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ポケモンWCS2022「ポケモンユナイト部門」観戦ガイド後編-出場チーム紹介-

この記事をご覧頂きありがとうございます。eスポーツキャスターとしてゲームイベントの実況やMCを行っている水上侑と申します。ロンドンへ行く荷造りからの逃避としてこの記事を書いています。

さて、来週の8/18-8/21にかけて、数年ぶりとなる「ポケットモンスター」ゲームの世界大会「ポケモンWCS2022」が開催となります。
部門としては「ゲーム(ソード・シールド)」「ポケモンカード」「ポケモンユナイト」「ポッ拳」「ポケモンGO」の5つで、対人要素のあるポケモンゲーム大集合と言った感じ。
そして「折角のWCSだしポケモンユナイト、知らないけど見てみるか~」という方に向けて、昨日こんなものを書きました。

基本的なルールや戦略についてのお話をしていますので、もし観戦予定だけどユナイト1ミリも知らないという方は是非ご覧ください。

そして今日こちらの記事では、各国の長かった予選、そして代表決定戦を勝ち抜いてきた出場チーム計16チームの選手達と、代表決定戦で使っていた構成などの紹介をしてみたいと思います。
ポケモンユナイトの競技シーンを追いかけてきた人でも海外の大会やチームの事を良く知らない方は多いと思いますし、改めて世界で戦うチームを名前だけでも知っておけたら、よりWCSを楽しく観戦が出来るんじゃないかなと思います。
僕自身先週から海外の代表決定戦を見始めています。言語が解らない中地域によってはBGMが存在しない配信を見続けるのは中々アツイ気持ちが求められ、これまでにないプロ意識の試され方をしていると感じる部分はあるのですが、ひとまずは全て見終わりました。
まだまだ把握しきれてない部分はありますが、現時点で思う範囲で書かせて頂きます。

こういうテイストの記事を書く際毎回記していますが、趣旨としては環境予想とかではなく、これまでの大会でこういう戦い方をしていましたよ、というまとめの記事となります。
16チームとかなり多くなるので、無理して全部読まずとも興味あるチームや、グループステージの画像をすぐ下に置いておくので日本代表と対戦するチームだけ見る、って読み方もオススメ。よろしくお願い致します。

日本はグループAとB。頑張れ日本

枠の話

先に参加する地域とそれに付随する枠数についてご紹介しておきます。
日本:2
韓国:2
北米:2
ヨーロッパ:2
アジア・太平洋諸島(APAC):2
メキシコ:1
オセアニア:1
インド:1
中米:1
南米東部:1
南米西部:1
こんな感じ。改めて見ると厳しいですね。
では上の地域から順番に記していきます。

代表チーム紹介:日本

Secret Ship


きゅぅ/芥川りぜ/Yakou/逆張りヤード/piui
言わずと知れた代表決定戦をW側のまま優勝したチーム。名実共に日本最強チームとしての出航です。
特徴はやっぱり書ききれない程の構成パターンの多さ。
「ベースの数匹が決まっていて、展開によって1匹2匹をチェンジする」みたいな事は珍しい話では無いんですが、5匹全てをまるっとチェンジしてかつ、それを何パターンも高い練度で持っているようなチームはこのチームだけなんじゃないかなと思っています。
代表決定戦でも4パターン20匹を使い分けて勝利を掴みました。インタビュー時に伺った「ミクロ(プレイヤースキル)で勝ってもしょうがないので、構成を疑い続けてトライアンドエラーを繰り返してきた」というお話は忘れられません。
練習配信を拝見させてもらっていますが、代表決定戦の時には見られなかった構成を練習している事も多く、一体どんなポケモンを繰り出してくるかは本当に見所のチーム。このチームでしか見れないポケモン、絶対いるぞ。
公式からインタビュー動画も上がっているので是非見てみてください。

Secret Ship しゅっこーう!

