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スター・ウォーズ ゲーム研究本を出すために 第5回 レゴゲームの成熟期『レゴ スター・ウォーズ コンプリート・サーガ』から

■『スカイウォーカー・サーガ』の前のコンプリートセット『レゴ スター・ウォーズ コンプリート・サーガ』(2007年)


さらに翌年の2007年には『レゴ スター・ウォーズ コンプリート・サーガ』がPlayStation3、Xbox 360、Nintendo Wii、DS、Windows、Mac OSに向けて発売された(日本ではアクティビジョンからPS3とWii版のみ)。『THE VIDEO GAME』『THE ORIGINAL TRILOGY』のPlayStation2版をベースにした完全版である。後年Android 、iOSに向けても展開された。

完全版とは言えど、当時の上位向けのハードに限定しての展開だったので追加ステージや追加キャラクターが用意された。特にコアなファンの間では『エピソード2』の冒頭に速攻でジャンゴ・フェットに殺された賞金稼ぎザム・ウェセルが追加されたことが喜ばしかった模様。

またインターネットの普及が進んだことでオンラインでのマルチプレイができるようになったものこのゲームの特徴でもあった。Wii版は当時のスター・ウォーズゲームの中でも珍しく、というより初めてWiiリモコンをライトセーバーにみたてたインタラクティブなプレイが可能で、これだけでもWii版を改めて買う価値はあると思う。

また、『エピソード3』周りに関してはかなり修正が入った。当時はまだ映画のサウンドトラックが完成されていない状態での発売になったため、ほとんどが『エピソード1』『エピソード2』のサントラが流用されていた。

当時、『スター・ウォーズ』シリーズ全てを通しで追体験できるゲームは無く、このゲームは長いこと中古でも高値をつけていたが、『スカイウォーカー・サーガ』の登場によってだいぶ落ち着いてきた。そういった背景もあってかスマホ版はかなり早くから投下された印象もある。


このゲームは当初PSP版の開発も予定されていたが、TTゲームズのリソースの関係からキャンセルされることになった。当時PSPもDSと比べて世界的に売上が悩ましい状況だったから見送られるのもやむを得ないと思う。

ここまで色々紹介してきたがこの時代のレゴスター・ウォーズシリーズは、操作キャラクターもこれまで発売されたレゴキャラクターのパーツが実装されていて、作中ではベイダーにジェダイの衣装を着せたり、レイアの水着を着せたりとやりたい放題。なんならマスクを取ったセバスチャン・ショウ顔のベイダーで遊ぶことも、レゴカウボーイで遊ぶこともできた!レイアやハン・ソロにサングラスや帽子を被せることも可能。ハン・ソロをベースにしてカウボーイハットなんぞ被せたらインディー・ジョーンズ教授だけどな。


iOS用ページ

Android用ページ

Steamページ


レゴ スター・ウォーズ コンプリート・サーガ

ジャンル: アクション・アドベンチャーゲーム

対応機種: PlayStation3、Xbox 360、Nintendo Wii、DS、Windows、Mac OS、Android、iOS、Steam(日本ではPS3、Wii)

開発元: Traveller’s Tales

発売元: アクティビジョン、ルーカスアーツ、ワーナーゲーム、ディズニー・インタラクティブ

発売日:2008年3月27日


■何もかもが変わってきた『レゴ スター・ウォーズⅢ クローン・ウォーズ』の前に展開されたブラウザゲーム『レゴ スター・ウォーズ R2-D2の冒険』


さて、ここまでが“旧レゴ スター・ウォーズシリーズ”作品の紹介。

?なぜここで旧と冠を付けたのかって?


実はレゴスター・ウォーズは現在の物と昔のものではキャラクターデザインが大きく違う。特にわかりやすいのが髪の毛。1999年はオビ=ワン・ケノービやレイア姫(『エピソード5』以降)はレゴの汎用キャラの髪パーツを使用していたり、顔も汎用キャラクターを使用して衣装やヘルメットでキャラクター感を出していた。色が違う程度。ヨーダもゲームではパペットを意識したちょっとホラーなテイストになっていた。


レゴスター・ウォーズシリーズに限って話をすると、大きく変わったのはアニメ『クローン・ウォーズ』の商品展開から。このあたりからレゴ スター・ウォーズ商品も売れることが確認できたのかアナキン、ハン・ソロ、レイアなどのキャラクターの顔立ちが汎用のものから俳優に寄せられる作りになってきた。特に大きな変化はヨーダ。禍々しかったパペットからCGヨーダに近い目がしっかりとしたものに変わり(というか最初からそっちにしてくれ)、『クローン・ウォーズ』が始まるとアニメ色の強い造形に変化していった。グリーヴァス将軍もゲームでは2本腕だったのが、このあたりからはCGの発達も相まって4本腕になっていったことも特徴的。

簡単に『クローン・ウォーズ』を紹介すると、2008年の同名映画からスタートしたアニメシリーズ。この頃からジョージ・ルーカスは自身の年齢の事も考えてか後継者の育成に務めるようになる。その中でも頭角を表したのがデイブ・フィローニという人物で、デイブを監督にアニメシリーズの展開を開始。映画、アニメシリーズの販売、配給は20世紀フォックスからワーナー・ブラザースに変わった。

