見出し画像

様々なスポーツの健康指標への効果

今年に入り、レクリエーショナルスポーツの健康効果をスポーツ別に分析した系統的レビュー・メタ分析が発表されました。
今回はその論文をサクッとみていきます。

まず、この論文では以下の条件を満たす一次研究を対象としています。
1.障がいのない健康的な成人を対象としている
2.縦断研究または介入研究である
3.スポーツ参加群と非参加群の比較をしている
4.身体的な健康指標を評価している
なお、トップアスリートを対象とした研究は除外されています。

その結果、76の研究(論文数:136)、260万人分のデータが分析されました。
主な知見は以下の通りです。
🚴 自転車運動
冠状動脈疾患リスクを16%、全死亡リスクを21%、がん死亡リスクを10%、心血管死亡リスクを20%低下させる。

🏃‍♀️ ランニング
全死亡リスクを23%、がん死亡リスクを20%、心血管死亡リスクを27%低下させ、体組成、安静時血管機能、心肺体力を改善する。

🏊‍♀️ 水泳
全死亡リスクを24%低下させ、体組成と血中脂質を改善する。

⚽ フットボール(サッカー)
体組成、血中脂質、空腹時血糖、血圧、安静時血管機能、心肺体力、骨密度に好影響を及ぼす。

🤾‍♀️ ハンドボール
体組成と心肺体力を改善する。

要するに、全身持久力系のスポーツは死亡リスクの低下や持久力の向上に有効な傾向があり、球技系のスポーツは身体組成の改善も期待できるということです。
なお、ここに記されていないスポーツは効果がないのではなく、その時点での研究数が少なく、詳細な分析がされていないに過ぎません。

個人的には、何もやらないよりは、どんなスポーツでもレクリエーショナル的にやれば効果が見込めるのだから、自分がやりたいスポーツを楽しむことが健康への近道だと考えます。

出典
Oja, P., Memon, A. R., Titze, S., Jurakic, D., Chen, S. T., Shrestha, N., Em, S., Matolic, T., Vasankari, T., Heinonen, A., Grgic, J., Koski, P., Kokko, S., Kelly, P., Foster, C., Podnar, H., & Pedisic, Z. (2024). Health Benefits of Different Sports: a Systematic Review and Meta-Analysis of Longitudinal and Intervention Studies Including 2.6 Million Adult Participants. Sports medicine - open, 10(1), 46. https://doi.org/10.1186/s40798-024-00692-x



執筆家としての活動費に使わせていただきます。