たきしまグロウパンチVer2.0


Takishima/Ruin/Haruta/MAME/Supercell
代表決定戦を準優勝し権利を掴んだチーム。通称「T2」
その際の構成はカイリュー/ギルガルド/アマージョ/ハピナス/プクリンをベースに、プクリンがフーパワタシラガに変わったりという感じでした。
また、一度だけではありましたが、ゲッコウガ/ピカチュウ/ヤドラン/ギルガルド/ハピナスと思い切ったポケモンチェンジをして勝利を掴んだ試合もあり、とても盛り上がりましたね。
個人的には、総合力が本当に高いチームだと思っています。
毎月WCS予選が行われる中で「その時一番強い構成を突き詰める形」や「様々な編成を用意する形」「その時強い構成に対応・対策する様な新しい戦術」を研究してきたりと、枠組みに囚われない色々な戦い方を用意して勝ち上がってきたチームだと思います。
そういう戦術面を極めつつも、各々の個人技術もトップクラス。代表決定戦の時は「6月は一つのチームを突き詰める事にした」と語っていましたが、今回約2か月の中でどんな戦術を用意してくるかが見所ですね。
こちらもインタビューがあるので是非ご覧ください。

たきグロ、ファイティーン!

韓国

韓国の選手の名前ですが、言語に対する知識が無いためインターネット上で翻訳したもので読ませて頂きます。

Eternity

루이_Louis(ルイス)/헤론(ヘロン)/세준(セジュン)
박잼준(パクジャムジュン)/디벨__Divel(ディベル)

韓国の代表戦で準優勝のチーム。エオスカップ、5月大会では優勝していて、好成績で走り続けてきたチームですね。
基本使われていた構成はアマージョ/ハピナス/カイリュー/ヨクバリス/プクリンで、一回だけゼラオラ/プクリン/カメックス/ルカリオ/ヨクバリスというパターンがありました。
プクリンがわざでころがるを使用していたのが特徴的。ころプク+ヨクバリスはゴルマクと呼ばれていた戦法を思い出しますが、そうではなく転がりながらガツガツ戦っていきます。
プクリンを使うのヘロン選手なんですが、脱出ボタンも含めたころがるの当て方がめちゃくちゃ上手くて、強烈な行動妨害として機能していました。エオスカップや5月大会でもころプクを使っていたので、WCSをころがり続けてきた可能性があります。
ころがるを起点にヨクバリスが好き放題動いて、そこに仕掛けていくみたいな戦いの形が凄いキレイな印象。その癖サンダーラッシュの判断というか割り切りもメチャクチャ速いです。隙あらばする。

余談ですがヨクバリスを使うセジュン選手は、ご存じの方もいると思いますが2014年のポケモンWCS「X・Y部門」でパチリスを使い優勝した有名な選手。2016年にはカードゲーム部門で出場し、今回は「ポケモンユナイト」と「ポケモンGO」の二刀流参加らしいです。トータル4部門の代表経験は世界でも唯一らしい。ポケモンマスター見つけた。

No Show

SL4-/월론(ウォルロン)/1st_Blossom
앙팡!(アンファン)/우치하상타치(解らず)

韓国代表、決定戦優勝チームです。
構成はカイリュー/アマージョ/ギルガルド/カビゴン/フーパ
ここも例にもれず戦いが上手いです。韓国、ファイトが上手い。
見てるとカイリューとギルガルドの生存率というか、ほんとに倒されずに立ち回るな~って印象が強かったんですが、多分1st_Blossom選手のカビゴンが支えているんじゃないかなと思います。
事前のポジション取りからギリギリまで姿を見せず、ヘビーボンバーととおせんぼうで相手を巻き込むのがかなり上手くて、そこにチーム全員が綺麗にフォーカス合わせてわざを撃つっていう流れが何度も決まっていました。書いてると基本的な事ではあるんですが、基本的な事を高いレベルでやるのは中々難しい。
後印象に残っているのはサポートとディフェンスタイプが計2匹採用されていつつ、どちらも他チームで良く見られた学習装置を持ってない事でした。
学習装置無しでも7分の頃にはしっかりギルガルド/アマージョに安定して進化していて、この部分は純粋な技術の高さが伺えます。
No Showはたきグロと同じグループ、対戦が楽しみ。

