#45 「言葉を届ける工夫よりも、実感を届ける工夫」
※音声版は以下からご視聴いただけます!
普段、子ども・若者とかかわるユースワーカーという仕事をしながら、5歳と2歳の子どもの子育てもしている私が、仕事や日常での気づきについて発信するチャンネルです。
さて今日は、「言葉を届ける工夫よりも、実感を届ける工夫」というテーマで、お届けしていきます。
スタッフ研修をしての気づきと学びです。
◯「哲学対話」ってご存知ですか?
熊本大学で教育哲学の研究をされている苫野一徳先生という方がいらっしゃいます。全国各地の学校現場で小学生と一緒にやったり、教員研修で実施されていたりしています。
哲学対話の中の「本質観取」というワークがあるんです。何人かで集まって、あるテーマに沿って、その物事や言葉の本質について考えるものです。
・自分たちの経験を通して洞察し、
・絶対の正解があるわけではないけど、
・その場にいるメンバーにおける、「共通了解」「なるほど、それは確かに言えるね!」をさがしていくようなワークです。
テーマは、自由とは?自分らしさとは?愛とは?良い教育とは?みたいなテーマです。
先日、僕が働いているユースセンターのスタッフたちとの自主研修で「本質観取」をやりました。今日は、直接的にその話ではないんですが。笑
スタッフ向けに、月に2回ぐらい自主研修と称して参加任意の研修を実施しています。
実施する内容としては、先の話にでた「本質観取」が一つ。もう一つは、ユースセンターで働きながら、さいきん思っていること、感じていること、意識していることなどのそれぞれの「関心事」をシェアするような「ふりかえり」の時間にする。
大きく2つに分かれます。
参加するメンバーが毎回ちがうものですから、「どっちにする?」ってところから始まり、本質観取については、そこから「テーマを決める」ってところもあります。
研修自体は月に2回あるので、あらかじめ決めておくのも悪くないのですけどね。
何をやるかを決める前に、そもそも、「さいきんの自分の状態は?」とか「プライベートも含めて最近の関心事ってどんなこと?」みたいなのをチェックインで確認しています。
一緒に働いていて、同じ空間でその人を見ているし、印象としての「今のその人」というのを感じとってはいる。知っているようでいて、実は直接きいているわけではないので、その人の言葉でその人の状態をきくことの意味の大きさを改めて感じました。
◯相手からの言葉で相手の状態をきく
「どっちにする?」という時間は、決めるまでの時間が少しもったいないようにも見えるけど、それぞれのいまの状態を知りながら、みんなが集まるその時間を、「どのように使うのか」。小さくても「みんなで決める」という「合意形成」をする時間があるからこそ、より深く自分以外の人の「いまの状態」を知りたくなるし、実際に知ってみると、「やっぱきかないと!」「見ているだけではわかりきらんよな〜」を実感できたりする。
月に数回しかない、ある種の「非日常の場」でえられる情報はもちろん大切だけど、
相手の状態は日々かわっているのが本当のところで。
コミュニケーションって大事だから、とりなさい!とったほうがいいよ!とただ周りから言われるだけよりも、
「やっぱ大事だよな〜」という実感をもってもらうことのほうが有意義だな〜と思います。
「◯◯は大事だよ!」という言葉を使わずに、
「◯◯は大事だよ!」という実感を一人ひとりにもってもらえるか、
そっちのほうが、相手のモチベーションにも、その先の行動変容にもつながりやすいのだと思います。
というわけで、今日は「言葉を届ける工夫よりも、実感を届ける工夫」というお話でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
では、また次回お会いしましょう!
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