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0051:電子決裁

 急速に印鑑廃止の流れが官公庁に押し寄せている。まあね、実印や銀行印の取引上の要請と、あとは落款などの様式美を除いて、認め印の類は本人確認手段として信頼に足るものではなく、宗教儀礼のような感じになっているとは思ってた。長い慣習を変えるには強引な「流れ」を作るしかないとも。

 我が役所でも印鑑廃止の検討が進みつつある。それと並行してあらためて推進しようとしているのが電子決裁だ。えっ、「まだ電子決裁やってないの?」だって? システムはあるんだよ。これまであまり使われてないだけで。

 私が公務員になった頃は、まだワープロ専用機の全盛期で、起案用紙は先輩の作った雛形を使い回していた。PC一人一台体制が当たり前になった後も、様式が一太郎やワードに変わっただけだった。大きく進展したのは平成15年前後(記憶曖昧)、公文書の起案・決裁のシステムが導入された。情報公開用のデータベースを兼ねていたので、軽微なものを除いてシステムを使った起案が当たり前になった。問題は電子決裁機能だ。文書管理所管課は電子決裁を推進しようとしていたし、私自身はできるだけ電子決裁で回すようにしていたのだけれど、決裁ラインの途中で滞ることが多発したのと、結局は紙ファイルで綴じるので一式を印刷する必要があり、途中で諦めた。

 十年くらい前に財務執行システムが導入されて、執行伺の一部に強制的に電子決裁が導入された。出納のシステムと紐付けられているので、これを使わなければどうしようもない状態だ。システムのUIには一定の癖があり慣れるまで多少の時間は要したけれど、「強制」によって誰もが当たり前に使うようになった。これはうちの役所での電子決裁の成功体験といえる。しかし財務執行以外の起案については相変わらずの状態が続いていた。そして現在に至る。

 先週、これまで紙決裁に回していたルーティン起案を、初めて電子決裁で回してみた。決裁ラインがうまく回るかどうか、週明けをドキドキ待っている。なお、紙文書一式をプリントアウトしている状況は変わらない。紙を回覧して、それを見たら電子決裁の処理をして、押印の代わりにチェックをして、次へ回している。実は財務電算も所属内では同じだ(出納機関とは電子的に連携している)。結局、電子と物理の全体が「運用システム」なわけだ。

 つまるところ、電子決裁といっても手間は紙決裁と変わらない、むしろ増えている。なんだかなあ。紙ファイルで保存する文化自体を見直さないと。

■本日摂取したオタク成分
『異種族レビュアーズ』第8~最終話、結局最後まで観てしまった。モチーフへの抵抗感がなければ、作りはきちんとエンタメしてるので愉しめる。観る人を選ぶ、てヤツだな。『おいしい給食』第2~3話、本放送時に第1話だけ観て随分経ったな。これも(モチーフは健全として)くだらなおもろい系。観なくても後悔はしない、観てる間は愉しめる。映画版はコロナ下の3月に公開されてるのか。テレビ放映を待つ。

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