北米(North America)

BLvKHVND

slashcan/Kyriaos/Junglebook1/Overlord98/elo_unite
チーム名の読み方、マジで解らん。
北米優勝チームです。構成はカイリュー/アマージョ/ハピナス/オーロット/フーパで、アマージョの枠がルカリオだったり、ギルガルドだったりと頻繁にチェンジしていましたが、GFでリセットされてからはアマージョに固定して勝ち切っていました。
1:1:3で最初を戦う戦術を行っていて、中央ミニリュウ、下フーパラッキーボクレー、上アマカジの形。
オーロットがもうこうダンベル+エオスビスケットのムキムキセットを持っていて、エネコのしっぽ担いで相手側のタブンネ倒してゴールを積んで…っていう動きが最初の狙いっぽい。フーパが4になってからはいじげんホールによって上下が臨機応変に変わる。
オーロットが育ち切ると当然ですがかなり強くなり、全体的に環境に多かったフーパに対するカウンターにもなってて存在感がありました。

IX Gaming

PikaDiff/OGwastaken/Rhinne/Retsuツ/Itsnudo
北米準優勝チーム。使っていた構成はルカリオ/カイリュー/ハピナス/フーパ/アブソルで基本通していました。ハピナスはエナジーアンプ持ち。
構成を見てパッと印象に残るのはアブソルでしょうか。アブソルを使うのはltsnudo選手ですが、5月大会でも使用していたのでもしかしたら魂のポケモンかもしれません。
結構ガッツリ戦いに来るチームというのが見ていて感じた印象ですが、その戦いの行方というのはアブソル次第という印象もまた受けました。
アブソル、もといこういうスピードタイプはある程度相手がわざを撃ち切った後、もしくは相手の後ろから隙を突くような形で入って行って全部刈り取っていくのが基本だとは思いますが、ltsnudo選手は最初っからガツガツ先陣切って入っていく事が多い。
そしてそのままバリューを出せればチームも勝つし、何もできず倒されてしまったらそのまま戦いにも負けるというのがちらほら。
とはいえ練度は高く「バリューを出せる場合」はかなり多い。グイグイ仕掛けてくるので、対面してて怖いチームだなと感じます。

ヨーロッパ

Nouns Esports

ADESu23/GyZ/Ghatlue/Redmaw/BruvHD
ヨーロッパ優勝チーム。構成はカイリュー/ルカリオ/フーパ/ハピナス/オーロットで一貫してこれを使い続けていた。オーロットはビスケットダンベルでムキムキ、ハピナスはアンプ。最初はラッキーフーパルカリオで下ルート行って下でルカリオを育ててる。
戦うのが大好き!っていう印象が強いチーム。マジでヤりに来る。別にカジリガメとかロトムが出てなくても戦うし、ロトムが取れたら相手にユナイトがあってもミドルを押しに行く。道中ロトムがいなくなっても押し続ける。このチームの試合は一生戦ってるから見てて楽しかった。
序盤、ひいてはカジリガメ周りの安定感がマジで高くて、1匹目のカジリガメ取ってそのまま育ち続けて万全の状態でサンダー戦して勝ち切る流れが殆ど。カジリガメ周りはRedmaw選手のルカリオが大活躍してて、特に1匹目の時はカイリューよりもルカリオのグロウパンチで取るケースが多い。
ヨーロッパの代表決定戦において、Day1/Day2総合して相手に取られたカジリガメは2匹だけで、その上1匹目を取られた試合は1度のみ。
GFで1セットだけ試合を落としてるけど、それも超勝ちムードの状態から突如自分達でサンダーラッシュ始めてラスヒだけ取られちゃいました、テヘ みたいな試合展開で流れ自体は終始有利だった。全体通してかなり盤石の印象があったチーム。つよそう。

