私が性犯罪を嫌悪する理由

 一口に性犯罪、と言っても、そこには痴漢から強制性交などと多様だ。私は性犯罪に区分される行為を断じて肯定しない。沸々と怒りが沸き立ち我を忘れてしまうのは、自分も被害者になりかけた(なった、と未だ認めたくない自分がいる)経験もあるだろう。しかし、なぜここまで私は怒り狂ってしまうのだろうか。内容にもよるが、殺人事件よりも性被害のほうが強く怒りを感じることが多々ある。
 冬眠するつもりなのか、やたら眠い今日の帰り道トテトテと歩きながら「なぜ私は性犯罪を全力で否定するのだろう」と考えていた。ふと、気づいたことをここで述べる。これはあくまでも法なんて知らない、教養もさほどない、ただただ考えることが好きな個人の考えである。しかし、これを読んだ方は、ぜひ「性犯罪とは」を問いとして受け取ってほしい。


性犯罪に関しての私の考え

 日本は、性犯罪に対しての罰が易しすぎる。なんてことはSNSで一度は目にしたことがあるのではないだろうか。私も、性犯罪に対する罰を今よりも重くすべきだと考えている過激派の1人だ。ちなみに、私は加害者(性別問わず)には性欲退行の処置を施せればいいのに、と考えている。アメリカの、性犯罪者の情報を公開するシステムを採用しない理由を問いたいくらいだ。

性犯罪は悪意による行為である

 さて、性犯罪についてのネットで得た馬鹿のような知識はここまでにして、ここからは本題に入ろう。

 性犯罪において他の犯罪と明確に異なるのが、悪意の有無だと私は考えた。
 他の犯罪にも悪意はある。しかし、なかには自身の快楽のための悪意ではなく、報復のような殺意・害意もあるだろう。他者を害することそのものは肯定すべきではない。そうしないと、今までの歴史を繰り返すだけだ。
 性犯罪を細かく分けてみよう。

暴力的性犯罪
強制性交等罪(強姦)
強制わいせつ罪
強盗・強制性交等罪
わいせつ目的の略取・誘拐
女性器切除
その他の性犯罪(刑法犯)
公然わいせつ
わいせつ画像等の販売や公開
色情狙いの窃盗(下着泥棒など)
その他の性犯罪(特別法、条例違反)
盗撮(迷惑防止条例、軽犯罪法、住居侵入罪)
痴漢(迷惑防止条例、強制わいせつ罪)
セクハラ(男女雇用機会均等法、迷惑防止条例、強制わいせつ罪)
児童買春・児童ポルノ製造等(児童福祉法、児童ポルノ禁止法)
のぞき・つきまとい(ストーカー規制法、軽犯罪法、迷惑防止条例)
リベンジポルノ(リベンジポルノ防止法、わいせつ物頒布等の罪、名誉毀損罪)
性犯罪には該当しないが法に抵触する行為
淫行(青少年保護育成条例、いわゆる淫行条例)
児童ポルノ単純所持

ウィキペディア「性犯罪」より

 上記は、ウィキペディアに記載されている分類である。これらの行為は、いずれも被害者に対して「やってやろう」と行動する意思が無いとできない。
 「犯罪なんて加害者の行動によるものだろう」なんて言われるかもしれない。
 そう、加害者が自ら行動しているのだ。この部分に触れている人を私は見たことが無い。セクハラも、痴漢も、窃盗も、わいせつも、強制性交も、いずれも加害者自身が「やりたくて」やっていることではないのだろうか。
 昨今の犯罪で受け子が闇バイトとして取り上げられているらしい。この受け子、確かに犯罪行為であり、受け子も加害者である。しかし、「受け子をやりたくてやった」人よりも「報酬と引き換えにやった」という人が多いだろう。
 性犯罪はどうだろうか。上司に逆らえなくてセクハラをした。痴漢をしろと脅された。報酬のために窃盗をした。弱みを握られてわいせつ行為に及んだ(これはあり得るかもしれない)。やりたくなかったけれど、仕方無く無理やり性交をした。聞いたことが無い。もしそんな話を聞いたことがある人がいるのなら、ぜひ話を聞かせてほしい。
 これらを踏まえて、もう一度性犯罪を考えてみると、ほとんどは加害者の自発的な行動が犯罪を起こしていることは明白だ。

憎むべきは犯罪行為ではなく悪意

 では、すべてを一律で罰を重くすべきなのか。答えは否である。動画をばらまくという被害が話題に上がった時期があったように、他者を害そうとする悪意は、人に犯罪行為を行わせる。加害者には悪意があったのか、それとも加害者も被害者の1人なのか。それは、弁護士や検察官が調査すべきことなのではないかと、素人ながらに思う。

 私の場合、被害に遭いそうだったのが性犯罪に分類される内容だったため性犯罪に対して苛烈になってしまうが、真に憎むべきは悪意、自身の快楽のために他者に害がおよぶことを良しとする思考である。

 何をもって悪意と判断すれば良いのかわからない人は、表情を見てほしい。他者を害する行為をしている加害者サイドの表情は、「私だって本当はやりたくないのに」と苦悶の表情なのか、それともどこから見ても「楽しそう」にしか見えないのか。
 前者の場合、加害者は被害者でもある可能性がある。
 一方、後者の場合は悪意である。
 痴漢は無表情かもしれないが、無表情も悪意と判断して良いだろう。日本で生まれ育てば、多くの人は犯罪行為だと自覚して犯すとき、強い緊張を感じるはずだ。それは「いけないこと」なのだから。しかし、慣れてしまうと犯罪行為は日常行為なのだ。無表情で「いつものこと」として、食事や排泄のように行うだろう。

小さな問いだけれども

 noteの片隅で書き連ねた内容だが、これを読んだあなたはどう思っただろうか。
 性犯罪に対する認識、犯罪行為への処罰、加害者の悪意。「自分は犯罪とは無縁だ」と思っている人こそ、ぜひ今一度犯罪について考えてみてほしい。

 蛇足ではあるけれど、私は他害衝動がある、と自分では思っている。今は自傷行為でおさめているけれど、いつか他者を傷つけるのではないかとおそれている。だからこそ、考えられるうちに今回のようなことを延々と考え続ける。

 これを読んだ感想を、ぜひたくさんの方からいただけると嬉しい。わがままだとは思いつつ、私の意見への肯定ではなく、あなた自身の言葉で感想を聞きたい。あなたの意見を知りたい。感想を書くのは面倒だろうし、見ず知らずの奴にコメントなんて残したくないだろう。それでもいい。ただ、考えることだけはやめないでください。


 最後まで読んでくださったあなたへ。
 目が覚めて、「今日は良い日になりそうだ」という直感が、真実のものとしてあなたに訪れますように。

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