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伝えることは学ぶこと-実験教室は作る側が一番学ぶ

科学イベントボランティアを仕事にできるのか


リバネスの祖業は、大学生が子どもたちに今のサイエンスを本気で伝える実験教室です。僕がリバネスにコミットしたのは学部3年生の2003年。東工大ScienceTechnoという、学生イベントサークルを立ち上げ、日本科学未来館を中心に科学イベントを企画していました。学部4年からは研究室に入るので、サークルは後輩に譲るかやめる判断をしないとならないなと思っていながらも、このような仕事があったら良いなと考えていた時に出会ったのがリバネスです。

当時から科学教室といったら、大学の先生や科学館の職員がボランティアでサイエンスの楽しさを教えてあげるイベントでした。そこは、サイエンスを知らない子どもたちにサイエンスを教える一方通行の場です。

リバネスの学びの両輪

しかし、リバネスの実験教室は違いました。子どもたちに、今の最先端のサイエンスを伝える企画を大学院生が、プロジェクトとして開発していました。そのプロセスがめちゃめちゃ学びになる。そして、一方的に科学や技術の知見を“教える”のではなく、学んでいる大学院研究者が自らの科学や技術の面白さを情熱を持って“伝える”ことで、学び合うことができます。子どもたちへの次世代教育と学生たちの即戦力育成が同時に成り立つモデルが、創業メンバーの発明なのです。

リバネスで創業から使われている学びの両輪モデル

実験教室が仕事になっていく

子どものイベントだけですとなかなか、お金を出して受けられる方に限界がきてしまうのですが、共に学び合う仕組みになることで、子ども向けの人材育成として、高い価値を提供できるようになりました。仕事になったのです。
この仕組みは、サイエンスブリッジリーダー育成講座として、大学や企業にも仕事として成立して導入されています。


これを、大学の授業で教材開発としてやろうと試みたのが、母校の東京工業大学で行われている、バイオコンテストです。
これについては次回お話します。

次世代に伝えることによって、子どもたちに新しい気づきをあたえながら、子どもたちからも色々まなび、結果自分自身もレベルアップする。
NEST LAB.では、講師を、予備校の名物講師のようなプロの方ではなく、現役の研究者や、アントレプレナーを積極的に採用したプログラムをつくっている理由も、まさに、お互い学び会えると考えるからです。

近い将来、大人だけでなく、好きを究めようと研究している、小中学生も講師となって、プログラムを作って同世代に伝える企画も作ろうと考えています。

伝える本人が一番学ぶ。謙虚な気持ちになるとても大切な考えだと思っています。

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