Apprentice Unleashed

Xante/GekkOkami/Chelvin/Zervas/KlausVIII
ヨーロッパの準優勝チーム。Nounsの書き方的に圧倒されたみたいイメージがあるかもしれないけど、5月大会では優勝、エオスカップ、代表決定戦では準優勝とこちらも好成績チーム。ヨーロッパは順当に国内Top2チームが勝ち上がってきたという印象が結果から感じます。
構成はカイリュー/ハピナス/ルカリオ/フーパ/アマージョがベースでアマージョの所がニンフィア/はなびらのまいフシギバナになったりしてた。これはNounsへの対策としてのポケモンチェンジで、基本はアマージョベースだと思う。Nouns Esportsとの試合が多かったからそう見える説もあるけど、多分ここも戦うの大好き。
アマージョの枠+フーパラッキーで下に3枚行ってエースを育てる形はNounsと一緒。ヨーロッパの好きな形なのかもしれない。
1匹目のカジリガメまでに毎試合カイリューに進化できていて、最初の10-7分までを「カイリューへ辿り着く」事を課題として見るならむしろNounsよりも上回っていたと思う。ヨーロッパは個人的注目地域です。

アジア・太平洋諸島(APAC)

No Lucario

ひdev/ひkst/ひsolo/ひIce/ひraithe
アジア優勝チーム。ノールカリオ。頭に「ひ」が統一されてる理由は不明。
構成はフシギバナ/アマージョ/ハピナス/フーパ/カイリューでカイリューの枠がニンフィアになったりファイアローになったりという感じ。
対応力がかなり高くて、GFの1セット目でカジリガメとロトム全負け+ゴール下ミドル以外全破壊状況から相手チームがフーパのユナイトわざでサンダーギブを狙おうとしてた所を、フシギバナだけリターンしてゴール防ぐ→他の味方がサンダー倒してゴール→戻って守り切る っていうお手本のような、けどかなり難しい対応で逆転勝ちしてて感動しました。
個人的にフシギバナを使うひraith選手がハチャメチャ上手いと思った。はなびらのまいフシギバナってひたすら通常攻撃とギガドレイン撃つだけのように見えて、危なかったら通常我慢して一回避けに徹しなきゃいけなかったり強化通常やギガドレインをどれだけ複数に入れられるかとかかなり細かい技術が求められてるポケモンだと考えてるんですが、そういう所の管理が凄い上手かった。ハピナスのユナイトもフシギバナに着けてるケースが多くて、チームから見てもエースなのかな?と感じる。先手取られた場面もしっかり立て直していて、ファイトがかなり強い。

Renaissance

ヤKamiru/ヤmevius/ヤNTツ/ヤYang/ヤRéßöñgs
アジア準優勝チーム。総合ポイントはアジア1位。No Lucarioと同じく、頭の「ヤ」統一の意図は不明。
大会での構成はアマージョ/ハピナス/フシギバナ/フーパ/カイリキー。カイリキーの枠がゼラオラやファイアローになったりしてたけど、通してカイリューの使用が無かったチームは全体でも珍しい。
カイリュー入りチームに対して1匹目のカジリガメどうするんだろと思ってたけど、ワンリキーに経験値を多く与えて7分までにカイリキーを育ててユナイト技で全てを吹き飛ばしていた。筋肉は世界を救う。重めな構成である分育てば強いので、「1カメカイリキー」が成立した後は有利な状況が順当に続いていく。
それからフシギバナを使うヤYang選手が「WFでNo Lucarioと戦って、2セット目でニンフィアを使われて下ルート戦負けた」試合の後にGFでもう一度No Lucarioと再戦する際「とつげきチョッキ」を着る事で対策しててめっちゃ感動しました。
後、決定戦の話とは少しズレるんですけどこのチームは日本代表チーム「Secret Ship」と7月末くらいにスクリムをしていました。
そこでは決定戦では使えなかったマフォクシーとかを採用した全然違う構成を使っていて、構成パターンも6パターンくらいあり内容的にもSecret Ship相手に勝ち越してて、海外チームも決定戦から更にレベルアップしているのを実感しました。
Secret ShipとRenaissanceは共にグループA。楽しみですね。

