見出し画像

0313:司法書士の実務と詐欺事案

 司法書士試験勉強は、昨日から記述式の入門編に突入した。不動産登記法の学習の中でも雛形は出てきた訳だが、記述式の学習は「現在の登記の内容」+「新たに起きた物権・債権の変動と関連状況」から、具体的にどのような申請をするかを組み立てる流れで、俄然実務の薫りが濃厚になってきた。これが司法書士試験の肝、この実務をこなすための基礎体力として民法を始めとする法律知識が必要になるのだということが、よく分かる。択一式で足切りするのはそれが足腰だから。その足腰の上に登記実務の記述式試験で合否を定めるのは、当然の流れなんだなあと、あらためて理解したよ。

 関連して。雑誌『月刊住職』は文字どおりお寺の業界誌なのだけれど、生々しいトラブルなども掲載されるディープな業界紙として、ツイッタラーにウォッチされている。あまり知られていないが、離檀料や葬儀費用などを巡るトラブルは消費者問題としてそちらの関係者からも注目されている分野だ。なので消費生活センターを舞台にした小説『やくみん! お役所民族誌』のネタ探しにも役に立つ。

 その『月刊住職』2021年8月号を眺めていて、900年の歴史を持つ大阪の正圓寺を巡る不動産トラブルの詳細記事が目をひいた。記事見出しは「社会福祉事業の失敗で寺院も住職も陥った憂慮すべき険悪事件の訳」、老人ホームを作ろうと計画していた宗教法人が、悪意ある人物たちにつけ込まれ、何重もの訴訟に直面しているというのだ。

 記事の伝えるところを要約すると、資金難に陥った住職に救いの手を差し伸べてきた不動産ブローカーらに唆され、「お寺を守るために」一時的に登記名義を書き換えようと相手方からいわれるまま書類に署名捺印した。その結果、大阪市の4000坪の土地も宗教法人代表役員も全て他人名義に登記が書き換えられ、一部は既に第三者に売り払われた、という話だ。業界誌であるだけにお寺側の言い分を中心に構成されているから、話の細部や全体構造は額面どおりに受けとめて良いものかどうかは分からない。事実は訴訟を通じて明らかになると考えるべきだろう。

 登記絡みということで、この件に司法書士は関わっていたのかどうかが気になる。その辺りは記事から窺うことはできなかった。もし関わっていたらとしたら、事実確認の職責をきちんと果たしたのだろうか。少なくとも不動産売却や代表役員交代を巡っては役員会の決議を要する筈だが、記事によれば正規の手続を経ていなかったという。しかし法務局の形式的審査を通過して登記されたのだから、添付情報は整備されていたことになる。義務者である代表役員住職が荷担していたのであれば、司法書士が関与していても不正に気付くことは難しかったのかもしれない。

 司法書士法の学習までまだ到達していないので、その職責の範囲は私にはまだ分からない。ただ、これだけ巨額の事件であれば、もし司法書士の関与があった場合、相応の責任が問われるのだろうなあ。

 登記の背後には巨額の金が絡む。司法書士という職が担う責任の重さを想像し、背筋の凍る思いのした記事だった。

--------(以下noteの平常日記要素)

■【累積37h31m】本日の司法書士試験勉強ラーニングログ
実績124分。動画4本を2回に分けて視聴。記述式は択一式講義を思い出しながら聴くばかりなので、ほぼ動画分数÷2(倍速なので)になる。

■本日摂取したオタク成分(オタキングログ)
『アサシンズプライド』第11話、ながら観だったけど世界が広がる感じ? 『月が導く異世界道中』第4話、原作は少し古いらしいけど(息子情報)、転スラみたいな印象はある。『精霊幻想記』第3話、嫌なキャラが出てくると嫌。『東京リベンジャーズ』第17話、謎が転がるねえ。『ドラゴン、家を買う』第2~3話、ひたすらユルい感じが好き。『かげきしょうじょ!!』第2~4話、おおおっ、1話で想像していなかったディープというかリアルな人間ドラマで面白いぞ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?