見出し画像

助けてくれ

 俺はもう駄目だ(挨拶)。

 ◆

 まるでYouTubeによくある「ご報告」という黒背景に白抜きのサムネみたいな、再生数稼ぎ目的のような日記ですけれども、違うんです。
 た……助けてくれ。
 本当に助けてくれ。
 文学に殺されてしまう。

 ◆

『群像』の10月号が出ました。
 群像って何? という方に簡単に説明すると、講談社が発行している、主に純文学を扱う文学雑誌です。僕はコアな読者ではないのですけれども、たまーに割と攻めた感じの特集をしたりするので、年に1,2回は買っていると思います。
 で、これの10月号がヤバイ。
 何がヤバイかというと、『西尾維新』と『舞城王太郎』が同時に掲載されているのだ。
 なんだこれは。メフィストかファウストじゃないのか。
 いや……講談社が出している雑誌ですから、講談社ミステリ——というか、『メフィスト賞』受賞作家である2名が同時に、講談社の雑誌に小説を掲載するのは不思議なことではないんですが……。
 いや不思議だろ。
 純文学を謳う雑誌に載るような作家ではなかったはずだが。
 いやもちろん、純文学って何? とか、群像って純文学雑誌なの? という話になると、「そこはなんか……イメージであって……」みたいな感じなんですけれども、うーん、まあ……なんだろう、すごい。
 すごすぎて思わず買いに行っちゃったよ。
 まだ全然読めてないんですけれども、うーんうーん……まずい。非常にまずい。こんなのは高校生なんですよ。「うわあ! 西尾維新と舞城王太郎の新作が雑誌に載った! 本屋へ急げ!」みたいな。
 やってることがずっと高校生なんですよ。
 もう35歳になるんですよ? 僕は。
 助けてくれよ……。

 ◆

『鵼の碑』の発売日が近付いています。
 ということは、僕が35歳になるということなんですが……。
 そのワクワクたるや、マジで高校生なんですよ。

 前にも色々お話しましたけれども、

 もうとんでもなく暴れ回った日記を書きましたけれども……。
 高校生かよ俺は。もう本当に「うわあ! 京極夏彦の新刊が出る! 飯代浮かせて本屋に走れ!」なんですよ。飯代を削らなくてもいいんですけれども、気持ち的にはそう……本屋に走りたい……まだ売ってないけど……。
 とは言え9月14日から15日は忙しそうな上に、今も仕事が忙しかったりやることがあったりして、発表以降時間を見つけては過去作を読み返していたにも関わらず、結局のところ『鉄鼠の檻』くらいまでしかまだ読み進められていないんですけれども、うーん……ちゃんと読めるのかぁ……? 読むもの多くて全然人生が進んでないけど、大丈夫かぁ……? みたいな。
 助けてくれ……。
 時間が足りない、なんてのは泣き言だとは分かっているんですが、
 時間が足りない。
 いや、睡眠に当てるようになったので、体調はすこぶるいいんだが……そのせいで読書が疎かになっている。
 た、助けてくれぇ……。

 ◆

 小説を書きましてね。
 いやマジで高校生かと……。
 書いたというか、推敲中なので単に「書き終えた」段階でしかないんですけれども、これを全部綺麗にしてから公開するとなるとかなり時間が掛かりそうなので、えいやということで公開を始めました。

 この記事で書いていた、小説で、タイトルは『林檎森の忌子』といいます。

 第1話はこちらになります。
 時代背景的には大正1桁台くらいの雰囲気です。大正浪漫とかそんな感じ。
 別に触発されたわけでもないんですけれども、今年は大正12年に発生した関東大震災から100年という節目の時代だし、まあ作中は震災前の舞台設定なので全く触れてはいないんですけれども、なんとなく思うところがあったというか……「とりあえず今書けるものを書くかぁ」みたいな感じで書いております。
 ハイパーどうでもいいマジの余談になりますが、昔(10代の頃)に書いた『コドモハ旅ヲスル六帖線』というよくわからない小説があります。

 これを書いた頃は脳内の活動が活発だったことに加えて、めちゃくちゃ暇があったので、これを書きながら、脳内で「家系図」というか、この登場人物たちが関係する歴史とかについて考えていたんですね。
 余談中の余談ですが、これは昔、電撃文庫の何らかの選考に残ったような気がしないでもない……のですが、あんまり覚えてない。スクエニだったっけな……とにかく何らかの選考に残って編集者の方と何らかの会話をした記憶があるんですが、なんか詐欺っぽい話に向かったので音信不通になった気がします。ひどい話だ。いや詐欺は語弊があるか。とにかくまあ「本は出さないけど文章の仕事しない!?」みたいな話になったので音信不通になった記憶が思い起こされました。懐かしいな。
 で、まあ上記の主人公の先祖に当たる人物を書いたのが、これは20代の前半くらいに書いたんだったかな……『月島零士の空暦』という小説を書きました。以下です。