メキシコ

TEAM CRUELTY

JonaM96/Daniel_do_ob/OneV•DonLux
ELPREMIUMPR0/FB_Azuka

メキシコ優勝チーム。流れは知らないけど決定戦の時はチーム名が「MAMITAS CLUB」で変更されている。
構成はフーパ/カイリュー/オーロット/ルカリオ/ウッウでウッウ→ニンフィア、ルカリオ→アマージョに変更する時も。ハピナス無し、珍しい。
ウッウはこの時ダイビングとエアスラッシュが評価されていたと記憶してるけど、なみのりぼうふうで戦っていた。ニンフィアを使用する時は上ルートに進んでいて、これは多分横のアマカジをサポートしつつ、相手の「もうこうダンベル」ポジションのポケモンを止める狙いかなと思う。ハイパーボイスはゴールを止めつつダメージを与えるわざとしては最高峰。
他のチームでもちょっと書いた事だけど全体的に生存力が高くて、それはオーロットとフーパがかなりしっかりしているからだと思う。危ないときにオーロットが相手を剥がす、良い場所にフーパがいじげんホールを出す、が出来ているからパーティが安定する。強いチーム、サポート・ディフェンスが特に良い仕事をしている。

オセアニア

ICLEN

Friff/Currypuffs/UntamedTheG/Pengu/sh3Pathome
オセアニアの優勝チーム。構成はアマージョ/ハピナス/カイリキー/ワタシラガ/カイリューでこの構成のまま勝ち切ってる。割とこのチームも戦いたがりな印象が強い。中央エリアはカイリューが担当してるけど、下ルートのワンリキーが7分の頃にはカイリキーになってるケースもある。
カイリキーとカイリューの並びが7分時点で進化出来てるかどうかでチームパワーがかなり変わって来る構成なので、ちょっとコケて進化出来ずにカジリガメ負けちゃいました、みたいな試合はチラホラあるんだけど、そういう試合でも中盤なんか相手を倒してレベル逆転してる事が多い。
この「なんか」の正体はあまり自信が無いんだけど、ユナイトわざの絡んだ戦い方がかなり上手いのかな、と思った。相手のユナイトが無い時に自分のユナイトを叩き込む、相手に先に使わせて後出しする、そこにハピナスやワタシラガのしんぴのまもり、コットンガードで耐久持って勝ちきるみたいな感じ。ちなみに1匹目のカジリガメ勝ったら大体イケイケになって勝つ。
カイリキーがいる関係上相手がゴール下にいてもこじ開ける力が強く、サンダー倒されても全然巻き返すシーンも見れた。ノった時の怖さは全チームでも随一に感じます。

インド

REVENANT ESPORTS

Novaa/Crowley/XesoL/OMEN/Badshahh
インド代表チーム。構成はカイリュー/アローラキュウコン/フーパ/ハピナス/アマージョ。GFでは2セット目からアマージョがアブソルに変わった。
アローラキュウコンの強さを生かして、下ルートを中心に序盤からグイグイ押していく感じ。序盤強いポケモンでリード取ってそのまま育ち切って勝つ、ポケモンユナイトでは結構王道のパターン。
フーパのいじげんホールが上手い、みたいな話は他のチームでも何度か書いたけど、このチームはユナイトわざの使い方がかなり印象に残った。サンダー戦の時に中央のレジェンドピットじゃなくて上下どちらかに寄った所で戦って、相手を倒したり、体力が少なくなってきた時にフーパのユナイトわざによるワープで相手の攻撃避けて生存→ハピナスorリターンで回復して戦闘継続みたいな展開が何度かあって、「フーパのユナイトわざを活かして戦闘の継続率を上げる」事をチーム全体が意識してる様に見えた。カイリューのOMEN選手は特に体力管理が上手い。中盤で下ゴールを押して、フーパのユナイトを使ったサンダーギブも狙いに行くチーム。
ちょっと余談で、OMEN選手がメキシコだとスター選手?なのか解んないけど配信のコメント欄に「OMEN OP♡」みたいなコメントが凄く多かった。チームも人気高そうです。

