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食欲を失う瞬間の心の痛みを解説

Fにとって悲しく感じる出来事が起こると、瞬間的に胃と下腹部にものすごい濃度の霧のようなものが一面に広がり一気に食欲を失くす。

お腹は空いてるはずなのに、何も口に入れられないという感覚におちいる。悲しい気持ちに圧倒され、それをFはどうすることもできなくて、ただひたすらフリーズする。手や口が動いていたとしても、顔と頭は完全に固まっている。

そんな身体の状態と同時に、「あぁ、またか・・・」という思考も出てくる。「これが来ちゃうと、食べれないから嫌なんだよな~」という、うんざりした気持ちも出てくる。

そして時間が経過し、目の前の状況が視界から消えたり(たとえばイヤだなと感じた人が、視界からいなくなる)、心が軽くなる情報に触れたり、嬉しいことが起こったりすると、胃と下腹部は通常運転に戻る。

●視界から消える→視覚という『知覚』※布をかぶせただけ
●情報に触れる→解答を得てホッとする『思考』※偽の満足感を得ただけ
●嬉しいことが起こる→『感情』の高揚 ※マイナスをゼロに戻しただけ

これは面白いぞ。

視界から消えるという『五感』に関すること、解答を得ることによる『脳』に関すること、嬉しいことによる『感情』に関すること。

これらによって、Fの悲しい気持ちはあたかも消え去ったように見えるけど、実際は悲しい気持ち自体は無くなってはいないということ。

とりあえずその場しのぎでその日はやり過ごし、これに慣れればいずれ解決するだろう・・・という希望的観測をしているということ。もちろんそれをFがやっているわけではないけど。

実際はこの悲しい気持ちをきちんと味わうころをしないと、なんどもなんども出来事や現象を通して復活する。

心の仕組みを理解すれば、自分の気持ちに余裕が出れば、見方が変われば、視座が高くなれば、俯瞰すれば、悲しい気持ちが出てきても「なるほど~」と観照できるようになるはずと思ってきた。

それはあながち間違いではないのだけど、順番が違った。悲しい気持ちを味わって、きちんと感じるから、心の仕組みが理解できるし、自分の気持ちに余裕が出るし、見方も変わるし、視座も高くなるし、俯瞰もできるようになる。そして悲しい気持ちが出てきても、それに巻き込まれなくなるのだ。

なぜ、Fにこの気づきが今まで起きなかったんだ!ww


実は私は認知行動療法というものに信頼をおいていて、自己流だけど(専門書は読みました)実際にFにはとても効果があり、ある程度成果をあげたと思っている。それを始めた当時、パートナーにだけ「嫌われたんじゃないか?」という妄想が湧いてくるという症状があったんだけど・・・。

不安からくる妄想が始まったら、その場ですぐに
①出来事
②身体の反応
③自分に対して思ったこと(思考)
④した行動

をメールに打ち込んで下書き保存するのだ。そして後日⑤結果を打ち込む。これは本当に効果があって4ヶ月くらいで不安妄想がなくなったのだ。

なぜかというと⑤結果のほとんどが、私の勘違い妄想であったということが分かったから。

この自己流認知行動療法は本当に役立ったと思う。

でもね・・・じゃあ、その不安や妄想がどこから来るかって言ったら、それはやはり根っこの「深い悲しみ」だと思うんだ。彼に対して表面的な不安や妄想はなくなったけど、今度は他の人に対して不安や妄想が出てくるようになってしまった。

今ではわざわざ①~④を書き出して、認知行動療法をしなくても、妄想が起こったら、絶対に自分の勘違いだとすぐにわかるようになるから、時短にはなったけどww

でもやはり勘違いだと頭でわかってても、身体は反応するんだよね。それは最初に書いたことに戻るけど、一気に食欲を失くすという現象なんだけど。

さぁ、ここでFはどんな取り組みをするんだろう?どんな思考が沸き上がってきた?


それは①食欲を失くして気分が悪くなっても、なんとかしようとしないこと。つまり抵抗せず放置しておくこと。

そして②その場で泣くことww

①は簡単にできるけど、②はハードル高いね。だって今までは涙がじわっと出てきても「おいおい、ここは会社だぜ」「メイクがぐちゃぐちゃになるぜ」と冷静な判断が涙をストップさせてきたから。

でもですよ、トイレ行ったらいいじゃん!メイクぐちゃぐちゃになっても別にいいじゃん!って思った。きっとそれほど嗚咽するような号泣をするわけでもないだろうから、誰かが心配してトイレまで探しに来るなんてことはないと思うし。

ということで、こうやってこの文章を打ちながら、少しずつ心は緩んできてるのだけど、騙されないよ、こうやって心を吐露することも痛みが軽減されたかのように感じさせ誤魔化しだから。ほんとすごいよな~、エゴって。これを書いたことによってスッキリさせようとしてるのだから。

<まとめ>
いやな出来事が視界から消えても(五感)、聞いて安心する情報を得ても(脳)、嬉しいことが起こっても(感情)、根っこにある「深い悲しみ」はなくなったわけではない。

認知行動療法も、特定の人に出てくる表面に出てくる不安や妄想はなくなったけど、根っこにある「深い悲しみ」はなくなったわけではないから、今度は別の人に対して不安や妄想が出てくる。

以後は身体の反応(食欲不振)は放置しておく、悲しくなったらその場で泣く。

さぁ、次回は「じゃあ、悲しみを癒すために何か取り組みをしようじゃないか!!」という心が仕掛けてくるトリックについて書いてみようと思う。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

同じような方がいたら何らかの役に立ちますように。


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