 これは別にどこに出すとかなく単に書いていたんですけれども、とりあえず書くだけ書いたという感じのよくわからない小説群です。そう言えば最終話を投稿していないな……まあいいや、また気が向いたら投稿しますが(投稿したところで誰も読まんだろうという謎の感覚がある)、そういうのを昔書いていたんですね。

 で、今回書いているのが、その間の世代に当たるキャラクターです。
『月島零士の空暦』を初代とした場合、『コドモハ旅ヲスル六帖線』の主人公が七代目になります。で、今回書いている『林檎森の忌子』に出てくる主人公格となるキャラクターのひとりが、四代目に当たります。
 まあ、『初代』の扱いにもよるんですが……丁度こう、「祖父と孫」とか「親と子」の関係にならないライン——「曾祖父と曾孫」という関係だと、あんまり物語的に絡まなくていいし、初代は『文政』とか『天保』あたりの、政治と関わらない主観に因る世界の物語、七代目は『平成』以降の現代ベースの異世界を舞台にした物語。で、じゃあ四代目は歴史に即した小説でも書いてみるかと言うことで、大正1桁台の歴史について色々調べつつ書きました。冒頭から滅茶苦茶に趣味に走った小説を書いています。

 桜木町駅で目が覚めた。終点だった。
 四年か五年ぶりに、この駅を利用している。前に来た時は、ここは確か横浜駅という名前だったはずだけれども、ひとつ前の駅——東京方面に駅が増えて、そこが新たに、横浜駅の名を冠するようになったらしい。それで、元々は横浜駅だったこの駅舎が、町の名前を取って、桜木町駅を名乗るようになったとのことだ。

 え!? 福岡さんの趣味って鉄道だったの!?
 いやそういうわけでもないんですが……なんて言えばいいんだろう? 僕は土地の名前の成り立ちとか歴史とかを調べるオタクなので(初耳)、なんだろう、地図を見たり、旅をしたりすると、地名とか町名についてめちゃくちゃ調べるんですよね。そういう、使いもしない知識が溜まってきたのでここらで使ってやろうか、という気持ちで、小説を書いているのです。
 今、割と歴史の深い町に住んでいて……歴史の深さってなんだよって感じですけれど、それこそ100年近く統廃合していないとか、歴史的資料が大量に残っているとか、そういう町に住んでいるんですね。割と休日に資料館とかに行くのが趣味なので、感染病の流行中に蓄えた知識とか、実際に歩いて感じた町並みとかを利用して小説を書いているところでございます。そしてそこに妄想をひとつまみ……。
 ざっくり20万文字くらいで書き終わったんですが、果たして推敲中にどれくらい膨れ上がるか、軌道修正をするかが分かりませんので、まだ完成とは言いがたい。でもとりあえず、1週間に1話ペースで公開出来ればいいなぁと思っているんですけれども……うーん、まあ気の長い趣味として、頑張って行きたいなぁと。
 思っている、ん、ですが……。
 ……ネ、ネット小説で連載するって!!!
 高校生及び二十代前半かよ!!
 お前はもうアラフォーになるというのに! まだやってるのかよ!!
 た、助けてくれ……誰か僕を助けてくれ……大人にしてくれ……。

 ◆

 秋が来ましたね(錯覚)。
 あのー……リプトンっていう紅茶があるんですよ。正確に言えば販売会社かな? ご存じの方も多いとは思うんですけれども、高校生とかが何故か飲んでいる、紙パックの「リプトンミルクティー」でお馴染みのブランドですね。
 僕はこれが大好きで、高校生の頃から飲み続けているんですけれども……実際のところ、好きなのは「リプトンの味」なんですね。ミルクティーだから好きというわけじゃないというか。もちろんミルクティーも好きなんですけれども、あの奥底に感じられる「リプトンの味!」が好きなんです。紅茶としてどうとか、美味しいかどうかは関係ない。「リプトンの味!」に毒されているのです。親の母乳より飲んだ味ですから、そりゃ馴染みも深くなる。
 なんでそんなに飲んでいるのかと言うと、若い頃、僕は寒い季節になりますと「リプトンのティーバッグ」で紅茶をガブガブ飲んでいたんです。電気ケトルを机の上に置いて、いつでも湯を沸かせるようにし、机から一歩も立ち上がらずに、紅茶をガブガブ飲んで小説を書く……という生活を、学生の頃とか、20代前半の頃に送っていた。たまに角砂糖を入れたり、牛乳を入れたりしつつも、基本的には素のままでガブガブ飲んでいた。
 加えて。僕が愛用しているマグカップは今回のnoteのヘッダ画像に使われているくまのプーさんのマグカップです。これ、どこが売ってるのか分からないんですよね。多分もう廃盤なんでしょうけれど……なんか……昔、祖母と母と兄との四人で、ファミレスでご飯を食べるみたいなイベントが何度かあったんですが、その時なんか……ファミレスのポイントが貯まっただかで、お好きな商品と交換出来るみたいなのがあって。当時僕は小学生くらいだったと思うんですが、欲しいのあったら交換していいよ、みたいなことを言われて。で、このマグカップを選んだんですね。
 人生で初めて、自分の意志で手に入れた「食器」だったと認識しています。断捨離男でお馴染みの僕が、何度も引っ越ししながらも、ずーっと持ち続けてきたマグカップなので、そりゃもうボロボロかと思いきや、全然欠けることもなく、プリントがダメージを受けることもなく、現役で使われています。
 冷静に考えると……なんだ? かれこれ25年近く、ずーーーーーっと使っているのです。
 怖いな。

