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プチ不調は「冷え」が原因!? 私も子どもも一緒に冷えない「温活」を始めよう

〈監修者〉
イシハラクリニック 副院長 石原 新菜先生 いしはら・にいな
『「体を温める」と病気は必ず治る』の著者、石原結實氏を父親にもつ。医学生のころから父親と共に海外を視察し、自然医学の基礎を養う。2006年帝京大学医学部を卒業。研修医を経て、現職にて漢方薬処方中心の診療を行う。2児の母。



「現代人は昔よりからだを動かす機会が減ったこともあり、血流が滞って『冷え』が生じやすくなっている」と話すのは、医師の石原新菜先生。冷えを改善するには、血流を促してからだをあたためる「温活」が役立ちます。石原先生は「温活といえば石原先生!」と言うほど、温活の大切さを広める活動をされているドクター。さらに近年では、子どものころから冷えないからだにすることの大切さを伝える、「温育」も提唱されています。そんな石原先生に温活、そして温育について詳しく教えていただきました。

(1)何となくいつも“プチ不調”……これ、「冷え」が原因なんですか!?

編集部:突然ですが先生、このところ疲れが抜けないというか、ちょっとしただるさや不調が続いていて、体調がすっきりしないことが多いんです。これって何が原因なんでしょうか?

石原先生:体調不良の陰には病気が隠れていることもあるので一概には言えませんが、ちょっとした不調=プチ不調がある人には「冷え」があることが少なくないんです。

Lab.編集部:冷えですか? あまり自覚はないんですが。

石原先生:例えば、以下のような生活をしていたり、不調を感じていたりすることはありませんか?

■あなたももしかしたら……? 冷え症チェック

  • 平熱が35度台

  • 運動をする習慣がない

  • 入浴はシャワーで済ませがち

  • 水分を積極的に摂っている

  • 睡眠時間が6時間以下、よく眠れない

  • 肩こり・首こり・頭痛がある

  • 便秘がち

  • 肌荒れや目の下のくまが気になる

  • アレルギーがある

  • 生理痛が重い

  • 最近やせにくくなった

  • むくみがち

  • 目がかすみやすい

  • 薄毛や白髪に悩んでいる

  • ストレスがたまっている

  • イライラしたり、やる気が出なかったり、落ち込んだり……メンタルが気になる

Lab.編集部:あっ、ほとんどの項目に当てはまります……これは冷えがあるということでしょうか?

石原先生:その可能性が高いですね。現代人のからだは昔に比べて冷えていると言われ、平均体温が約60年前より約1度下がっているという研究結果もあります。現代病のひとつと言えるくらい、多くの人に見られる症状です。
なぜ現代人に冷えが増えているのか。その理由はいくつか考えられますが、血流低下の影響が大きいと考えています。現代人は食生活の変化、運動不足による筋肉量の減少、ストレスなどにより血流が悪くなっているのではないでしょうか。

Lab.編集部:血流の低下でからだが冷えると、どんな影響が生じるのでしょうか?

石原先生:血液は、からだのさまざまな場所に栄養や酸素を運んでいます。血流が悪くなると、それらがうまく運ばれなくなるので、内臓の働きが弱って、例えば便秘になったり、むくんだりしやすくなります。肌にも十分な水分が行き届かなくなり、乾燥したり肌荒れが生じたりします。また、漢方医学では、冷えによって「気」の流れが悪くなるとされ、気持ちの落ち込みや不眠が生じて、そこから体調をくずすこともあります。まさに「冷えは万病のもと」です。心身共に影響が生じやすいので、なるべく冷やさないようにすることが大切ですね。

(2)私って、実は冷えてる? 冷えと温活のギモン

Lab.編集部:でも先生、実は私、体温は高い方で暑がりなんです。それでもやっぱり冷えていると言えるのでしょうか?

石原先生:上半身では暑さを感じていても、手足や指先は冷えていませんか? 体温を測るときには体温計をわきの下に挟むことが多いので意外と気づかないのですが、上半身にだけ熱が集まり、下半身や指先などの末端が冷たいというケースはよくあります。冷えを自覚しにくい「末端冷え症」も軽度の冷え症と言えます。

Lab.編集部:確かに、手足は冷たいです! 