中米(セントラルアメリカ)

SAMINA CA

Steven/Latias/Kira/Zephi/Sols
中米優勝チームで構成はカイリュー/ルカリオ/カメックス/フーパ/ハピナスを通して使用。カメックス+フーパの並びは日本でも5月あたりに良く使われていたと記憶していて、その時はこうそくスピンしおふきで突っ込むだけ突っ込んでいじげんホールで帰る、っていうのが強かったけど見てる感じそういう戦い方はあんまりしてなさそうに見える。ルカリオとカメックスがどちらもエナジーアンプを持っていて、どちらかというとユナイトわざの強烈な行動妨害を起点に一気に仕掛けていくような戦い方なのかなと思う。
凄いふわふわしてて申し訳無いのですが、中米はGFが全てサンダーラッシュで決着が着いた事もあり他チームに比べて良く解らないというのが正直なところ。GFは4セットで決着となったけど、サンダーがスタジアムにいた時間はGF4試合のトータルでも20秒くらいだった。
2:25秒くらいから中央のポジションを取って相手の位置を視界に収める動きを積極的に行ってるのは感じたので、「中央を確保して有利状況でサンダーを攻撃する」事が一番の狙いなのかもしれない。怖すぎる。

南米東部(SouthAmerica_East)

XIS

Mazo/GuiziN/Falbシ/LeL/Souto
南米東部代表、カイリュー/ルカリオ/フーパ/ハピナス/アブソルの構成を通して使用。ルカリオは全体的にグロウパンチが多いけど、Falbのシ選手はしんそく/ボーンラッシュ。集団戦の時はルカリオで削ってアブソルで残った体力を削り取っていく、みたいなのが基本的な形の1つ。
決定戦の動画を見てる限りは判断しにくいんだけど、あんまり下のフロントゴールを壊したがらないのかな…?という印象がある。相手チームもかなりしっかり守っていたので単に壊せなかった説もあるんだけど、壊せるところで壊さなかった場面は確かにあって、互いのフロントが残ってる時はルカリオかアブソルがずっと残ってタブンネを倒し続けている。一度も壊してない訳では無いので、少ない点数で壊すのが嫌って話かもしれない。
海外チームには珍しく自分たちからはサンダーにあまり攻撃したがらない。
2:20秒くらいから全員纏まって相手を探して、誰か見つけたら人数有利で体力リードしてファイト有利みたいな形を作る事が多い。
数人倒してもサンダーよりはゴールを優先したり、レベル・スコア共にリードしてる時は相手側に陣取ってサンダーまでの道をカットしたりとサンダーに関わらずに勝ちに行く試合が多くあって、サンダーを倒す時は相手からラッシュを仕掛けてきた時なのが殆どでした。

南米西部(SouthAmerica_West)

QLASH

Shank/Tempo/MNPAO/Pipol/YanG
南米西部代表で構成はアマージョ/ハピナス/ルカリオ/カイリュー/フーパ
ルカリオとアマージョが同居しているチームはここだけ。上をルカリオ1人に任せて下に3人送る古き良きスタイル。アマージョルカリオ共にもうこうダンベルも持っている。まずは上でルカリオがダンベル積んで、7分の段階でいじげんホールを使って上のルカリオと下のアマージョをスイッチして、そこからアマージョが上に残って育ち出す、が基本の動き。
ルカリオのTempo選手はグロウパンチ/ボーンラッシュをメインに使っていた。グロウパンチの時は今はインファイトが主流なイメージあるしTempo選手もGFで一回だけインファイト使ってたけど基本はグロウ/ボーン。全体的に行動妨害が薄い構成の中で、ルカリオの中では強化攻撃含めて妨害が濃くなるわざセットで、それがさりげなく良い活躍をしているシーンはあった。
Shankのカイリューがバトルアイテムをプラスパワーにしているので、ファイト/ラストヒットどちらの面でもカイリューがかなりダメージを出す。他のチームはなんでもなおしてある事が多いので、多くのカイリューを相手にする時と同じ感覚でいると多分痛い目を見そうだなと思う。
最初プラスパワーだからハピナスはしんぴのまもりでサポートするのかな、と思ったら全然タマゴうみだった。強気。

