです)

最後まで読んでくださってありがとうございました!


あ、それから、お手紙のお返事に上記のそら視点のエピソードみたいな、本編に入れられなかった1シーンのショートショートをおつけしようかなと考えています。

なぜかイラストとか練習すべき?と斜め方向におまけを考えていたんですが、本職を忘れてました…(苦笑) 担当さんにお聞きしたらOKとのことなので、素直に文章おつけします(笑)


最後に、こちらの記事で紹介した本です。



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