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0690:霊感商法規制の議論は注目したい

統一教会問題については、これまでに7回記事にした。いちいちリンクを貼るのは面倒なので、マガジン「公務員アレコレ話」のリンクを貼っておく。

元公務員の視点から考えるのがこのアカウントの趣旨で、ここまでほぼ名称変更問題に限定して話をしてきた。しかし報道は「統一教会と自民党」の問題に集中してきて、名称変更問題についてはある程度ネタが尽きたのだろう、最近新たな報道が聞こえなくなった。

しかしその一方で、新内閣の河野太郎消費者担当大臣が消費者庁に霊感商法問題の検討を指示した。これは、特商法担当を含め消費者行政を過去に6年間経験し、今は消費生活センターを舞台にした公務員小説「やくみん! お役所民族誌」を書いている私には、ツボを突く展開だ(壺だけに……ぷふっ)。

1980年代から霊感商法は全国の消費生活センターに相談が寄せられていた。センターで解決することは困難な事案ではあっても、苦情相談の蓄積が法改正に結びつく。消費者契約法には平成30年に霊感商法の取消条項が盛り込まれた。

第二章 消費者契約
第一節 消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し
(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)

第四条
3 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
六 当該消費者に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げること。

消費者庁資料「消費者契約法の一部を改正する法律(平成30年法律第54号) 各改正事項の概要」

消費者庁資料「消費者契約法の一部を改正する法律に関する一問一答」
問19 霊感等による知見を用いた告知により締結された消費者契約の取消しを認めるのはなぜですか。どのような事例が救済されますか。

そういえば、安倍元総理暗殺事件を巡って「安倍総理が内閣提出法案によって消費者契約法に霊感商法規制を取り入れた、だから安倍氏は統一教会の天敵なんだ」という言説が一瞬だけ世間に流れた。しかし当時を知っているが、元の提出法案ではなく国会審議過程で野党の働きかけを与党も受け入れて霊感商法が盛り込まれ、ついに霊感商法が法規制されたかと驚いたものだ。(つまり「安倍氏の功績」ではなく上記言説は瞬時に消えた)

消費者庁資料「消費者契約法の一部を改正する法律に関する一問一答」
問1 今回の改正の経緯はどのようなものですか。

この改正はあくまで消費者契約法、つまり民事ルールであって、行政規制ではない。今回の河野氏の指示により行政規制への道が議論されるのであれば、その過程は私にとって最大の注目点ということになる。

--------以下noteの平常日記要素

■本日のやくみん進捗
第1話第22回、2,850字から進まず。

■本日の司法書士試験勉強ラーニングログ
【累積286h36m/合格目安3,000時間まであと2,714時間】
実績59分、動画1本のみ。

■本日摂取したオタク成分
『GREAT PRETENDER』第14~15話、CASE3最終話は美しく終わり、CASE4初回は人身売買という剣呑なネタに突入。『異世界おじさん』第5話、2週間間を置いての再開。回としては最上級より一歩引くな。『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第5話、剣呑というならこの作品は全篇剣呑だあ。『プリマドール』第2話、萌えシリアス、作品の成否はシリアス面をしっかり構築できるかどうかにかかってる。

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