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HHKBをポチった回

 なんかうだうだ書いたけど書き直しているよ(挨拶)。

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 HappyHackingKeyboardを買いたいの会なんですが。
 いや! もう買おう。これ、悩んでる時間がもったいない。買えばいいよ。買います。買うんですけれど、最後に悪あがきをさせて欲しい。というわけで、小説というか打鍵の話をさせてください。
 再三話していますが、2022年の2月くらいからHAPPY PEOPLEという企画をやっていまして。以下なんですけれども。

 毎週ね、実兄が撮った写真に、弟である僕が小説を書くというもので、かれこれ23本投稿しています。毎週上げているということは、毎週必ず小説を書いているということになるんですね。兄から送られてくる写真っていうのは、週に1枚のときもあれば、4枚くらい、つまり1ヶ月分くらいまとめて送られてくることもあるのでバラバラなんですけれど、僕は基本的に毎週土曜日か日曜日に書いて、そこで投稿することにしています。それまでになんとなく頭の中で「こんな小説書こうかな」と考えることもあれば、日曜日の19時くらいに「やばい! あと2時間しかない!」と思って焦って書き始めることもあります。週に1本上げるというのはルールなので、絶対に1週間に1作上げることになっています。出来の善し悪しとか、完成度とか度外視で、とにかく1週間に1本上げる、というのが絶対的なルールです。
 書き方については色々あるんですけれども、今回は特殊な試みとして、打鍵風景を撮影してみました。打鍵風景を撮影する、という行為自体は10年以上前から何度かやっていることなんですけれども、今回は打鍵音とテキストエディタの映像を合わせて、作業用BGM的な使い方が出来るように、高性能なマイクで打鍵音も録音してみました。以下になります。

 今回の『魔物』という小説に限って言うと、上記の「打鍵動画を録ってみよう」というアイデアが先にあったので、何も考えずに録画を回して、リアルタイムで話を考えながら書いています。要するに、プロットも何もない状態。手がかりとして「写真」があって、『魔物』というタイトルは事前に決めてありますので、「このゾウっぽい生き物が『魔物』と呼ばれる世界観で、姉と弟が出てくるんだろう」くらいのストーリーだけ決めて書いたということになります。
 で、実際、録画しながら30分くらい書いて、推敲もなしに上げました。文字数としては約3,900文字です。つまり、1時間くらい書くと7,800文字くらい書ける計算になる。1分で100文字書ければ1時間で6,000文字書けるわけですけれども、それよりは少し多めに書けるということになります。実際、打鍵速度って平均的な基準がないですからどうこうって話ではないんですけれども、過去、僕が打鍵狂いだった頃、脳も若くて創作意欲に満ち溢れていた頃は、1時間で10,000字くらい書いていました。なのでまあ、20歳くらいの全盛期と比べるといくらか打鍵速度は落ちているんですけれども、それでも割と早い方なんじゃないかなという気がしています。
 まあこれは今回の本題ではなくて余談に近いんですけれども、なんか割と小説の完成度よりも打鍵速度に重きを置くところが自分にはあって、なんというか……うーん、面白い小説を書きたいというのももちろんなんですけれども、小説の面白さって数値的な基準がないし、それが響くかどうかって人によりけりだから、自分との対話で上手く扱えないんですよね。でも打鍵速度には明確な基準があるから、「打鍵速度」と「文字量」についつい注目してしまうわけです。それに、「早く書けた」はイコール僕の中で「迷いなく書けた」になるので、結構面白さというか、出来上がりの基準になっているんですね。面白さの鮮度が保たれた状態で書き上げられたというか。
 まあ、これは「さておき」なんですけれども。