海外の試合を見て

以上16チームです。現時点10000文字。ここまでありがとうございます。
感じた事を書きましたがまだまだ自信のない部分は多く、もし有識者で「ここのチームはもっとこうでしょ」みたいに思った方がいたらDMでも何でも良いので教えてください。マジで求めています。

日本以外の様々な地域を見た感想としては、まず構成の面では日本と大きく違いは無いなと思いました。
日本の代表決定戦はアマージョ/ハピナス/カイリュー/フーパがまずベースにあって、そこから1、2枠程チームによって個性が出る印象で、海外も概ねそんな感じで構成されていたとは思います。
ただベースのポケモン達の優先度がちょっと違うと感じていて、日本はまずアマージョが最初に入って来るイメージがあったんですが、海外14チームを見た感じアマージョが入っていないチームは6チーム程あって、一番使用率が高かったのはハピナスとフーパでした。どちらも12チームが採用。
それに伴いフーパは結構対策されていて、その枠が一定以上姿が見えたオーロットやカビゴン、カイリキーだったのかなと思います。

プレイスタイルは割と違いがあると思っていて、全てとは言わずとも海外チームはサンダーラッシュへ踏み切るタイミングが日本チームより1つ2つ速いなと感じています。
圧倒的不利なチームが割り切りに行くばかりならまだ解るのですが、そのまま戦えば概ね勝てるような、レベルリードしているチームでも隙あらばサンダーを倒しに行くケースはかなり多く感じました。
これに関してはちょもすさんにも少し意見を聞いていて、ある程度分の良い状況、60%くらいの勝算があるならそれでじゅうぶんじゃね?みたいなサンダーラッシュが多いよねって話をしました。
日本にとってサンダーラッシュが「最後の手段」的なイメージがある中で、海外にとっては「ある程度分が良ければファイトするより確実な手段」みたいな感じなのかなと今は思ってます。

実際の所サンダーを制したら大体勝てるというのはこのゲームの真実ではあると思うのでそれ自体が間違いである事は全然無いと思いますが、僕たちはサンダーという不確定要素の中で、どれだけ戦略の面で勝率を少しでも上げるか、という所に心血を注いできたのが日本代表の、ひいては日本のWCS予選で見られた多くのチームの特徴だったと思っています。
その取り組み方が世界で実を結んでほしいなと思うし、世界で戦う日本代表の2チームを心から応援しているし、実際に日本の2チームはチャンピオンになる実力を持ったチームだと思っています。

実況解説の立場上これまでは試合に臨むチームをフラットな目線で見ていく事を強く意識してきましたが、今回に関しては「Secret Ship」「たきしまグロウパンチVer2.0」を強く応援する気持ちです。
こういう立場でありつつも、自分たちが良く知るチームに「がんばれ」という言葉を送れる事を本当に嬉しく思っています。
Secret Ship、しゅっこーう!
たきグロ、ファイティーン!

最後に-配信告知-

という訳で決戦は来週8/19日から!配信はこちら!

解説をします!初めて見る人も解るように喋っていくつもりでもあるので、WCSにちなんで見てみようかなって人もぜひ。

ずっと実況解説をさせてもらっていた「ポケモンユナイト」の、一つの集大成となる場で解説させて頂ける事、そこがポケモン好きにとって夢の舞台である「WCS」現地であるという事、何もかも本当に光栄で幸せな事だと思っています。
ちょっとでも多くの事を伝えられるよう準備をし、そして現地では最高峰の試合を前に誰よりも楽しみたいと思っています。

皆さんもどんな形であれ、ポケモンユナイトにとっては初となるこの1年に1回のお祭りを一緒に楽しんでもらえたら何よりです。
ポケモンユナイト、面白いよ!











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