幸福学
以前参加した慶應大学の前野先生の幸福学についての講話を簡単に共有したい思います。(新年スタートしたばかりで縁起良い漢字が並んでいるので。)
さて、幸福には長続きしない幸せ「地位財」と、長続きする「非地位財」による幸せの2種類があるそうです。
「地位財」とは、金、モノ、地位など、他人と比べられる財、それに対する「非地位財」は環境に恵まれている幸せ、健康である幸せなどのほかに、「心の要因による幸せ」として4つの因子があります。
1つ目が、やってみよう因子
夢や目標ややりがいをもち、それらを実現しようと成長していくこと。
2つ目が、ありがとう因子
人を喜ばせること、愛情に満ちた関係、親切な行為など。
3つ目が、なんとかなる因子
自己肯定感が高く、いつも楽しく笑顔でいられること。
4つ目に、ありのまま因子
他人と比較せずに自分らしくやっていける人。
これらの要素を満たすように設計した企業の組織では、
社員が幸せになる
↓
生産性が上がる
↓
離職率がさがる
という研究結果が出ており、組織の拡大に貢献しているそうです。また、まちづくりでも、同様の考え方を取り入れることで成果が出ているまちもあるそうです。
このような考え方が広まっていき、様々なコミュニティーの幸福度が上がり、活性化されていくことが望まれます。
上記の4因子はコミュニティのデザインだけではなく、製品やサービスの設計にも適用できるということをおっしゃっておりました。
確かに、
・何かをやってみたいと思える
・他人に喜ばれる
・使用すると楽しい
・自分のペースで使用できる
という要素が含まれている製品やサービスを使用しているシーンを想像するとワクワクした気持ちになります。
製品の利用者に対してより良い体験を提供するための思想や活動は年々増えてきていますが、ユーザーの幸福感も意識してつくっていけるとより良いですね。
前野先生の著書「幸せのメカニズム 実践・幸福学入門」の中で、以下の記載があります。
製品やサービスの開発の際に、マーケットイン、ユーザーエクスペリエンス、ニーズ重視設計、人間中心設計など、顧客の声を聞いて設計・開発をしようという考え方が現代の大きな流れとなっています。(途中省略) 真の人間中心設計は、それぞれの人間の多様な幸福に対して草の根的に直接響くものでなければならない。
そこまで踏み込んだ製品を増やしていくことは、社会に対して影響を与えることのできる意義のあることだと感じています。
製品単体では実現が難しい部分もあると思うので、2019年は製品を取り巻くものも含めて設計していける仕事をしたいと考えています。
皆様にとって幸多き年になりますように。