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 打鍵風景を撮影したのには理由がありまして。
 自分の打鍵の癖というか、フォームと言うか、流儀というか……どういう風に打鍵をしているのかということを確かめるための録画でもありまして。
 まず、僕が使っているキーボードはいわゆる「US配列」というもので、皆さんが一般的に利用している「JIS配列」とは少しだけ形状が異なります。具体的にはEnterキーが細くて、カギ括弧の位置と、エクスクラメーションマーク(!)とクエスチョンマーク(?)の位置が変わります。他にも、シフトと同時押しをして入力する記号(+とか=とか、〜とか、その手の記号)の位置が変わっているんですけれども、こと小説を書くという一点に限って言えば、カギ括弧と「!?」の位置が違うくらいでしょう。ほとんどの記号は変換を使っても出せますので、まあ障害となるのはこのくらいかなと。
 日常的にはJIS配列のキーボードを使って仕事をしていますから、まあJISだろうがUSだろうが使い分けられるんですけれども、長時間小説を書くとなると、僕は断然、US配列派なんですね。カギ括弧が打ちやすいから。なので、意外とこう、キーマッピングってのは重要なんですよ、打鍵をする上で。
 なんでこんなことを考えたかって言うと!
 HHKBの場合、ちょっとキー配列が違うんですね。参考までに、REAL FORCEの僕が持っているモデルと、HHKBの僕が買おうとしているモデルのキー配列画像を引用させていただきますが、こんな感じになっております。
 まずREAL FORCEがこんな感じ。

https://www.realforce.co.jp/products/R2TL-USVM-WH/

 続きまして、HHKBがこんな感じ。

https://www.pfu.fujitsu.com/hhkeyboard/leaflet/hairetu.html

 比較してみると、小説を書く上で利用しそうなキーで一番違いが目につくのは「デリートキー」なんですよね。あとは「右シフト」の位置も違います。コントロールキーは僕は元々CapsLockの位置(Aキーの左側)に割り振っているので使い勝手は変わらないと思いますが、デリートキーと、!とか?を出すのに右シフトを使っているので、これが大丈夫なのかという心配をしておりました。
 で、録画を見返しながらとか、実際に文章を打ちながら確かめてみたんですが! 結構僕は右シフトの内側を使ってシフトを押しているっぽかったので、ここは別段大丈夫そうだと。「デリート」に関しては、そもそも僕は文字を削除する時に、デリートキーまで小指が届かないから右手の中指で連打するというタイピングをしているんですが、リターンキーのすぐ上にあればこれ小指で行けるんじゃないかと。つまり、「キーが変わることで不便になる」でも「キーが変わっても問題ない」でもなく、「キーが変わることで利便性が上がるのではないか」ということです。
 で、思い立ったが吉日と言いますか、「これ、今のキーマッピングだけ設定変更すればいいんじゃねえの?」ということで、早速試してみました。

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 Karabiner-Elementsという、Macのキーマッピングを変更してくれるソフトウェアがあることはちょっと前から知っていたんですが、特に困っていなかったので使ったことがありませんでした。が、これをダウンロードして、早速「Enter(Return)」キーの上にあるバックスラッシュキーに、デリートキーを割り当てることにしてみました。
 キーのマッピング自体は結構簡単でした。最初にセキュリティ設定を有効化させるためにパスワードをひたすら入力する手間があるくらいでしたが、実際の変更は本当に2分くらいで終わりました。参考までに、こんな感じに変更してみました。

 要は単純に、バックスラッシュのキーとデリートキーの位置を入れ替えただけです。で、早速今、この設定で打鍵してみています。
 えー……正直まだ慣れてませんが、これは合理的だな、という印象を持っています。もっと打鍵速度が向上するんじゃないか、という期待すら持てています。
 まあ、誤字脱字をしなければデリートキーなんて押下する必要はないんですけれど、人間どうしても誤字脱字は発生しますし、割とポンポン景気良くデリートしてしまうのが僕という人間です。なのでデリートキーの押下率って結構高いんですが、その度に右手がこう……ちょっと右側に傾いて中指を伸ばすという動作をしていたものですから、結構負荷が高かったんですね。実際のところ、僕は打鍵をする際に右手首に疲労を感じて打鍵をやめるというパターンが多かった気がします。
 が! 実際、リターンキーの上にバックスペースを置いてみると……こ、これは……使いやすい。小指で押せるんですよ。まあ、普段カギ括弧を小指で押下しているわけですから同じ段には指が届いて当然なんですよね。で、今こうして文章を書きながら、適当なタイミングでデリートキーを小指で押す訓練をしているわけなんですが……これがめちゃくちゃ良くて。信じられないくらいスムーズに打鍵が出来ている。ポジションが崩れないんですよ。打鍵の最中に、ちょっとした『間』が生まれることなく、打鍵が続けられる。
 こ、これだよ俺たちが求めていたものは! ってな感じで、今めちゃくちゃ楽しく打鍵しているんですけれども、そのせいで僕の中の悪魔が囁くんですよね。「キーマッピング変更して打鍵環境が向上したなら、それでいいんじゃない?」って。HHKB買う必要ないんじゃない? って、無粋なことを言うんですよ。

