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youtube 『絶望ライン工ch』の真実(笑)⁉

このYoutubeチャンネルは、秀逸である。

絶望と謳っているが、見ているうちに、絶望が反転して、「希望」が笑いとともに、産出されてくる。主菜が(笑)で、副産物が「希望」と言った方が精確だろうか。


彼が喫食する、玉子屋のお弁当を一品、ひと品を、紹介してもらえるシーン。案内とともに、私のこころも高鳴り、私の腹も鳴り、どこにもない完全なるグルメになりにけり。彼曰く、「ポークソテー」、「天然ぶりのフライ」、「小松菜」、「しそ昆布煮付け」、「千切りキャベツ」、「ミートソーススパゲッティ」、「白めし」、そして、「470円~~~~」のダメ押し。額縁を纏った「白めし」は絶望ならぬ、【絶品】グルメとしてこの世に、再降臨を果たす。


千切りキャベツまで省かず、手を抜かず、紹介し、それはおかずの中のヒエラルキーの、最下層にあるはずの千切りキャベツまで、価値あり、としてご案内する意志だろうか。その姿勢は自分のこととも重ねているからか、たまたま、か。


いったい、その希望はどこから来るのか、いやこの番組をみていると、希望とかではなく、主人公が住む大地の豊かさのほうを感じざるえない。そして、その対比としての、視聴者や自分を含めた我々が住む世界の貧弱さと脆弱さを。

この構図を生み出す、彼の意識的か無意識的か、怜悧な計算か無頓着さか、いずれにしても、「図」としての、現代の蟹工船か、ぐらいの触れ込みチャネルと、その「図」を支える「地」としての彼の、豊穣さを感じざるえない戦略。


絶望工より、見た目のお金は貰っているかもしれないが、現代のサラリーマンに、戦略なんて能力は皆無だし、そもそもその権利と引き換えの、この多少は希望が持てる、誰かに依存した昭和から令和に続く、毎日。

この編集技術、ライン工の毎日という主題を切り取ったセンス、喫食等の言述使用の確かさと豊富さ、なにより、プレイヤーの自分を、他者に対して、完全にマネジメントしている自分を持つ、彼の能力。


一言でいえば、
ドラッカーを地で生きているモデルケース。


視聴者という顧客の潜在的デマンドにコミットした、マーケティング、そして、それを成立させる編集技術等の、イノベーションの数々。

ふつうなら、悲劇に終わるところだが、このマネジメント力が、顧客にも自分にも、余裕をうみ、その余裕が、このライン工の「絶望」を笑いに転化させる薬のだろう、、、。

ただ、そんな小難しい屁理屈など、どうでもいい。
是非ぜひ、「絶望ライン工ch」に見入ってくれたらと、、、。


ホーム用コーヒーメーカーで、スーパーでカゴ売りコーヒー豆を使って、薄くて味のないアメリカン・コーヒーを淹れ、温めもせず、泡立てもせず、そのままの調整ミルクをいれて、そんなプライスレスなミルク入りコーヒーを飲みながら、この文章を書いている私より。

the f'ree stores ディレクター


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