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0063:スペシャリストとゼネラリスト

 私が役所に入った時、新採研修で人事課が「我々はスペシャリストよりもゼネラリストを育てたいので、基本的に3年で違う部局に異動させることにしている」といっていた。その方針は今も踏襲されている。

 私の場合、三十年弱の間に異動が10回あった。同じ課に呼び戻されたことが2回あるので、経験所属としては9箇所ということになる。うちの役所の外で修行させてもらったことも2回。これらの経験は確かに大きい。特定の分野のスペシャリストではないけれど、ゼネラリストとしてどこに行っても実務に戸惑わずに済むだけの資質は身につけた。役所に限らず、大きな組織で働くことのメリットのひとつだろう。

 周囲を見回すと、異動にもいろいろなパターンがある。「○階人事」といって、管理部門の集まる○階の範囲で異動するのはエリートコース。経験と資質を特に認められてひとつの課で長年過ごす人もいる、その分野の国家資格を取ればそうなりやすい。これらは冒頭の「原則」を離れたスペシャリスト育成人事だろう。つまるところ、ゼネラリストとスペシャリストの両方が,組織には必要なのだ。

 振り返れば、ゼネラリストとして色々な経験を積ませて貰ったことを、私は大変に有り難いと感じる。この経験で身につけたものは、退職後に自分の才覚で生計を立てる上で武器になる。ワープロやエクセルの使い方といった基本的なことに始まり、人前でのプレゼンや講義、庁内外との折衝による合意形成、マスコミを用いた広報、ホームページ作成運用、社会保険や税務、そして法令運用。特に法令は、業務に関するもののみとはいえ必要な知識を身につけ、目の前にある現実にそれをどう適用するか、という事を常に実務で考えさせられた。司法書士試験受験にもそうだし、合格後の業務にも、この経験は生きる。

■本日摂取したオタク成分
『エール』本日分、明日の最終回は丸々コンサートと聞いていたが、物語は今回で終わりか。うん、面白かったよ、いい作品だった。『魔女の旅々』第2~3話、第1話を放送時に観て以来観てなかったので話忘れた。キノの路線なのだね。『新世紀エヴァンゲリオン』第9~10話、回によって絵柄が違うのはガイナックスのお家芸。

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