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 僕はそうやって、自分の購入意欲に水を差すことが結構あります。
 他にも、HHKBが欲しい理由の一つに、僕は「ワイヤレスモデルがない」ということを言い続けていたんですけれど、実は2022年の6月後半くらいに、REAL FORCEのMac版の無線モデルが発売されています。
 要するに解消なわけですよ。キーマッピングは良くなりました、無線モデルも出てます、じゃあHHKB買う必要ありますか? 高いお金を出してまで、新しい機材を買う必要がありますか? 答えはNOなんです。NOなんですけれど……それでもやっぱ欲しいと思う僕がいる。
 で、じゃあもう1個の理由だった、無刻印モデルである必要があるのかって言うと、それもまた違う。違うっていうか、それこそREAL FORCEに無刻印キートップをくっつけりゃいいだけの話なんですよ。自作キーボード界隈にはそういうのがありますから、刻印のないキートップを買ってきて、一個一個付け替えりゃいいわけじゃないですか。無線モデルがある、キーマッピングはいくらでも変更出来る、無刻印化も出来る。じゃあそれでいいじゃないかと。お前が不満を抱えている問題は全て解決出来るじゃないかと。
 そう思ったのに、それでも僕はやっぱり今、「HHKBが欲しい」と思っている。多分もう、理由付けとか言い訳とかを考えても無理そうだと。あのー……まあ人を好きになる理由と一緒で、やっぱり「この人の顔が好き、声が好き、考え方が好き、お金いっぱい持ってるところが好き」とか色々あると思うんですけれども、ひとつひとつ削っていって、好きである理由をひとつずつ殺して行って、何が好きかっていうのを導き出すことを皆さんすると思うんですけれども(多分しないでしょうね)、それを全部やっていって全然別人になってもその人のことが好きなのかどうか? みたいなことを考えた時に、ようやくその人を心から好きになれるじゃないですか。知りませんけれど。
 そういう感じで、恐らく僕は、「色々やってみたけどやっぱとりあえず買って試してみよう」という無双モードにどうやら入っちゃっているようだということが分かったので、買うことにします、HHKB。無刻印モデル。買ってみて、やっぱり合わなかった、REAL FORCEで良かった! となれば、まあそれはそれで良いと思います。ですがまあ、打鍵する……小説を執筆する上で、無駄のない、洗練された道具で挑みたいというのも正直なところなんですよ。REAL FORCE for Macは割と洗練されている方ですけれども、やっぱりhomeキーとかpage upキーとかって、仕事したり作業したりするときは重要かもしれないけれど、こと小説の執筆という作業に関しては、不必要なんですよね。だからもう、不要なキーは一切ないくらいにしたい。
 要するにまあ、絵を描く時に製図用シャープペンシルを使うか、シャープペンシルと赤黒ボールペンの入った三色ペンを使うかみたいな話だと思います。そういう特化型のアイテムを買ってみて、それで打鍵をしてみたいっていう、純粋な欲求があるだけのようです。今までの言い訳は本当、ただの言い訳で、その言い訳を潰してみたところで欲求を抑え込むことは出来ませんでした。申し訳ございません。

