統一教会名称変更問題については、これまでに三回、元公務員として公務組織の中の動きに注目して記事を書いてきた。
https://note.com/f_san/n/n6e5f8b98ca3f
https://note.com/f_san/n/nb8736c436911
メディアがこの問題を追ってきているが、今ひとつ的を射損ねている感が拭えない。
例えば、文化庁に開示請求をした決裁文書のうち「規則変更理由」が黒塗りになっていることを各メディアが問題視している。
しかし、そこは拘るところじゃない。理由はふたつある。
第一に、黒塗りは一行余白として二行ほどに過ぎず、「国際機関の変更に準じるため」とか更にメタレベルで「役員会の議決による」とか、大したことは書いて無い筈だ。仮に内心の動機が悪名の払拭であったとしても、行政に申請する文書にそんなことは書かない。報道で出てくるのは申請書そのものではなく文化庁のとりまとめた書類だが、そこには申請書から淡々と転記されている筈だ。
第二に、情報公開法5条2号イにより「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」は非開示情報に指定されている。併せてロも参照してほしい。
規則の変更理由が直ちに「当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある」ものといえるかどうか(文化庁はこれを理由に挙げている)は疑問もあるが、上記記事によれば全ての法人についてここは非開示として運用しているようだ。前述のとおりここには大したことは書かれていない。ここに拘って不服審査請求をして仮に後日開示されても、おそらく大山鳴動鼠一匹の結果に終わる。
もうひとつ、本日のミヤネ屋で紀藤弁護士の発言内容について。これはそのものを確認しておらずTwitterでの引用の誤りの可能性があるが、「通常は現地に行くなどして3年くらいかかる認証が、今回のは現地に行かずに短期間で認証が下りたのは異質だ」という趣旨の発言をされたという話を読んだ。紀藤弁護士の発言内容を正確に引用しているかどうかは留保するとして、この内容自体は、誤りだ。今回はあくまで規則の変更認証申請、法律上の形式要件を満たしていれば行政は機械的に認証する筈のものだ。現地視察なんてかけらも必要ない。
以上の二点は、どうもメディアが攻めどころを間違っているようで、隔靴掻痒の感がある。行政法の専門家であったり行政経験のある人に監修させれば、もっと的確な打ち出しができる筈なのに、勿体ない。
私なら、以下の点を攻める。
①1997年から2015年までの間の、統一教会の名称変更に関する事前相談と行政指導の一切の記録の開示請求
正式な起案決裁文書は最終的な上澄みに過ぎない。ポイントは決裁以前の調整段階の記録だ。法人台帳には必ず綴られている。開示請求に対して全て黒塗りだろう。まずはそれでいい。存在を量的に確認すること、そして、今の文化庁担当ラインが過去の履歴を全て目を通し真実を理解することに、きっと価値がある。
②情報公開法7条に基づく「公益上の理由による裁量的開示」の求め
これは正規の申請手続があるわけではないが、メディアはまさに「公益上の理由」として開示を求めているわけだ。議論の中で、法人情報ではあっても開示をすることの「公益上の理由」の有無を議論することは、最終的な判断権は文化庁側にあるとしても、大事なことと思う。公益性がなければどうしようもないわけで。
③情報公開法13条に基づく統一教会への意見照会結果の開示請求
これも全面黒塗りと予想されるが、少なくとも意見照会をした事実は明らかになる。そこからまた攻め口のヒントが見つかるかもしれない。
--------以下noteの平常日記要素)
■本日のやくみん進捗
第1話第22回、963字から進まず。
■本日の司法書士試験勉強ラーニングログ
【累積268h27m/合格目安3,000時間まであと2,732時間】
ノー勉強デー。
■本日摂取したオタク成分
『宝島』第1~2話、私が13歳の時のアニメ。当時は大抵のアニメは押さえていたように思うのだが(作品数が圧倒的に少なかったからね)、これは見た記憶がない。存在だけは昔から知っている作品、AT-Xの一挙放送を機会に観始める。ふむふむ、出﨑統テイスト全開。今のアニメに慣れた感覚だと展開が遅いとかんじるのだろうな。