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0036:行政組織は人間集団

 行政組織の中に身を置いていると、公務員も人間、という当たり前のことがよく分かる。働き蟻の法則じゃないけれど、どのような集団も一定規模になるといろんな性格特性の人が含まれる。人事異動を経て一年間は基本的に同じ構成員で運営されるけれど、いいメンバーが集まれば組織はうまく回るし、ヤバイ人がひとりいるだけで組織減退がひっかき回されることもある。管理職が部下の綱引きをするのも当然といえば当然だ。それでも人事はパズル、結果を「所与の条件」として、その中で業務を回していかなくてはならない。

 以前いた所属で非常に問題の多い人がいた。予想外のところで激高するタイプ(いわゆる「コンビニ弁当のソースの袋=どこからでもキレる」)なので管理職も毅然とした対応を取れず、職員はみんな萎縮してその人を腫れ物扱いし、他の人が仕事を肩代わりせざるを得ず、組織が相当にぎくしゃくしていた。私が転出した後もその状況が続いていると仄聞している。

 また別の所属では、おそらく隠れ発達障害と思われる同僚がいた。コミュニケーションが得手ではなく仕事も溜めてしまうタイプで、他の職員から厳しく言われることが多くて可哀想だった。近年障害者雇用が進んで障害理解研修も職員全員が受けるようになったが、見た目に分かりやすい障害に比べて発達障害の理解はまさに「理解すること」が鍵になる。

 とかく人間は難しいなあ。

■本日摂取したオタク成分
『捜査会議はリビングで』第7話、あっちの話とこっちの話が結びつく。本格ミステリというより御都合主義なんだけど、御都合主義でもいいや、と思わせる作りがうまい。

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