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TREK Emonda SL5

「怖!」

さすがに高性能車、軽くてとにかく速い。
30万円を超えるのだから当たり前といえば当たり前。
踏み込むペダルは軽々と回る。一体何キロ出ているのだろう。
サイクルコンピュータが付いていないので分からない。
なにしろ試乗車だから…。

仲間ができ、サイクリングを楽しむようになると、だんだんとクロスバイクでは物足りなくなってくる。30〜40km程度だった距離も、70〜80kmが当たり前になり、クロスのハンドルではロングライドが少々キツくなってくる。
そしてロードバイクに乗った仲間がいると、羨望の眼差しを向ける。
そして呟く。「いいなぁ〜。」

スポーツバイクを買おうと決めた時から何度かロードバイクには試乗した。当時はサドルの高さとハンドルの遠さに「こんな姿勢で走るんだ」と驚いたものだ。
しかしまだ本当に買うかどうか決めかねていた時期でもあり、それ以上の印象はなかった。当然、良し悪しなど分かるはずもない。

クロスバイクでサイクリングに夢中になってくると、最終的にはロードバイクに行き着く。このパターンが本当に多いと聞くが、見事にハマった。

で、先程の試乗。
ネットで見つけた「SCOTT(スコット)」の「Addict30(アディクト30 )」
カーボンフレームの軽量モデル。これがとにかくカッコいい!
いわゆる一目惚れというやつだ。

とあるバイクショップに試乗車があると聞き、休みの日に試乗させてもらった。それが先の感想だった。

何が怖かったかというと、速さではなく「腰高感」。軽量モデルだからか、私のようなロードバイク初心者にはバランスを保つのが難しかったんだろう。
フラフラするのだ。やはりそれなりに乗り込んだ者でないと、扱えないシロモノだったんだと思う。

少し残念な気持ちで試乗を終え、折角なのでもう一台、試乗させてもらった。
「TREK(トレック)」の「MADONE5.2(マドン5.2)」
トレックは好きなバイクメーカーではあったが新型のマドンはエアロフレームとなり、形が変わってしまった。私にはちょっと不恰好に見え残念に思っていた。
しかし5シリーズのこのバイクはワンランク上のカーボン素材を使っており、またトレックも技術力に秀でたメーカーとして定評がある。
形はともかく、性能は間違いないバイクだ。とりあえず乗ってみようと、公道に出た。

「全然違う!」

まだ10mも走ってない。跨ってクランクを2、3回、回しただけ。それでも分かるこの違い。

一言で言うと「安定感」がまるで違うのだ。
同じロードバイクなのにこんなにも違うのかと、まさしく衝撃を受けた。

アディクトのようなヒラりヒラりと舞うような走りではない。強いダウンフォースを得たフォーミュラカーのような、「地を這う走り」そんな表現に近い。
もしかしたら軽さはアディクトの方に分があったのかもしれない。
しかしそれ以上の魅力がマドンにはあった。そしてそのDNAはトレックに共通のものだという確信があった。

私はトレックに決めた。そして高くはなるが、5シリーズにしようと決めた。
しかしどうしてもマドンの形が気になる…。

悩んでいると、しばらくしてトレックの新型モデルの情報が飛び込んできた。
ヒルクライム性能を売りにした軽量モデル。しかも5シリーズのカーボンフレームを使っている。デザインも悪くない。
そしてなんといっても30万円を切った金額で出してきた。

私の気持ちは決まった。
それが写真のバイク

TREK Emonda SL5

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