時系列は『エピソード2』と『エピソード3』の間で、『エピソード2』のラストで勃発したクローン軍とドロイド軍の戦い、クローン大戦を描いている。この作品からアナキンはオビ=ワンのパダワン(弟子)から卒業して、ジェダイ・ナイトに昇格。これに伴ってアソーカ・タノという弟子を持つようになり、シリーズはクローン戦争の展開だけでなくアソーカの成長、アナキンのジェダイとしての成長と忍び寄るダークサイドの影、ジェダイ評議会の暗黒面への転落を描いていく。シリーズ開始時は伸び悩んだものの、色々吹っ切れたシーズン3からはダース・モールの復活やにわかに登場したダース・ベイダーなど物語が大きく動き出し、シリーズファンから熱烈な指示を得ることに獲得。日本ではNHKが独占で地上波放映したのだが、肝心のシーズン3からCS放送に切り替えるという戦犯、いや暴挙にでた。これはスター・ウォーズへのレイプ、ヤリ捨てと言っても差し支えない行いで、日本のスター・ウォーズファンは本気でブチギレてもいい。そんなこんなで知名度が日本と海外のファンで段違いな『クローン・ウォーズ』だが、先程も紹介したように2009年にはレゴスター・ウォーズの10周年を記念した『レゴ スター・ウォーズ R2-D2の冒険』が放映された。



これはどういった内容かと言うとドゥークー伯爵率いる分離主義勢力、ドロイド軍から機密情報を盗んだアナキンとR2-D2が追手の攻撃によってデータを収めていたR2がロストするという事態になり、オビ=ワンとアソーカ、アナキンはクローン軍を率いてR2の救出作戦に出る。映像ではタトゥイーンやホス、デス・スター・・・と思いきやドロイドコントロールシップのルクレハルク級バトルシップ(『エピソード1』でアナキンが破壊した宇宙基地)を巡るR2-D2が映され、観ている側もオリジナル・トリロジーを想起させる内容となっている。

このアニメでR2-D2は初めてのドロイドの彼女(もちろんアストロメク型!)ができるというなんとも言えない展開も用意されているが、そこはレゴテイストのコメディの御愛嬌。最後はR2-D2も救出されてめでたしめでたしという単純な内容。


このアニメを題材にしたレゴゲームが『レゴ スター・ウォーズ R2-D2の冒険』(LEGO Star Wars: The Quest for R2-D2)。ブラウザゲームで現在はサービスが終了してしまってプレイも叶わなくなってしまったが、記憶する限りでは見下ろし型のアクションゲームで、プレイヤーはアナキンかオビ=ワン、アサージ・ヴェントレスかドゥークー伯爵を操作して敵(クローン兵かドロイド兵)を倒していくというゲーム。このゲームはブラウザゲームながらチートコード(裏技コード)を入力することでゲーム環境を変えることができるといった遊びも用意されていた。

結局は秘密コードを持っているR2-D2を巡るシスとジェダイの追いかけっこストーリーなのでそれぞれのサイドがどういった経緯でR2-D2の確保を目指したかというのがゲームの内容になっていると思えばいい。


レゴ スター・ウォーズ R2-D2の冒険

ジャンル: アクション・アドベンチャーゲーム

対応機種: Webブラウザ

開発元: Three Melons

発売元: LEGO

発売日:2009年11月12日



■ナンバリングはこれが最後!『レゴ スター・ウォーズⅢ クローン・ウォーズ』(2011年)


2011年にはシリーズ最新作『レゴ スター・ウォーズⅢ クローン・ウォーズ』がDS、3DS、PlayStation3、PSP、Wii、Xbox 360、Windows、Macに向けて発売された。何を考えているのか日本では未発売だ。

ナンバリングがついているのはこれが最後で、これ以降、最初期から展開された形式のアクション・アドベンチャーゲームが発売されるのは2016年の『エピソード7 フォースの覚醒』まで無い。その間に5本のブラウザゲーム、アプリゲームが展開されるがどれもこれまでのテイストとは違うものになっている。


先に本作の『クローン・ウォーズ』について説明すると、シーズン2までのストーリーやミッションをベースに作られた作品となっている。先ほども書いたようにこの作品からキャラクターの顔立ちや服装も大きく変更され、元のアニメや俳優に寄ったデザインになっている。このゲームが発売された翌年2012年にはルーカスフィルム社がディズニー傘下に入ってしまい、全てのゲーム作品のプロジェクトが凍結される。


このゲームがシーズン2までだったことを踏まえて話をすると、発売されるまでにアニメの方は既にシーズン3が公開されシーズン4が控えていたこともるため、ひょっとするとレゴゲームとしての『クローン・ウォーズ』の続きもあり得たかもしれない。しかしそれでも日本未発売って・・・


ゲームは『エピソード2』の後半、ジオノーシスの戦いから始まるというプレイヤー、ファンのプレイ意欲を高めてくれるポイントからスタート。そのまま『クローン・ウォーズ』に突入するのでいよいよ銀河が大戦争に突入するさまが感じられる。ただ、なぜかジオノーシスの戦いでアナキンが三つ編みパダワンヘッドでなく、ジェダイ・ナイト昇格後の姿になっているのは御愛嬌。

アニメ『クローン・ウォーズ』はアソーカ、アナキンを中心にジェダイサイドの出来事が描かれることが多く、こちらのゲームでは分離主義勢力のドゥークー伯爵とマグナガードを操作できるミッションが遊べるのは熱い。


Steamページ




レゴ スター・ウォーズⅢ クローン・ウォーズ

ジャンル: アクション・アドベンチャーゲーム

対応機種: DS、3DS、PlayStation3、PSP、Wii、Xbox 360、Windows、Mac(日本未発売)

開発元: Traveller’s Tales

発売元: ルーカスアーツ、Feral Interactive

発売日:2011年3月22日




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