石原先生:女性の場合、例えば月経開始日から排卵日ころまでは、一般的に「低温期」と呼ばれ、体温が比較的低くなる傾向があるため、冷えの症状を感じやすくなります。

一方、排卵日後から月経前にかけての「高温期」になると、体温が比較的高くなる傾向があります。冷えを感じにくくなる人もいるので、末端も冷たくなければ温活の必要はないですが、高温期でも手や足の先などの末端部分が冷たければ、やはり末端冷え症の状態と言えます。更年期や閉経後の女性、男性でも末端の冷えを感じていれば同様です。できれば対策をした方がよいですね。

Lab.編集部:冷えには、どんな対策が有効ですか?

石原先生:私は「温活」を推奨しています。温活というと、ただからだをあたためることを思い浮かべるかもしれませんが、大切なのは血の巡りをよくすることです。からだを動かしたり、筋肉をつけたり、あたためたりして血流を促すことで、からだの隅々までしっかりと血液が届くようになり、からだもあたたまるというのが温活の考え方です。真夏の炎天下の中でからだをあたためる必要はありませんが、夏でも熱中症対策で冷房がきいた部屋で過ごすことが多い昨今では、寒い時期に限らず、できれば1年中「温活」を行うことをおすすめします。

Lab.編集部:無理なく、できる範囲で血の巡りを意識するとよいのですね。
石原先生:そうですね、ただし夏場の運動には熱中症のリスクが伴います。冷房のきいた室内などで無理なくからだを動かし、血流を促していきましょう。また、冷たい物を摂りすぎないようにしたり、冷房に当たりすぎないように腹巻きやレッグウォーマー、カーディガン、ストールなどの服装を調節したりして、からだの内側からも外側からも冷やしすぎないようにすることも大切です。

(3)「子どもは風の子」はもう古い!? 「温育」が必要な今の子どもたち

石原先生:冷えがあるのは大人だけではありません。現代では、運動、食事、生活習慣などの影響で、子どものからだも冷えやすくなっています。「子どもは風の子」というのは、もはや昔の感覚と言ってよいでしょう。
そもそも子どもは、大人と比べて体内の水分の割合が多いんです。大人は体重の約60%が水分であるのに対し、新生児の場合は約70%です。だから暑い時はよく汗をかきますし、寒い時は冷えやすくなります。また、子どものころから低体温や肥満、起立性調節障害などの体調不良を抱える人が目立つなど、不調の若年化も進んでいます。それにも血流の悪さの影響があると考えられます。子どもにも、幼いころから冷え知らずの生活習慣を伝える「温育」をすることが必要です。

Lab.編集部:子どものころから血の巡り、冷やさない生活習慣を意識することが大切なのですね。温育は何歳から始めるのがよいでしょうか?

石原先生:早ければ早い方がよいです。可能ならば、からだを冷やす習慣が身につく前に始められるといいですね。そうすれば、特に意識せずとも日々の生活を温活につなげることができます。ですが、そのタイミングを逃したら手遅れということではありません。体質的に冷えやすい子であっても、からだを冷やさないことを習慣にしていけば、徐々に冷え知らずのからだに近づいていけます。

(4)“冷え体質”は変えられる! 温活のポイントとは?

Lab.編集部:では、石原先生、温活での大切なポイントを教えていただけますでしょうか。

石原先生:はい、「衣」「食」「お風呂」「運動」の4つをトータルで実践して血流を促し、冷えにくい生活習慣をご紹介します。

■温活のポイント(1)衣

末端に冷えを感じやすい人は靴下やレッグウォーマー、全体的に冷えを感じる人は腹巻きなど、ご自身の冷えのタイプに応じて、必要なアイテムを取り入れましょう。タイプがわからない場合は、腹巻きを使っておなかをあたためるのがおすすめです。

「漢方医学ではおなかを『中』と呼びます。からだの中心的場所であるおなかには毛細血管と血流が多く、あたためると効果的に血流アップを促すことができます。特に『免疫細胞の7割が集まる』と言われる腸の血流がアップし、働きがよくなれば、免疫力を整えることも期待できます。また、便秘の改善や婦人科系トラブルの解消・予防にも役立つでしょう」(石原先生)

