2019/08/30
今日みたいな静かな夜に 言葉についてひとり想いを巡らせる時間が 言葉に沈んでいく無重力状態が とてもぜいたくですきです わたしとことば いいえ ことばの中で認識するわたし の輪郭がはっきりしているようでぼやけているようで
わたしが生まれるよりもずっとむかしから存在していたことば に出会ったとき
それは何百年も前から枯れずに咲いていた花を偶然みつけた瞬間に感じる永遠 に近いものがあります
わたしが存在するよりもずっと前から存在していたものたち 宇宙 月 海 時間 言葉 概念 記憶
わたしを包み込んでくれる大きな時の流れ わたしが消滅しても決して変わらないという安心感
そんなときだけ わたしは誰かに名付けられたわたしという存在を手放してもいいと許されているような そんな気がするのです 自由の足音がきこえました
わたしはわたしの孤独を愛していられる
幼いころ 言葉は自分だけのものではないと思い知ってきました。わたしはわたしの言葉も誰かの言葉も必要ありませんでした。
ただ、あなたが使うあなただけの言葉になってみたかった。あなたの指が紡ぐ文字として、あなたが震わせる声として、あなたの言葉として、生まれ変わったわたしを、生きてみたい。
そう願うのです。