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 まあそんなわけで、今からポチります。
 ……。
 ……。
 …………。
 ポ、ポチりました。
 う、うおお!!! ポチりました!!! やってしまった……36,800円のキーボードを購入してしまった……い、いや、いいんだ……僕はそのために労働しているのだから! 賞与も出たし! 最後の詰めみたいな悩み方もしたし、それでも抗えなかったのだから、もう買えば良い。ここまで悩んで買わないと、買わなかったことを後悔するので、これでいいんです。たかが36,800円……俺の経済状況なら……う、うう……本当に良かったのか……いや、いいはずだ……。
 とにかくまあ、買いました。到着は7/14頃と書いてありましたので、金曜日くらいから使い始められそうですね。幸か不幸か、休日出勤の代休として15日から18日まで4連休を取得予定ですから、その4日間でひたすら打鍵をしてみようかと画策しております。小説1本くらい書けるんじゃないかなー。
 まあとにかく、これにて福岡さんのキーボード探求の度は一旦終わりです。まあ、実際HHKBを1年くらい使ってみて最終的な判断を出すことにはなりそうですけれども、とりあえずは新しい環境で小説を書いてみて、自分の生活の中に「打鍵を当たり前にする」という状態を取り戻そうかなという感じです。
 届いたら、打鍵感覚を確かめる意味でもまた日記を書くかと思いますので、その際は皆さんよろしくお願い致します。

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 なんか上記で「人を好きになる」みたいな話について書いたので、思い出しついでにどうでもいいことを書くんですけれども……よく「趣味の合う人と付き合いたい or 結婚したい」みたいな言説を見ますが、すげー怖い思想だなと僕は勝手に思っていて。
 というのも、僕は自分自身の「趣味」みたいなものに自信を持っていないんですよ。ギター、ピアノ、小説についてはまあ趣味ですし、映画鑑賞もそうかもしれませんが、結構ムラがあるというか、四六時中趣味でいられるわけじゃないし、下手したら数年単位で飽きる可能性もあるわけで。
 それをなんか一時の盛り上がりで「交際相手」なり「結婚相手」に求めるのって勇気あるなーとか、お風呂に入りながらそんなことを思っていたので、思い出しついでに書いてみました。じゃあ何を基準にすりゃいいんだよって言われると言葉に窮するんですけれども……まあなんでしょう、僕がおかしいだけで、世の中の全員は意外と「今の趣味は生涯渡って趣味である」と思っているのかもしれませんね。
 なんかクソくだらない愚痴みたいなことを書いてしまったので……別のことを書こう。
 上記した「HAPPY PEOPLE」は1週間に1作必ず書く、というルールの上で運用していて、なんだかんだで約半年続いたので、そうやってルールを決めてしまうのは僕には結構有効らしいな、という気付きを得ました。実際、『科学喫茶と夏の空蝉』という小説は、カクヨムで連載していた頃、「○日に出す」というルールを決めた上で書いていて、それで書き切りましたので、割と自分ルールを適用させた方がコンスタントに作品を出す可能性がありそうです。
 なわけで、最近生活も多少落ち着いてきましたし、休日に時間も作れるようになってきたので、HHKBを購入したくらいに、何らかの小説を書き始めようかなと考えています。連載なのか、短編連作なのかは分かりませんが、「とりあえず毎週何かしらする」というルールを自分に課して創作をしようかな、と。
 過去に書いた小説のリメイク的なものだったり、続き物だったりを書こうとすれば早いんですけれど、せっかくなので全く新しいシチュエーションで小説を書き始めようかと画策しています。
 なのでまあ、HHKBを手に入れてからの福岡さんにご期待ください、という感じです。未だに僕の小説経由でこの文章を読んでくれている人がいるのか甚だ疑問ではありますが。

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 そんなわけで、REAL FORCEからHHKBに乗り換えるための日記でした。乗り換えというか、多分日常使いはこれからもREAL FORCEなんだと思うんですけれど……まあ使い勝手によっては、100%HHKBになる可能性もありますし、常時3台のキーボードを繋いでいる可能性もありますから、なんとも言えませんが……まあなんとなくこう、楽しい打鍵ライフが始まりそうな予感がしています。
 結局のところ、一人で部屋にこもって小説書いているのがお似合いな人間ですから、お前は小説を書くことでしか存在意義を見出せないんだよ、という覚悟を決めて、しこしこと小説を書いていければなと思います。
 なんて悲しい男なんだ……。
 まあでも、そういう人生があっても良いでしょう。
 まあそんなこんなで、また次回。
 HHKB入手後に、またお目に掛かりましょう!
 アディオス!

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