■温活のポイント(2)食

みそ汁やスープなど、あたたかい料理を食べたり、からだをあたためる食材(陽性食品)を積極的に取り入れたりしていきましょう。陽性食品とは、主に暖色系で寒い場所や季節に採れる食材のこと。陽性食品を多く摂れる和食はおすすめです。
陽性食品の例:みそ、しょうゆ、梅干し、黒砂糖、小豆、黒豆、海藻類、根菜類、赤身肉、赤身魚、りんご、ぶどう、紅茶、ほうじ茶などです。
陰性食品の例:反対に南国の食材や夏が旬の食材は、からだを冷やす陰性食品と呼ばれます。

「ねぎ、しょうが、シナモン、こしょう、七味、さんしょうなどの薬味、スパイスをちょい足しするだけでも有効です。メニューは和食がおすすめ。今どきは、コンビニでも和の食材や薬味がそろうので、温活が進めやすいですね」(石原先生)

■温活のポイント(3)お風呂

シャワーだけの入浴では、からだが芯まであたたまらず、冷えが改善されません。お湯につかってからだをあたためましょう。40度前後のお風呂に10~15分程度、肩までつかるのがおすすめです。入浴剤、中でも炭酸ガス系の入浴剤を活用すると、お湯に溶けた炭酸ガスが肌表面から吸収されて血管を広げ、血流を促すので温活にぴったりです。就寝時間の1時間~30分ほど前に入浴すれば、ちょうど眠るころに深部体温が下がり、スムーズな眠りも促されます。

「忙しくても1日3分はお湯につかり、からだをあたためましょう。特にお子さんには、小さいころからお湯につかる習慣を身につけておけるとよいですね。お風呂をきっかけに生活習慣全体を見直し、冷えにつながる習慣をなくしていきましょう」(石原先生)

■温活のポイント(4)運動

体温の4割は筋肉から生み出されていると言われ、筋肉が少ないとからだは冷えやすくなります。子どものころからからだを動かし、筋肉を鍛える習慣をつけていきましょう。ポイントは下半身です。下半身には、全身の筋肉の7割が集中していると言われます。下半身の筋肉を鍛えるには、スクワットがおすすめです。毎日30回を目安に、取り組んでみましょう。


温活のキホン、腹巻きを365日使いやすく!
制服の下にもはけて思春期の子どもにもうれしい「腹巻きパンツ」

Lab.編集部:今回、「温活」や「温育」に使っていただきたいパンツを作りました!
石原新菜先生ご監修の「腹巻きパンツ」をご紹介します。

―気になるおなか~おしり、太ももまでをカバー

Lab.編集部:この「腹巻きパンツ」の特徴は、おなかをすっぽりと包む腹巻きタイプのデザインで、一枚で気になるおなか~おしり、太ももまでをカバーできるようになっています。

石原先生:腹巻きはいろいろありますが、パンツタイプだと、おなかもおしりも太ももまですっぽりカバーできるし、腹巻きがず上がってこないところも魅力ですね。

Lab.編集部:股下は長すぎず、短すぎず、ひざ丈のスカートをはく方にも気にならないように設計しています。

石原先生:今、若い子たちは制服やスカートの下には「黒いパンツ(黒パン)」をはいているようなので、その代わりにはくと、ひと工夫になっていいですね。

Lab.編集部:そうなんです、お子さまが制服やスカートの下などにはいたときに、見えても恥ずかしくないよう、ダークカラーにしています。

―こだわりの肌当たり!

Lab.編集部:外側は綿、肌側はシルクの糸を使用し、フィット性を高めるためにソフトな弾性糸を加えています。あたたかく、ホールガーメント®※で無縫製※なので、肌あたりもよいようにしています。

石原先生:シルクは、素肌にも心地よく、薄くて季節を問わず快適に使える素材ですね。肌にとってノンストレスって、うれしいですよね。
伸縮性のあるパンツタイプなので、からだを締め付けず、からだにとってもノンストレスです。

―温活習慣をサポート

石原先生:温活は一年を通して、からだを冷やさない習慣づくりが大切です!
腹巻きパンツは、はくだけで気軽に習慣化しやすいところもいいですね。

Lab.編集部:温活は一年を通して、からだを冷やさない習慣づくりが大切と石原新菜先生に教えていただきました。
そんな温活習慣をサポートしたい……。石原新菜先生に監修いただくことで、外側からの温活習慣をサポートする腹巻きパンツができました!

※ホールガーメント®は、株式会社島精機製作所の登録商標です。

※補強のため部分的に縫製をすることがあります。