 ◆

 やばいこれ話長くなる! サッと切り上げたい!
 リプトンが好きという話をしましたが、ここ数年はあんまり飲んでいなかった。酒浸りというのもあったんですが、スーパーでよく見る、三角錐みたいな形のティーバッグの味はなんか違ったんですよ。だからなんか疎遠になっていて。
 これ、美味しいんですけど、高級感がありすぎるというか。僕が求めているのはそうじゃないんですよね。ティーバッグひとつで、3杯以上出涸らしで飲めるような、最初の一杯から雑多にウマい、という紅茶が好きだった。なんですけど、近所には三角錐のティーバッグしかなかったのです。かと言って、別にネット通販で買うほどでもないしなぁ……と思って、保留していたんです。
 ところがつい最近、僕が求めているっぽいティーバッグを見つけたんですよ。100個入りで、400円くらいのやつ。で、試しに買ってみたんですね。400円だし、まあもし間違ったとしても、冷やしてお茶にすりゃいいだろうくらいの気持ちで。
 先週くらいかな。
 買ってしまった。
 これがよくなかった。
 リプトンのティーバッグを買ってからというもの、僕は現在に至るまで、アホみたいに紅茶を飲んでいて。で、紅茶を飲むとなると当然、プーさんのマグカップで飲むことになる。そうすると、椅子から立ち上がらなくなる。本を読むとか、小説を書くとかして、ずーーーっと椅子の上にいる。ガブガブ飲むら尿意がヤバイんですけれども、「キリの良いところまで! 一章分書いたら立つから!」みたいなことをしている。
 お前は何歳なんだ。
 で、この「立ち上がれない! キリが良いところまで立ちたくない!」という感覚、マジで高校生のソレなんですよ。小説を書き始めたくらいから、僕はそういう人間に変貌してしまった。
 これをやり始めたらなんか……感覚が……高校生になってしまった……。
 18歳から19歳くらいの頃、金もないから湯を沸かして紅茶を飲む、ということくらいしか娯楽がなかった時代に、小説家を目指して週に1本書くんだ! みたいなことをしていた時期は、本当に紅茶をガブガブ飲んでいた。その感覚だったり、その思い出だったりがフラッシュバックして……上記したように、19歳の頃に書いた長編小説と連なる小説を書いて、推敲しているのもあって……あと『西尾維新』だの『舞城王太郎』だの『京極夏彦』だのが新作を書いていて……。
 うわああああああ!!!!
 助けてくれ!!!!
 助けてくれ……本当に助けてくれ……。
 いや僕は楽しんでるんだけどさ!
 僕自身は、毎日楽しいわけ! 変わらず!
 むしろ、前の日記でも書きましたけれども、焦燥感に突き動かされていない生活を送っているから安定はしている! 安定はしているんだけど……逆に、安定した上で高校生当時と同じ生活をしているっていうのは、「何の不安もなく毎日楽しい」という状態なわけで。
 楽しいはずなんですけれども、その反動ですごく不安になるわけです。
 これでいいのかなぁ……っていう気分にもなるわけですよ。
 俺はこんな……適当に仕事をしてお金をもらって、安定した生活をして……小説を読んで、書いて……一生終わって行くのかって……。
 すごく思うんです。
 いやだからと言って、じゃあ何をすればこの心が救われるのかなんて分からないんですけれども。
 なんだかなぁ……いいのかなぁ……。
 助けてくれ……誰か……僕を助けてくれ……。
 なんだかそんな気持ちになりました。
 ノスタルジーがエモすぎて(意味の分からない発言)。

 ◆

 まあなんか、急に文学に襲われたので、助けてくれという話でした。
 後半は紅茶の話でしたけれども——割と長時間小説を書いていた頃の僕にとって、紅茶というのは唯一の必須アイテムだったので——なんでしょう、よく匂いの記憶は色濃く残ると言いますが、味も結構それに似ていて、一口飲んだ瞬間に「よし! 続き書くか!」みたいな謎のブーストが入る感覚を久しぶりに味わいました。恐ろしいですよね。本当に。
 まあとにかく、『林檎森の忌子』を公開して行こうと思います。
 あとあれだ、誕生日が近いんですけれども、35歳になったら自分ルールが発動することになっているので、それも頑張りたいところです。最近忙しいですから、自分ルールをどれくらい全う出来るかは微妙なところなんですが——決めた以上は、ある程度頑張りたいなと、そういうところです。
 そんな感じでなんか日記でした。
 また小説を読み直す作業に戻ります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?