能曲目『媽祖』のあらすじ
フェリシモミュージアム部と京都観世会館のコラボレーションによって生まれた「幽玄の物語を追体験 能装束リバーシブルハンカチの会」。
〈媽祖〉デザインの元となったお話をご紹介します。
疫病や戦乱、外寇に見舞われる天平時代。菩薩の心を広めるため諸国に百万塔を納めたいと願う称徳帝(しょうとくてい)は、大伴家持(おおとものやかもち)を筑紫へ派遣しました。
家持は航行の安全を祈るため立ち寄った住吉の社で、海難を予知し人々を救う黙娘(もくじょう)という巫女とふたりの従者と出会います。
家持は黙娘と2人の従者を伴い難波津より船出しますが途中嵐に遭遇してしまいます。 荒天に神通を得た黙娘は、赤き衣をまとい船の行く先を指し示しましたが、従者もろとも姿を消してしまいました。
命からがら筑紫へ無事たどり着いた家持は、黙娘とふたりの従者に感謝し、百万塔を無事納めると、海の彼方より神となった黙娘が媽祖となり二鬼神を従えて飛来し、喜びの舞を舞う姿を見るのでした……。
いかがでしたでしょうか。
「媽祖」は航海・漁業の守護神として、中国沿海部を中心に信仰を集めて伝説として伝わる道教の女神です。古くから伝わるこの伝説が2022年春、創作能として現代によみがえりました。
2022年4月2日(土)、京都観世会館にて公開予定です。
フェリシモミュージアム部 × 京都観世会館
#はじめての能シリーズ